7.断罪のその後
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……んなわけあるかい!
なに人の男取っておいて友情ごっこしてるのって話。
スマホゲームだし、自分が乙女の立場だったから、「みんな幸せになって良かった」なんて考えていたけれど、実際に「された側」からすると、どんだけ馬鹿にしてくれてるのって感じよね。
でも……ミネルバお嬢様なら物事を荒立てたくなくて向こうが純粋無垢に迫ってきたら、友情はぐくんじゃいそう……。
最後の卒業パーティで自分の花を受け取ってもらえたらカップル成立。
ジョセフ様の部屋にあるっていうユリの花は、受け取ってもらえなかった花ですわね。
ああ、踏んずけて切り刻んで投げ捨ててしまいたい。
王太子エンディングは断罪があるけど、ジョセフ様ルートでは、ミネルバお嬢様は会場でモブに混じって拍手して二人の門出を祝うエンディング。
断罪されなくて良かったね。では人生終わらない。
その後がしっかり続いてるっちゅうの。
婚約解消された令嬢が次にまともな婚約相手が見つかるとは思えない。あの美しくて聡明で優しいミネルバお嬢様が、行き遅れ欠陥品扱いで後妻や問題のある人へ下げ渡しされるなんて冗談じゃないわ。
婚約解消が無くて本当に良かったです。
ジョセフよ、首の皮一枚で助かったんだからね。
そんなことになっていようものなら、クラジオ公爵家総出でつぶしてやるんだから。
私にそんな権利無いけどね!
アン姉さまが、私も気になっていたことを尋ねました。
「女狐に篭絡された人たちの婚約者しゃまたちはどうなったのでしゅか?」
結局名前を聞いても、女狐って呼んじゃってます。
まあ、私も女狐でいいと思いますけどね!
お父様とお母様は困ったように顔を見合わせています。
「王太子の婚約者だったヴァネッサ=シュクレーン公爵令嬢は北の修道院へ送られることが決まったそうだ」
北の修道院は別名「貴族女性用監獄」。待遇は厳しく、一生出られることはない。
「そんな……、そんな酷い扱いされるようなことをしゃれたんでしゅか?」
「まあ、暴言を吐いたり、扇で叩いたりはあったようだが」
それって貴族令嬢の間でよくある女の争いってやつでは。その程度で?
「しょれで監獄行きだなんて……」
つい言葉に出てしまいます。
「デイジー様が、ヴァネッサ様の雇った暴漢に襲われただとか、階段から突き落とされたとか泣いて縋ったらしい」
「本当にそんなことがありましたの?」
「正直デイジー様の証言だけなので、確証は無いな。私は無実だと思っている。私ならともかく、箱入り娘であられるヴァネッサ様に暴漢を雇う伝手は無いだろう」
「確かにしょうですわね。なのになんで……」
「他の婚約破棄をされた令嬢方も修道院へと送られたり、格下の男性への婚約手続きなどが進められているわ」
事態は思ったより深刻です。
「ミネルバお嬢様はヴァネッサ様や、今回彼女に篭絡された男性たちの婚約者様たち全員ミネルバお嬢様のご学友だから、そのことも含めとても辛いだろうね」
乙女ゲームでは、もちろんゲームなので特に周りに与える影響を考えるでもなく逆ハーレムルートを作って楽しんだりもしました。でも現実世界でそれは、攻略されて捨てられた男性たちも、その婚約者たちも、その後の人生めちゃくちゃです。
「私たちでどうにかできないでしゅか?」
アン姉さまも激しくうなずいています。
「今の私たちに他家のお家騒動まで関与できる力はない。とりあえずはミネルバお嬢様に幸せな未来を作ってあげよう。ね」
お父様は涙ぐむ私とアン姉さまの頭をなでてくれました。
「その方たちに比べると、ミネルバお嬢様はまだ恵まれている方ではあるのよね」
お母様がため息を履きながらそんなことをおっしゃっています。でも……、
「一生愛のない人生を送ってしあわしぇな訳がないでしゅ!」
人と比べてましかどうかなんて意味がありません。ましだからこれくらいの不幸は請けいるべきなんて考えは失くさなければ!
まずは、絶対ミネルバお嬢様を幸せにしてみせる!
私たちは再び固く誓ったのでした。
明日からの計画が決まりました。
お父様は引き続きジョセフ様の動向を監視、および学園であった事の情報収集。
お母様は、ミネルバ様が憂えるような状況の排除と使用人たちからの情報収集と情報操作。
そして私たちは、まずはミネルバお嬢様とジョセフ様にもっとお近づきになるミッションを与えられました。
お近づきになってお二人の心の内を聞く。
この幼児ボディを活かして、存分にやってやろうじゃありませんか!
私とアン姉さまは、硬くこぶしを交わしました。
お読みくださりありがとうございます。




