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数分間しか、いれません!  作者: うちの生活。


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78/78

78 今日も元気です

 洞窟の攻略が出来なかった数日後。


「ユウジよ、話は聞いておる。ご苦労だったな」


 王様は今日も今日とて、雅なのか、そうでないのか困惑させられる格好をしている。ただ、これが通常運転なんだからツッコむような真似はしない。


「いえ。攻略はできませんでしたし⋯」

「聞いた内容が事実ならば、仕方なかろうて」


 魔物の洞窟とはなんなのか。


 今回の件で余計にわからなくなった。ドラゴンやら、恐竜やら、王都や日本の風景など。


 ⋯もしかしたら、今までこっちの人は魔物にしか遭遇してなかったからそう認識していただけで、あれが魔物の洞窟の正しい姿なのかもしれない。いわゆる迷宮とか、ダンジョンとか。


「まぁ、今後とも宜しくたの⋯⋯⋯よろしくーねっ♪」

「は、はぁ⋯」


 そこで声変えんなよ⋯。


ーーーーー



「何かもらえると思ったんですけどねー」

「え?」

「え?って?」

「⋯⋯いや、なんでもない。そうだねー」


 攻略できてないのに?

 王宮で贅沢してるくせに?


 そう思ったけど、どこまでも欲深いのがサシャさんだったと思い直した。


「それに、ユウジさんは勇者とか呼ばれたかったんじゃ?」

「え?いや、そんなことはないけど⋯」


 断じてそんなつもりはない。攻略すればそう呼ばれたりするかもなんて思ったけど、そもそも攻略してないんだから。


「へぇー?」


 ニヤニヤしているのが腹立たしい。


「王様には今後ともって言われたけど、ボブカットさんと相談かな」

「あれ?まだしばらくここにいられますよね?!」

「さぁ?知らない」

「えぇ?!ちょっと言ってこないと!!」

「あ⋯」

「ヒィーーハァッ!!」


 ニヤニヤから一転して、慌てた様子で勢いよく部屋から出ていってしまった。


「王様に凸る。これも通常運転のサシャさんだな⋯」



ーーーーー


ーーーーー



 あれからしばらく経った。


 相変わらず、ボタンをぽちっと押している。あっちにいったり、こっちにきたり。自分もサシャさんも徐々に時間は延びているけど、まだ一時間にもならない。でも、それがいいんじゃないかなとも思ってる。四六時中、サシャさんに付き合うのはちょっとどうにかなりそうだし。⋯あ、魔物の洞窟なら何時間でもいられるけど、そればっかりなのもちょっとねぇ⋯。それこそずっと一緒にいることになっちゃうし。何事にも、適度ってのがあるから。



「ヒィィィーーーッーハアァッッッッ!!!」

「ちょっと、こっちではやめてほしいんだけど⋯」



 ⋯⋯⋯大変不本意ながら、今日も今日とてサシャさんはこの通り通常運転、元気いっぱいです。



「ヒィィィーーーッーハアァッッッッ!!!」



 ⋯⋯⋯早くあっちに戻ってくんねぇかな。⋯⋯⋯あ、それでは失礼。仕事に戻るんで。



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