14 聖女とは
サシャさんは数日間、隣の町に居る。ボタンを押した移動先はサシャさん付近というのは確定だ。
となると、せめて教会の人にはある程度の説明をしておいた方がいいのではないだろうか。
何もない所に急に現れて、数分間したら居なくなる。なんなら聖女様も込みで居なくなる。数分後には聖女様だけ戻ってくる。
⋯うん。説明しておこう。
今日も仕事帰りにボタンを押し、サシャさんと話し、一緒に行動する事が多いミラさんを紹介され、初対面の挨拶をし、能力の説明をしたところ、じゃあ体験してみますとなり、日本に連れてくる事になった。
⋯⋯説明しなくても良かったかもなーとちょっと思っている。⋯だって近所迷惑だもの。
「⋯なんじゃぁ!こりゃあーー?!!」
パッと見、サシャさんと同じ二十代であろうミラさんが、どっかで聞いた事があるような、ないようなセリフを、これまた似合わない低い声で叫びだした。
⋯え、殉しょ、死なないよね?血はでてない?⋯⋯⋯ん?何でこんな事思ったんだ??
「こ、ここが日本だよ」
「ユウジさんの能力、すごいですよね!」
今日は叫んでない方の聖女がドヤ顔をしている。
サシャさん。貴女が言った通り、これは俺の能力ですよー。
「こんな感じで、そっちの世界に数分間行けて、手を繋いだりとかなんでもいいんだけど、触れていると数分間こっちの世界に来られるんだ」
「⋯⋯⋯⋯⋯」
「だから、サシャさんが数分間居なくなる事があっても心ぱ⋯」
「私も一緒に来ます!」
「そりゃあ、来たくなりますよねー!」
聖女が二人ともハイテンションだ。
「それならちゃんと説明しておいてね?聖女を連れ去ったとか変な事になったら嫌だし」
「あ、ミラ!状態を使って下さい!」
「ん?状態?別にいいけど」
『状態』
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ミラ
職業 聖女
位階 八
体力 満
魔力 満
能力 聖魔法
世界移動(仮) 十分間
ユウジ・サトウによる効果
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表示されてる項目を教えてもらう。インパクトのある叫びをする二人を見ていると、本当に聖女なの?聖女とは?と聞きたくなるが、ただの職業ですと言われそうだからやめておく。
教えてもらった内容は、サシャさんより位階が上で、能力は時間も含めて一緒だった。
「サシャさんより、位階が上なんだね」
「そりゃそうですよ!私がいる村と違って、魔物の洞窟が近いんですから!」
「あー、魔物による怪我とか多いって事かな?」
「そうですね。だから治療回数もサシャよりは多いんじゃないかな」
と話していたが、時間だったようだ。二人とも消えてしまった。あっちに帰る時は、サシャさん、ミラさんが触れている必要はないようだ。時間だから、強制的に戻しますって感じかな。
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「あー、時間でしたか」
「時間制限があるって言ってたね」
「そうです。能力に書いてあった時間です」
「あ、もう一回見てみようかな。『状態』」
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ミラ
職業 聖女
位階 八
体力 満
魔力 満
能力 聖魔法
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「さっき表示されてた世界移動がなくなってる」
「ユウジさんと一緒に移動した時だけ表示されるみたいですよ。⋯⋯ミラの位階でも時間が一緒⋯となると⋯」
「サシャ?」
「⋯位階を上げれば時間が延びるかと⋯違う?⋯どこまで⋯?」
「おーい、サシャ?サシャー!」
「あ、失礼しました」
いろいろ考え始めると集中しすぎちゃうな。
「何であんな事が出来る人と知り合ったの?」
「えーと、神託ですね」
「神託?」
神託があって、突然現れたユウジさんを治した事。その後、ユウジさんが能力を使えるようになって、お互いの行き来できる事が分かった事。ユウジさんの世界には魔法等の能力が存在しない事。移動先が私付近になっている事。神託から始まっているから、おそらく神様が能力をお与えになったのではないかという事を説明した。
「それは神様だろうね。そもそも能力自体が神様からの贈り物って言われてるしね」
「ニホンの技術でもあんな事できないそうですし」
「⋯何で、サシャだったんだろうね?」
「それは⋯⋯優秀だったとか?」
「⋯⋯⋯⋯え?え?」
「え?ってどういう事ですか?!」
「いやー思ってなかった単語が出てきて⋯、さぁ!明日もあるし、早めに休もうかな!」
「ちょっと、ミラ?!」
もう!失礼なんじゃない?!ミラだって、あんな叫び方した癖に⋯。




