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数分間しか、いれません!  作者: うちの生活。


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15 おこもり

「ユウジさんって、毎日来てるの?」

「んー、毎日ではないですね。でも、ほぼ毎日来てるかも??」

「でも、来て何してんの?時間も短いじゃない?」

「そうですね。位階上げに協力したり、ニホンに連れてってもらったり、ですかね」


 そう。もはや、毎日行う習慣となりつつある。ニホンに行けない日は、なんとなく気分が上がらない。ホントに。


「位階上げ?何してるの?」

「そうですね。ちょうどよく教会に来た人を治療したり、ですかね。なので、今回こっちにいる間も治療を手伝ってもらいたいですね」

「え?治療?誰が誰を?サシャがって事だよね?」

「え?ユウジさんが怪我した人をとかですけど?」

「え?ユウジさんが?なんで?」

「え、聖魔法(の一部)使えますし」

「え?え?え?」


 ミラ、どうしたのかな?変な顔してますよー?


「人手不足だし、いいですよね。治療出来る人が増えるし、位階上げにもなるし」

「え?ユウジさんて、職業何なの?」

「えーと、無職ですね。あ、言ってよかったのかな」

「え?司祭とかじゃないの?」

「違いますよ。本人にも聞いてみたらいいですよ」

「え?なん⋯?どうし⋯?」


 よし、他の魔法も使える事はしばらく黙っておこう。その方が面白くなりそうじゃない?


「まぁまぁまぁ、神のみぞ知る、ってやつですよ」

「⋯神」

「ミラだって言ってたじゃないですか。贈り物だって」

「そうだけど⋯」

「私はユウジさん(の能力やニホン)が気になるから、いろいろ手伝ったり、手伝ってもらったりしてるんです」

「⋯!?⋯⋯じゃあ、応援する!私も可能な限りでサシャとユウジさんを手伝うから!」

「え?あー、そうですね。可能な限り、無理のない範囲でいいですからね?」


 ん?なんかおかしいような⋯?でも、手伝ってもらうのは助かるからいいかな。


「さてさて、今日はいつ来るのかなぁ」



ーーーーー



 復帰した職場はシフト制となっており、土日祝が毎回休みというわけではない。その為、平日休みが多い。そんな訳で、平日である今日は休みなのだが、


 今日をどう過ごすか?


 とても大事な問題だ。最近は毎日のように、ぽちっとボタンを押して異世界に行っていた。だから、今日も行けばいいんだろうけど。


 否、引きこもりたい。


 今日はそんな考えで頭がいっぱいだ。


 なんなら、ベッドからも出たくない。


 病気の時は、外に出て行きたくても出来なかったのに。退院して、仕事もし始めて、これが日常に戻ったという事か。もともと、外で何かをするタイプではなかった。だから、あまり散財する事なく、それなりの蓄えもあったんだ。


 行って数分、戻って数分とはいえ、人に会うならそれなりに身だしなみを整えたい。でも、今日はそんな事すらしたくない。


 ボタンが目に入り、サシャさんの笑顔がチラッと浮かんだけど、それと同時に奇声をあげて叫んでいる姿も浮かんだ。


 ⋯⋯よし、今日は押さない。外にも出ない。


 そうと決めれば、どこのデリバリーを頼もうかと、スマホでいろいろ検索をし始めた。



ーーーーー



「今日はこないのかな」 

「仕事の日だと、七時過ぎになるそうですよ」

「ふーん。でも、サシャ時間わかんないでしょ?」

「そんな時はこれ!!」


 ユウジさんにもらった腕時計を見せる。


「それは?」

「時計!です!」

「時計って⋯時間がわかる、あの大きな時計の事だよね?鐘を鳴らすとこにあるのとか、貴族の家にあるような⋯」

「そう!それ!その時計です!」

「え⋯⋯⋯」


 おっと、ミラがぷるぷるし始めたぞ。また叫ぶかな?


「⋯いやいや、そんなわけないでしょ。そんな小さいのでわかんないでしょ」


 おっと、そう来たかー。うーん、残念。


「まぁ、信じられないのは分かります。私もびっくりしました。ミラはまだニホンの事をあまり知らないんだから仕方ないです」

「そうだね。今度会ったら教えてくれるかな」

「私のように、ぐいぐいいけば大丈夫!」

「⋯サシャみたいに。あ、でも、二人を手伝う範囲で、二人の邪魔にならないようにするから」

「??ユウジさん(の能力やニホン)の事を知るには、多少の逸脱行為も大事だったりしますよ?」

「⋯⋯えー、そんな⋯⋯すごいんだね、サシャ。心が広いのかな」

「??なんの事です??」

「いやいや、何でもない。ユウジさん、早く来るといいね」

「ホントですよ!」


 この町にいる間に二人とも位階を上げられたらいいんだけどな。せっかく魔物の洞窟も近いんだし、出来れば魔物退治をしたいよね。それが出来ないにしても、魔物を駆除してる人から、何かしら他の魔法とか能力をユウジさんに使ってもらえないかな。


 ⋯能力の追加と位階上げ、やっぱりこれが滞在時間を延ばす要因だと思うんだよね。⋯私とミラの位階は違うけど、時間は一緒だった。ユウジさんは位階が下で時間も少ないけど、プラスの時間があった。もう少し、能力の追加ができて、位階が上がって、時間が延びれば確信を持てるんだけどな。


 ユウジさん、今日は来ないのかな。来ないとニホンに行けないんだよなぁ。他の食べ物も食べてみたいけど、他の場所にも行ってみたいなぁ。今度そういう話もしてみようかな。


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