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新たな建築様式と信頼雑貨の噂

ここから新たな章の始まりです!

 アルメリア国内で工事が始まり半年が経った。トロッコでの流通も大幅に増え、試験的に人の移動も始まっていた。


「改良したトロッコも実用段階まで来たな」


「蓮見さん、屋根の方も問題ないみたいです。速度を考えると物足りないですが」


「今、国の研究者と一緒に考えている蒸気機関が完成すれば、国内の移動は更に便利になるだろうさ」


 目指しているのは蒸気機関車なのだが、そう簡単に出来るものでは無い。構造自体は、高炉を持つ信頼雑貨の知識もあり、何基か試作段階にはあるのだが。


「駆動部分の動力の伝達が難しいですね。歯車を噛み合わすイメ-ジだったんですが」


「来栖、そうそう簡単にできるなら、俺達の世界でももっと発展は早かったさ」


「まぁそうですよね。地道に安全な物を作る方が良いですしね」


「それとバスの方はどうなんだ?」


「ええ、街道をアスファルト塗装する工事も始まったんで、隣街までの移動が大幅に短縮されました」


「そうか。だがこれもしっかりと様子見した方が良いな。気温の高いところでは、アスファルトが熱を持つ可能性もある」


「ですね。街道を平らにする所から始まって、徐々に伸ばしていく方向でやりますよ。速水に調べて貰った所、気温は北部を除き安定しているそうです」


「なら安心だな。しかし速水も色々と忙しい様だがな」


「あいつもこの世界に来てから頑張ってますね。今は王都を中心に国中を飛び回ってますし」


 速水は現在、流通管理組合の仕事の傍ら、広報部として国中の街に新規事業の説明に回っている。



◇◇◇



 一方、グランベルクの街の現在はと言うと......。


「わぁ-い! 何かおっきくなったね♪」


「こりゃぁたまげたぁ-!」


「ちょっと! マリアもトミ-も手伝いなさい!」


 新たに建設されたグランベルク教会。元の大きさから2倍ほど大きくなった。孤児院の子供達の受け入れも始まり、大忙しなんだ。これにより新たな司祭も派遣され、孤児院にも本部より3名ほど増員があった。


「クリスタ殿、ここは私にお任せください!」


「あらウイリアム神父。ではお願いしようかしら」


「あー! ウイリィ-ずるい! 1人だけ良い子ぶって!」


「そうでおじゃる! 負けないぞぉ?」


 新たな司祭(神父)はウイリアム。トミ-とマリアとは幼馴染。どうやらこの人選にはアナマリアが関わっている様だ。新たな司祭ウイリアムは、学校の授業も担当する事が決まっている。




◇◇◇



「草薙さん! 何度考えてもこの構造は画期的ですね!」


「そうだな。この世界の建築に俺達の知識を合わせた建物だからな」


「鉄筋を構造に組み込むなんて考えもつきませんでした」


 職人が関心するのも無理はない。今回建てられた学校の基礎に鉄筋を入れたんだ。これまでの建築は石を積み重ねるだけ。工場部門は以前からこの建築スタイルに疑問を持っていたのだ。火災にも強く一見頑丈に見えるが、揺れに強いかと言われれば間違いなく否! である。この建築スタイルは、この世界に大きな影響を与える事になるだろう。


「まだまだ改良の余地はあるが、こう言う考え方も広めていきたいものだな」


「あっしも毎日勉強させてもらってますよ!」


「お前にはまだ教えてない事がいっぱいあるぞ?」


「草薙さんこれ以上は......」


 間もなく完成するこの学校は、『ファルス国民学校』と言う名前になった。貴族の学校が『国立アルメリア学院』と言う名前なので、貴族の反発を避ける為にこの名称を選んだらしい。


「これが完成したら後はあっちですか?」


「ああ、同時期に完成できるだろうさ。それよりも職業訓練校の方は応募が恐ろしい事になってる様だ」


 新設されるのは国民学校だけじゃない。職業訓練校も年齢制限が無い為、国中から応募があったんだ。その為、王都からも応援の人員が派遣されていた。この職業訓練校では実技もあるので、敷地面積はかなり広い。校舎の並びに工場も3棟ほど建てられているのだが、応募人数はそれを遥かに上回っていたんだ。


「どうするんですかね? 溢れてるんでしょ?」


「学校もそうだが、働きながら学びたい人も多い。だから夜間も考えているんだがな」


 ネットなどが無いこの世界で可能な限り教えようと思うと、昼の部と夜の部に分ける方法が検討されたんだ。夜間でも出歩くことが出来る、このグランベルクの街ならではの考え方だな。




◇◇◇


 



 発展を続けるアルメリア王国の様子に、興味深く関心を抱く国があった。隣接するファインブル王国だ。この国にも過去に転移者である『幸運の君(ラッキーロ-ド)』が現れていたのだが、すでに150年と言う月日が流れている。



「どうにかしてこの国に、彼らの知識や技術を持って来れないものか?」


「国王様、でしたらアルメリア国王宛てに親書を送っては如何でしょう?」


「うむ、そうだな! 同盟国でもある我が国の頼みは、無下には出来ぬであろうからな」


 パリス・ファインブルは、ファインブル国内で高い人気を誇る国王だ。アルメリア王国とも古くからの付き合いがあるのだが、近年その関係にも陰りが出ていた。その理由の1つに移動距離がある。ファインブル王都からアルメリア王国の王都までひと月かかるのだ。


「なんでも新たな移動手段が生まれているとも聞く。早急に親書を届けよ」


「仰せのままに」


 ファインブルグ王都から贈られた親書。この親書が新たな情報を信頼雑貨にもたらす事になるのだが、それはひと月後のお話である。そしてこの動きが周辺国に伝わる事で、アルメリア王国に世界の関心が向く事になるんだ。


 






どんどん近代化が加速するアルメリア王国。隣国も動き出したようだ。


次話ではやっと形になる研究成果。

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