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辺境伯とやはりあった物

国境の街ルコムンドに到着!

 ルコムンドの街に到着した俺達は、その外観と印象に驚いた。他の街とは違い外壁も高く、練度の高い衛兵が待っていたからだ。


「うわぁ、今までの街とは違うな」


「ホンマやなぁ。きちんとしてると言うか、何というか」


「流石は辺境の街と言うところかな」


「専務もそう思います? 国境ならではの光景なんでしょうかね」


 街の受付ではライアン男爵を先頭に入って行ったんだが、貴族と言えど馬車が素通りできる雰囲気では無い。俺達の乗る馬車が見た事無いものである為、衛兵たちもびっくりした様だ。そこに恰幅の良い、口ひげを生やした男性が現れた。


「ルコムンド卿が来られた様だ。皆、粗相のないように」


 ライアン男爵から俺達に声が掛かる。見るからに強面の軍人に見えたよ。


「よく参られた。グランベルク卿も久しいな」


「ルコムンド卿、ご無沙汰しております」


「後ろの方々が、噂の『幸運の君(ラッキ-ロ-ド)』かね?」


「ええ、紹介しますね。こちらが......」


 一通りの挨拶を済ませた後、辺境伯の御屋敷に向かった。そこで見たお屋敷にも驚かされたんだが。


「これって要塞? 家に見えないんだけど......」


「ははは。初めて見る者は、皆驚くんだ」


 俺が呟いた言葉に、ライアン男爵が教えてくれた。本来の家はちゃんとあるんだが、『辺境伯は国境を守るんだからここに住む』と言って要塞の中に住んでしまったらしい。王国内でも有名な逸話なんだってさ。今日は到着が少し早かったんで、一度要塞に入った後に街を見学させてもらう事になった。パルマさんは別行動で、知り合いに会いに行ったよ。


「人も多いし賑わってるなぁ」


「出店も多いで。なんか買い食いしたくなって来たわ」


「ちょっとあのお店見に行きましょう♪」 「何処? あら女性用の服屋ね」


 中村さんと花崎さんが服屋に行きたいと言うので、俺達はその店の近くにある雑貨店へ入った。その店は品数も多く、人も沢山入って居た。そこで目に入ったのは、農機具だ。


「蓮見君、あれは日本で見たことある様な」


「専務、あれは(くわ)とレ-キですね。それとあれは......」


 蓮見さんが見つけたのは、脱穀機だった。これがあるという事は、間違いない。


「専務! この世界に米がありますよ!」


「何⁈ 本当かね!」 「麦だけで脱穀機は使わないでしょうね」


 俺達はすぐに店を出て女性2人に声を掛け、食品を扱っている店に走った。そこには、ちゃんとあったよ! 日本米よりも少し大きめの粒だが、間違いなくお米だった。そこで店の人に聞いてみたんだ。


「すみません。これってお米ですよね?」


「ん? アルメリア米の事か?」


「アルメリア米って言うんですか? 初めて見たもので」


「ああ、そうか。正確にはファインブルグって国から流れて来た物なんだがね」


 ファインブルグと言うと、確か転移者が現れた国だな。それならお米があっても不思議ではない。でもなぜ今まで見かけなかったんだろう?


「私達もこの国に来て暫く経ちますが、アルメリア米を見たのは初めてなんですよ」


「この街では食べられてるが、国内には殆んど流通してないよ」


 ここで詳しく聞いたんだが、お米の名前は売る国の名前が付くんだそうだ。隣国のサリファスならサリファス米と言う名前になる。今目の前にあるお米は、サリファスから入って来た物なんだそうだ。


「アルメリア王国では作られて無いんでしょうか?」


「いや、作っている農家はあるよ。ただこの国では馴染みが無いから、主に輸出用だよ」


 お礼を言ってお店を離れた後、俺達は手配する事を決めた。日本人ならお米が食べたい。食堂でも既にお米は無くなっていたんで、米に飢えていたんだよ。良い情報を得て上機嫌で要塞に戻った。




◇◇◇



 要塞に戻った俺達は、食事の席で辺境伯の事を聞いた。ルイズ・ルコムンド辺境伯は、この国の将軍でもある人物だ。その武功はこの国に止まらず、他国にも知れ渡るほどらしい。兵士もとても訓練されていて、王都の軍と比較しても遜色ないんだとか。そんな人物だから、民衆からはとても人気があるんだ。そう言えばこの要塞に案内された時も、沢山の人が辺境伯に挨拶していたな。


「君らの話は面白いな。特に馬車作りの発想は興味深い」


 そう言い相好を崩した辺境伯は、蓮見さんに色々と質問をしていた。この二人は相性もいいようで、いつの間にか仲良さそうに話していたよ。女性陣は辺境伯夫人と一緒に、服や美容に関する話で盛り上がって居た。俺と田村は一足早くその場を離れて、パルマさんの元へ向かった。


「お待たせしてすみません」


「いえいえ。それでお話とは何でしょう?」


 パルマさんにお米の事を話し、手配してもらう事になった。俺達の必死さに若干引いていたが、大量に買い付けたいという話には喰いついた。すぐに行商人に声を掛け、手配してくれる流れになったよ。



◇◇◇


 翌日、メルボンヌへ向かう俺達の一行に、見慣れない人物がいた。パルマさんの知り合いと聞いていたんだが、その容姿には特徴があったんだ......。




やはりあったお米。日本人なら食べたいよね。次話は転移者の遺物に迫る。

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