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下水道工事開始だ!

遂に始まったよ-

 必要な資材が準備出来たので、とうとう下水道工事が始まった。大掛かりな工事の為、街には事前に告知と協力が呼びかけられている。ちゃんと始工式も行われたんだ。出席者はライアン男爵と商業ギルドの代表者、そして工事に携わる職人と最後に教会関係者だ。勿論、信頼雑貨株式会社の社員は全員参加だ。


「この様な工事がこの街で始まり、驚く者もいると思う。しかしこの街が発展していくには、必要な物だと認識して欲しい」


 周囲を街の民衆が取り囲む中、ライアン男爵の挨拶には歓声が生まれた。この後も挨拶は続き、教会関係者の番になった。誰が挨拶するのか心配していたんだが、マリアさんやトミ-では無くスミス司祭だ。ちょっと残念だったが、あの二人が挨拶すると混乱しそうだしな。


「この工事にファリス様のご加護がありますように。皆で祈りを捧げましょう。『神の思し召しに感謝を』」


「「「「神の思し召しに感謝を!!!」」」」



◇◇◇



  無事に式も終わり、工事関係者が打ち合わせ通りに散らばって行く。この工事で1番の問題は、汚水の処理なんだ。既に下水処理を行う施設に関しては、農地の1角を利用して建設が決まっている。念の為、この世界の便所事情を説明すると、各家庭には無いんだ。外で済ませるか、共同便所を使用していた。この為、公衆便所の設置を先に済ませる必要があった。下水管を通すのに町全体を網羅する事は、不可能であったからだ。それらの設置は既に済ませているので、順番に穴を掘りパイプを埋めて行く。この時、傾斜角度が付くように設置しなければならない。そして1番肝心なのは、流れを作る為にポンプ場を設置する事だ。ポンプ場が無ければ、集積場所まで流れて行かない。各ポイントにパイプとポンプ場を図面通りに繋げていく。今回の工事には、分流方式が採用された。汚水を流すパイプと生活排水を流すパイプを分けたんだ。生活排水は、川へ流す。この世界は洗剤等が無いので、自然の浄化作用を利用する事にしたんだ。汚水は下水処理施設が出来るまでは、農家の肥料に使用するため数か所に分けて蓄積する。


「沢田専務、ついに始まりましたね」


「高橋君。我々が声を掛けたとは言え、感慨深い物があるな」


「私も素人なので専門的な事は解りませんでしたが、工場部門は凄いですね」


「そうだな。蓮見君の所は、才能を持つ人材の集まりだよ」


「専務、高橋。ここに居たんですね」


「蓮見君。丁度噂をしていた所だ」 「お疲れさん」


「何の噂か気になりますが......。おっと、専務を男爵が探しておられましたよ」


「そうかね。では私はライアン男爵の元へ行かないとな」


 そう言って、沢田が男爵の元へ向かった。残った二人は話を続ける。


「何か久しぶりだな。蓮見とは中々話す機会が無かった」


「そうだなぁ。俺もこれ程忙しくなるとは思わなかった」


「工事は順調に行きそうなのか? 予定では1か月だったか......」


「事前に下準備を重ねていたからな。大きな問題が無ければ、予定通りに納まるだろう」


「分流方式だったか? それってどういう方式なんだ?」


「簡単に言うと、汚水と生活排水を分けるんだ。汚水は公衆便所の下から目的地までパイプを繋ぐ。生活排水は、この街の共同の洗濯場から川まで繋ぐ道筋を作る」


「そう言う事か。分ける意味は分かったんだが、どんな工事か気になってな」


「将来的に水道設備を作る為にも、一緒には出来なかったんだよ。問題は汚水の浄化なんだがな」


「それについては、何か考えがあるのか?」


「国にも依頼して、研究者に聞いているんだ。汚水を分解するバクテリアが存在するのか」


 現在の下水処理場でもバクテリアなどの微生物が、汚れを食べる事を利用しているんだ。川や海にも生息しているので、見つける事は可能だろう。

 

 この研究が後に別の分野でも活用されていく事になるのだが......。

 

 こうして始まった下水工事は、順調に推移して行く。工事期間中には、王都や他の領地からの視察団も来た。グランベルクの街の工事が終わり次第、他の街からも依頼が入る事になる。信頼雑貨株式会社としては、技術面に関して秘密にはしていない。国に開示を求められれば、断らない事も伝えてあるんだ。いつ居なくなっても良いように。




◇◇◇



 下水工事も約半分の行程が進んでいた頃、新たに探していた物があった。生活環境が変わって行く中で、必要になる物。それは新たな資源である。


「蓮見さん。それで中々情報は入って来ないのか?」


「岩さん。必ずあるはずだが、この世界で認知されているのか分からないからな」


「そうすか。燃料が底をつきそうなんでね。食堂の稼働が増えた影響で、ガスも後どれだけ持つか」


 今探しているのは、ズバリ石油だ。化石燃料と言われる石油だが、鉱石がある以上見つかる可能性は高い。見つかるまでは木炭で対応は出来るのだが、是非とも欲しい資源である。ガラスの材料を手配した所、石炭は見つかったんだ。果たして石油にたどり着けるのであろうか......。


 

下水道工事も始まり、生活水準も変わって行くグランベルク。次話は、例の遺物の件に動きが......

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