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社内会議その1

今回得た情報を開示しなければ......

 翌朝、目が覚めた俺は見慣れた天井を見て安堵した。良かった、ちゃんと帰って来たんだな。昨日の夜は、仲間からの質問攻めだった。道程の話や他の街の話、王都の街並みや店の話なんかも聞かれた。今後がどうなるかは分からないが、長い期間を過ごすなら他の社員も他の街へ赴く可能性はある。さて、顔を洗って食堂へ行きますか!


「速水ぃ、おはようさん」


「田村、お疲れ。で、おはよう」


「やっぱり会社はええなぁ。疲れも吹っ飛んだわ」


「そうだな。安心して眠れたから寝起きもスッキリだ」


「じゃじゃあ-ん!! おはようなのですよ-!」


「朝ご飯が呼んでいるのでござる!」


 マリアさんとトミ-神父がやって来た。相変わらず騒がしい2人だ。


「速水君、マリアもトミ-もおはよう」


「中村さん。お疲れさまでした。おはようございます」


「静香ぁ! おっはよぅ! 早く行くわよ-!」「もう待てないでござる!」


 マリアさんが中村さんを引っ張って行く光景を見ると、何か安心するな。俺達も後を追うように食堂へ向かい席に着くと花崎さん達がやって来た。


「速水君、おはよう」「田村君、速水君、おはよう」「おはようございます!」


「花崎さん、倉木さん、安田さん、おはようございます」「おはようございますです」


 田村が何かおかしいが、まぁ良い。今回の旅で俺達の距離も縮まったようだ。花崎さんは、先輩だし少し近寄りがたい雰囲気の人だったんだが、話してみたらイメ-ジが変わったよ。倉木さんと安田さんは入社が近いから、挨拶ぐらいはしてたんだけどさ。田村は騒がしい性格なんだが、倉木さんの前だと緊張するんだよな。旅の最中も中々喋りかけられなかったようだし。食事をしながら思い出話で盛り上がったんだけど。



◇◇◇



 朝食を食べた後、会議室へ向かった。既に沢田専務を含む管理職の人達は席に着いている。俺達は報告の為、前の方に席を取り他の社員が集まるのを待った。勿論、全社員が入れるスぺ-スは無いので、2日に分けてこの会議は行われる。入れない社員は、露店へ出て行くことになっている様だ。暫くたって社員が集まったところで、沢田専務を議長として会議が始まった。


「では、全体会議を始める。初めに今回王都へ行ってもらった中村君達、ご苦労だった。早速で済まないが、分かった情報を報告してもらおう」


「では代表して速水が、報告させていただきます。先ずサダラ-ク公爵様への名刺の納品は、無事完了しました。代金に関しましては集金が終わり次第、経理の方へ提出いたします」


「経理部門、大塚です。速水君、代金はどういった形で受け取るのだろうか?」


「それにつきましては、道中の危険を避ける為、ライアン男爵様よりお支払い頂く話になっております。今回の代金は、金貨100枚です」


「成程、では領収書を用意しておきます。確かにその金額だと持ち運べないですね」


 この金額を聞いて社員から驚きの声が上がった。そりゃ日本円で考えたらとんでもない金額だ。金貨1枚10万円だよ? それが100枚なんだから......。金額に関しては事前にクラ-ク伯爵から公爵様に確認があったようなんだ。公爵様ともなればその金額も普通に出せるんだから、この国の税がどれだけ重いのか想像できない。因みにクラ-ク伯爵の名刺代金は金貨80枚だったよ。金額に貴族の力関係が出る様に出来てるんだろうな。


「続いて私達の身に関係する事なんですが、以前貴族達の争いに巻き込まれる可能性に言及致しました。それで護衛の方を雇うという形になった訳ですが、今回の旅路の途中に襲撃に遭いました」


「ちょっと待て、それは本当なのかね。見た所怪我などは心配無さそうだが」


「専務、大丈夫です。盗賊だと思われる集団でしたが、護衛の方が優秀で私達は大丈夫でした。多少の怪我人は出たようですが、死人は1人も出ておりません」


「それで盗賊と言うのなら、例の貴族の争いとは無関係になるのか?」


「それについては、次の話で納得できるかと思います。その襲撃の後、ライアン男爵から事情をお伺いしたところ、私達以前にも転移者が居た事がわかりました。その人達をこの世界の人は『幸運の君(ラッキ-ロ-ド)』と呼び富を呼ぶ存在と認識しているようなんです」


「今の話が繋がるという事は、貴族が我々を取り込みたいという話になるな」


「ライアン男爵もその様に仰っていました。すまないと謝っておられましたが」


「あの方ならそう言うだろうな。それで、他の転移者については何か分かったのだろうか?」


「はい。王都にある文献を調べたところ、過去の転移者についての記述がありました。この世界に転移者が現れるのは、約50年単位です。それと転移に際、我々と同じように建物ごとこちらの世界に来ているようなんです」


「50年と言うとそれ程昔からこの世界では、同じような現象が起きている事になるのか?」


 この話に他の社員からも数々の質問が飛んできた。元の世界に帰る方法を一刻も早く見つけたいと多くの社員が考えているのだから当たり前だが。この会議は、引き続き行われたんだ。

 

 多くの意見が出て来る中で、何か今後に繋がる考えは出るのであろうか?

更に会議は続く。

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