わたしの朝
リビドーの赴くままに、気が付いたら書いていました……。後悔はしていない。
窓の外の電線でスズメがチュンチョンいってる。……朝かー。まだ眠い。全身をふとんで包みこんでぬくぬくしよー。……すやぁ。
「ほらー、さき起きろー。」
ちーちゃんの声が聞こえる。多分気のせいだろう。すやぁ。
「こーらー、寝るなー。朝だぞー」
まだちーちゃんの声が聞こえる。……気のせい?
「だー!!! 起ーきーろー!!」
一瞬のうちにふとんが剥がされる。あー、ぬくぬくがー。
「もう朝だっての!! 早く着替えて朝ごはん食べて学校行ーくーぞー!!!」
ちーちゃんが叫んでいる。気のせいじゃなかった。本物だった。
「んー、ちーちゃんおはよー」
「はい、おはよう。っとに手がかかるんだから」
「えへへ」
「笑ってんじゃねぇって、の!」
「たっ」
ちーちゃんにデコピンされた。痛い。痛いけど、ちーちゃんだから許す。痛いけど。
「痛い……」
「あんたが起きないからでしょ。ほら早く」
「はーい」
しぶしぶ起きて制服に着替える。ちーちゃんはわたしの幼馴染だ。幼稚園のころからずっと、今も高校で同じクラス。違うクラスになったことは今まで一度もない。そして、いつもわたしのことを気にかけてくれる。ちーちゃんがいなかったら、わたしはまともな学校生活を送れていなっただろう。それくらい、ちーちゃんの存在はわたしにとって大きい。
「ほーら! 着替えたら、次はご飯!」
「はーい」
ちーちゃんに手を引かれて1階へ降りる。みそ汁のにおいがする。食卓の上にはわたしの朝ごはんが並んでいる。お母さんはもう食べ終わっているらしい。
「おはよう、さき。ちえちゃんもいつもありがとね」
「いえいえ、もう日課みたいなものですから」
ちーちゃんは学校のある日は朝、必ずわたしを起こしに来てくれる。小学校の頃からずっと、起きると家族の顔より先にちーちゃんの姿が見える。というか、
「ちーちゃんの声じゃないと朝起きられない気がする」
「誰があんた専用の目覚ましだって、の!」
「あたっ」
またデコピンされた。ちーちゃんはよくわたしにデコピンしてくる。週に1回は必ずする。なかなか痛い。
「バカなこと言ってないで、早くご飯食べる!」
「はーい」
「うふふ、二人は本当に仲が良いわね」
「えへへ……」
「何で照れる?」
そうして、ようやく朝ごはんを食べ終える。ちーちゃんに背中を押されながらすぐに玄関へ向かう。
「ほら、急がないとまた遅刻するよ!」
「はーい」
「二人とも、いってらっしゃい」
「「いってきまーす」」
お母さんに見送られ、玄関を出た。そして、ちーちゃんと一緒に学校へ行く。わたしの一日は、こうして始まっていく。
「ほら、走れ! ダッシュ! もうほんとギリギリだから!」
「えー」
……朝から走るのは、きついなー。
お読みいただきありがとうございました。次話はできるだけ早く上げたいと思ってはいます。