わたしの昼休み
気が付くと、昼休みになっていた。おーひるー、ごーはんー。
「こーら」
「あてっ」
頭が痛い。がいてきよーいんで。ちーちゃんがわたしの頭の上にお弁当箱を乗せたのだ。デコピンほど痛くはない。けど痛くなくはない。ちーちゃんは引きずってきた近くの空いているイスをわたしの席の前に置いて、そこに座った。
「あんたはなーんで、毎日のように授業中寝てるかねー?」
「睡眠は大切!」
睡眠不足は美容の大敵だって言うし。
「夜にちゃんと寝なさいっての」
「夜も寝てる」
毎日10時間は寝てる!
「寝すぎだっての」
「えへへ……」
「だから何故照れる? はい、いただきます」
「いただきます」
お昼はいつもちーちゃんと一緒。ちーちゃんがわたしの席まで来て一緒に食べる。そして、
「玉子焼きいっこちょーだい」
「はいはい、あーん」
「あーん」
おかずを何こかくれる。玉子焼きおいしい。ちーちゃんのお弁当は毎朝ちーちゃんが自分で作ってきている。もぐもぐ。ちーちゃんは料理が好きで得意だ。ときどきお菓子を作って持ってきてくれる。たまごうまー。調理実習では毎回お世話になっている。班が違うときでさえ助けてくれる。ありがたや。
「なんで拝んでんの?」
「日頃の感謝を込めて」
「あっそ」
「あ、から揚げひとつ」
「はいはい」
ちーちゃんはわたしが欲しいと言ったおかずは大体なんでもくれる。ちーちゃん曰く、「断ってもしつこいから」らしい。だからちーちゃんのお弁当のおかずは少し多め。わたしの分、余計に作ってきているから。ありがたや。
「あんたってさ、嫌いな食べ物ってホントにないの?」
「うーーーーーーん…………思いつかない」
「マジか」
「うん」
昔から好き嫌いのない良い子だとほめられてきたのでね。ふふん。
「ちーちゃんは?」
「うーん、アボカドとか」
「えっ、アボカド嫌いな女子なんているの?」
「いる所にはいるんじゃない? その一例はここにいるわけだし」
「まじでかー」
女子はみんなアボカドが好きなんだと思ってた。だっておいしくない? こう、なんというか、トロみ? があって。
「パセリは?」
「好きではないけど嫌うほどではない」
「刺身のツマは?」
「同じくらい」
「お子様ランチの旗は?」
「食べたことないなー」
そんなことを話しながら、昼休みは過ぎていく。学校のある日は毎日こんな感じだ。くだらない話をしながらお弁当を食べる。変わるのは二人のお弁当の中身くらい。ちーちゃんの作るお弁当はいつもおいしい。お母さんの作ってくれるお弁当ももちろんおいしいけど、やっぱりちーちゃんの作ったおかずがないとちょっと物足りなく感じる。
わたしはそんなお昼の時間が、大好きだ。
「ゆで卵ちょーだい」
「それはあといっこしかないからダメ」
「えー」




