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蛇の子孫  作者: 豊永エド
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 第一話 〜起きた事件〜

 燃え盛る炎が見える。

 目の前が真っ赤になって、顔が熱くなっていく。

 倒れていく見覚えのある家具たち。

 周りを見渡そうとするけれど、体も頭も言うことを聞かないで、ぐったりとしているだけ。


 …このまま死んでしまうのだろうか…。


 そんなことしか頭に浮かばなくなって、眠くなってきて…。

 真っ赤だった視界もぐゎングワンと音をたてて歪んでいく。


 「助けて…!」と叫んだつもりなのに、喉からはひゅーひゅーという声とも言えない音しか出てこない。


 もうダメだと悟った時、確かに、手を、誰かに握られた。


 妹の美玲だった。

 美玲はリュウヤをみて、安心したような顔をして目を閉じてしまう。


一ダメだ美玲、こんなとこで寝たら、死んじゃ――


そこで、リュウヤの意識も、プツリと途切れた。


「っは、っは、は、あ、あぁ――………。なんだ、夢か…」


 現実味を帯びすぎた夢から覚めた神田リュウヤ(16、高2)は、頭を縦横無尽?に振って脳を目覚めさせようとする。


 だんだんと目が覚めていくのを認識しながら、起き上がろうと手を動かすと、右手がなにか柔らかいものに当たった。


―妹の美玲だった――


「っじゃねえよ!!おい美玲!なんでここにいるんだ!!!」


 と寝起き早々叫ぶ。頭が少し痛んだがそんなのはどうでもよかった。一番知りたいのは、なんで自分の部屋に美玲がいるかだ。

 当の本人は、眠たそうに目を擦りながら顔を上げ、リュウヤを見る。

 ――三秒後――


「ん……っんーおはよぉー。」


 と、何事もなかったかのようにまた寝ようとする。見るとパジャマは着崩れてきれいな白い肌が露わになりそうだった。


「おい待て!なんでここにお前はいるんだよ!」


目をそらしながらリュウヤは叫ぶ。

美玲は少し驚いたように、


「えーなんでー?」


と、何も変なことがないかのように応える。そしてまた寝ようとする。


「だからここ、俺の部屋じゃないか!なんでここで寝てるんだよ!」


というと美玲は面倒くさそうに、顔を伏せながら、(まだ意識が覚醒していないのか)ぽけ〜っとした目で、


「だから何を……………………って!!」


と、意識が覚醒したのが見てわかるほど顔を赤く染まらせて、


「なんで、にい、私の部屋いるのさ!!」


と叫んでくる。


「は、はぁ?何言ってんだお前!ここ俺の部屋!ディス イズ マイ ルーム!!」


と、猛反発してから周りを見ろとジェスチャーする。

 だがしかし、俺の部屋にある剣道の防具類や蛇の抜け殻の標本、積み重なったテキストは見当たらない。周りにあるものと言ったら女子力が高そうな机&椅子&ペン立て、うさぎや白くまくんのぬいぐるみなどがほとんどで―――


「あ、あれ?お、おっかしいなー……。て、テヘっ?」


茶化しながら、扉を開けて外に出ていこうとする。

しかし誰かに掴まれたかのように、っていうか実際掴まれて動けない!!リュウヤピンチ!!


「さて、何か言い残すことは?」


美玲が女子を感じさせない目線で圧力をかけてくる。


「テヘっ!侵入失敗しちゃグオッハムブップァ!!!」


久しぶりに脳が震えた。







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