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魔力ゼロの魔法使い〜俺の超能力は異世界でもチートでした〜 作者:鬱沢色素

リュクレース王女編

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27・ギルドを乗っ取ってみる

今日から二部です。
 早速、その足でギルドへと向かう。

「フランに会わせてくれ」
「ギ、ギルドマスターですかっ!」

 ギルドマスターのことを『フラン』と呼び捨てにしたからだろうか。
 受付の女の子を慌てふためいて、フランを呼びに行こうときびすを返そうとした。

「少々お待ちくださいませ!」
「いや、その必要はない」

 女の子を引き留め、最初フランに会った時と同じようにしてギルドマスターの部屋へと向かう。

「ちょ、ちょっと!」
「急いでるんだ」

 別に急いでないけど。
 いちいち呼びに行っているのを待つのは、なんとなく性に合わない。

 っていうわけでギルドマスター、フランの部屋の前に到着。

「邪魔するぞ」

 ノックもせず、扉を蹴り破るようにして中に入る。

「……相変わらず騒々しい人だね、君は」

 部屋の奥で高級そうな椅子に座っているフラン。
 クルリと椅子を回転させて顔を向ける。
 フランのくせに偉そうだ。

「そういえば、《ネドトロス》のことはどうなった? あれから日が経っているけど。やっぱり一晩で《ネドトロス》を壊滅させるのは不可能だったか……」
「壊滅はさせてないな」
「ハハハ。まあそれはそうだろうね。約束だよ——今日から下のランクから地道にやってもらえ——」
「だが、《ネドトロス》のリーダーになったぞ」
「……はあ?」

 フランが口を半開きにする。
 訝しむような視線。

「君はなにを言っているんだい?」
「あ? よく分からなかったか。《ネドトロス》を取り込んで、俺がリーダーになったんだ。だから壊滅はさせてないな」
「いやいやそんなこと出来るわけないじゃないか。っていうか君に頼んだのは《ネドトロス》を壊滅させることで——」
「うるせえ!」

 いちいち事情を説明するのが面倒臭くなってきた。
 俺は温厚な性格ではあるが、口下手なのだ。

「ひゃっ!」

 フランが短い悲鳴を上げる。

 ——触手の超能力。

 そうなのだ、困った時の触手なのだ。
 突然現れた触手がフランに襲いかかる。

「ダ、ダメ。それをやられたらまたダメになっちゃうぅ……」

 今まで偉そうな態度であったフランの目がとろーんとなってくる。
 触手はフランを拘束し、四肢を貪るようにして這い回る——。


 ……五分後。


「はあはあ。わ、分かった。君の言うことは信じるよ」

 なんだかよく分からない体液を付けながら、フランは床にぐでーんと横になる。
 息は荒く、ピンク色の息を吐く度に体が上下した。

「信じてもらえて幸いだよ」
「……マコトさん、鬼畜ですぅ」

 後ろで見ていたくせに口をはさんでこなかったエコーも同類だと思うが。
 ちなみに——俺はギルドマスターの椅子に座って、足を組んでフランが触手にイジめられる光景を眺めていた。

 形勢逆転。
 全く。ギルドマスターは触手に弱すぎる。

「はあはあ。リーダーになるとは思っていなかったけど、《ネドトロス》を
実質無効化出来たことは褒めてあげよう……」

 と言いながら、フランはゆっくりと立ち上がる。
 触手にイジめられたいせいなのか、足下がおぼつかずフラフラしている。

「Aランクなのは一時的だったけど、君には確かにAランクの実力があるらしい。今日から君を正式にAランクの冒険者に——」
「あー、そのことなんだけど。もういい」
「ふふふ。もしかして怖いかい? それもそのはずだよね。Aランクとなったら、グーベルグの存続に関わってくるようなクエストも——」
「だからもういいって」
「——ん? なにを言った? よく聞こえなかったので、もう一度言ってみれくれるかな」
「だーかーらー」

 俺は息を吸って、フランの耳元で大声を出してやる。


「もうAランクとかどうでもいい。だって今から俺がここのギルドのマスターになるんだからな」


「……君は一体、なにを言っているんだい?」

 鼓膜が震えているためなのか、フランが両耳を塞いで目を☆マークにしてそう尋ねてくる。

「いやー、よくよく考えたら俺そんな風に地道にクエストこなしたり、誰かの命令聞くの性に合ってなかったわ」
「それは君を見ていればとてもそう思うね」
「だから今度から俺がみんなに命令を出す立場だ。というわけで君、ギルドマスタークビ。今までお疲れ様でした!」
「…………」

 しばらく沈黙。
 フランは表情を固まらせている。
 やがて……、

「いやいや! ちょちょちょちょっと待って! そんなの認められるわけないじゃないか!」

 と手を顔の前でバタバタとさせて拒絶した。

「うるせえ! お前がなんと言おうと、俺が今日からギルドマスターだ」
「ぎゃふんっ!」


 ——触手の超能力。


 話し合いっていうのは苦手だが、仕方ない。
 ここは温厚に話し合って、円滑な交渉というものを心がけなければ……。
 触手がフランの体を堪能したところで、

「はあはあ。もぅ、ダメ。ボク、この触手がないと生きていけないかも……」

 頬を紅潮させ、先ほどよりも息を荒くしてそう呟いた。

 ふむ。
 触手のおかげで、フランの服がはだけてしまって大事な場所が見えてしまいそうだ。
 ってかこいつ、なかなか胸大きかったんだな。

「よし。これで俺がギルドマスターになることに納得してくれたな」

 ニコッ。
 最期はやっぱり笑顔である。
 笑みを浮かべて、フランに顔を近付けると、

「待って! ボクの一存だけではどうしようもないよ。これでもグーベルグの領主様にギルドマスターになる許可を貰っているんだからね」
「それが必要なのか?」
「いくらギルドを乗っ取っても、領主様の許可を貰っていない場合は全て無効。このギルドも領主様の土地の上に建っていて、少なからず援助も貰っている。それに逆らって、ギルドマスターを勝手に変えたらすぐに潰されてしまうよ」
「ふぅ〜ん」

 なかなか面倒臭いんだな。
 まあいくらその『領主様』とやらが裏で手を伸ばしてこようも、俺の超能力があればいつも通りなんとかなるだろう。
 でも——出来れば厄介事は回避していおきたい。

「よし。その領主というヤツに会いに行くわ。どこにいるんだ?」
「りょ、領主様かい? 領主様は——」

 フランから話を聞く。
 どうやらグーベルグの領主は街の中央にいるらしい。

「面倒臭いけど、一応顔を合わせに行ってやるか……」

 問題はどうやって説得するか、についてだが。

「フラン」
「ひ、ひぃっ!」

 俺が名前を呼びかけるだけで、フランの体が何故かビクッと震えた。

「その領主というヤツは女か?」
「ん? 違うよ。男だよ。年齢は四十くらいだったかな」
「成る程、それは厳しい戦いになりそうだ」
「へぇ?」

 間抜けに口を開けたままフランはそう首をかしげた。
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