挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
魔力ゼロの魔法使い〜俺の超能力は異世界でもチートでした〜 作者:鬱沢色素

騎士団長編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

11/50

11・冒険者ギルド

 それからはなんのトラブルもなく、グーベルグに到着した。
 グーベルグは王都には劣るものの、街並みを歩いている人も多く、活気がある。

「——やっと着いたか」

 とはいっても、四時間くらいしかかかってないわけだが。
 うーん、と背伸びをする。

「マコトさん……何者ですか? これだけの魔法を使えるということは……まさか高ランク魔法使い?」
「俺は魔法使いじゃないよ」
「嘘です! ドラゴンを一発で倒したり、身体強化の魔法を見れば……マコトさんが高ランク魔法使いであることは一目瞭然です」

 ビシッ、と指を突きつけるエコー。
 うわー、この子面倒臭いなー。
 まあいいや、適当に合わせておこう。

「そういや、ドラゴンをお金にしたいんだけど?」
「冒険者ギルドに行けば、ドラゴンの素材を換金することが出来ます! 案内しますよ」
「頼むよ」

 ギルドの場所はさすがに知らないしな。

 それにしても、冒険者ギルドか。
 本当に異世界に来たんだなー、と実感する。
 俺が知っている冒険者ギルドは、依頼クエストをクリアしてお金をもらったり、モンスターを売ったりしてお金にするところだ。
 そこに行けば、お金を稼ぐ手段が見つかるかもしれないな。
 どちらにせよ、早い段階でギルドには行かなければならないのだ。

「こっちです!」

 エコーを先頭にして、グーベルグの街並みを歩く。
 エコーが歩くたびに、頭から生えているネコミミが左右に揺れていた。

「そういや、なんで耳なんか生えてんの?」
「ああ、私は獣人族ですからね」
「獣人族?」
「そんな珍しいものでもないでしょう?」

 獣人族——。
 まあ獣と人が合わさったような種族、という覚え方で十分だろう。
 異世界なんだし、色々な種族が一緒に暮らしているのもおかしくない。

「よかったら、触ってみます?」

 エコーが両手でネコミミを持つ。

「な、なんだと……!」

 ネコミミを見る。
 モフモフして気持ちよさそうだ。
 元の世界でも猫の耳は触ったことはあるが、これだけ大きいものに触るのは初めてだ。

「いいですよー。耳を触るくらい。敏感ですから、あんまり強く触ったらダメですよ」
「じゃあ遠慮なく」

 恐る恐るネコミミを触ってみる。

「あっ!」

 手が触れた瞬間、エコーの口から喘ぎ声が漏れた。

「ん? もしかして痛かったか?」
「い、いえ! そんなことはないのですが……っていうか、優しく触りすぎて余計に感じるというか……あっ!」

 おっ、これ面白いな。

 ネコミミがエコーとは独立して、動いているように見える。
 癖になる触感、と表現するべきだろうか。
 調子に乗って、ネコミミをぐしゃぐしゃに触ってみる。

「……だから! 敏感ですから、あんま触っちゃダメって言ったじゃないですかー!」

 あっ、怒った。
 エコーは目に涙を浮かべて、俺から距離を取った。

「悪い悪い。ちょっと触りすぎたか?」
「ぐすん。私……よくよく考えれば、お母さんにしか耳を触らせたことなかったでした」
「よかったら俺の耳も触ってみるか?」
「いいんですか!」

 すぐに元気になって、エコーが俺の耳を触る。
 俺の耳は敏感……ということはないので、なんの声も上げない。

「獣人族の耳とは違います! ちっちゃくて可愛いです!」
「それはよかった」

 機嫌が直ってよかった。
 結局、ギルドに着くまでエコーは耳をずっと触り続けていた。
 なにが楽しいやら。


「ここが冒険者ギルドか〜」

 冒険者ギルド。
 その建物の中に入ると、ジメジメした視線を向けられた。

「ふん、見ない顔だな」
「お前みたいなヒョロヒョロが来ていい場所じゃねーぜ」
「怪我する前に帰りな」

 そんな声が辺りから聞こえてきた。

「うるさいな……こいつ等、ちょっとらしめてもいいか?」
「ダメです! マコトさんなら、ここにいる冒険者は一掃出来ると思いますが、怒りの沸点が低すぎですよ!」

 そのやり取りを聞いて。
 先ほど、挑発してきた男達がゲラゲラと笑う。

「面白いことを言ってくれるな、小僧」
「おい、外に出な。ボコボコにしてやる」
「二度とそんな口がきけないようにしてやるよ」

 それはこっちの台詞だ。
 とはいっても、こんな掃きだめみたいな連中を相手にしている方が時間の無駄だ。
 グッ、と怒りを抑え部屋の奥にあるカウンターまで行く。

「ようこそ! ……あれ? 見たことない方ですね。もしかして冒険者志望の方ですか」
「なっ……なっ!」

 そこの受付にいる女の人を見て驚く。
 なんというか……エコーにも劣らない、超絶な美少女だったのだ。
 エコーにはない大人の女性の雰囲気をかもし出している。

「おいおい、この世界は美少女ばっかかよ」
「この世界?」

 エコーが隣で首を傾げる。

 ……コホン。
 仕切り直し。

 俺は動揺を隠し、受付のお姉さんに、

「冒険者志望? 冒険者っていうのになったらどうなるんだ?」
「冒険者になればクエストを受注することが出来ます——具体的には」

 お姉さんの話をまとめると、

・クエストをクリアすれば報酬金を得ることが出来る。
・クエストの難易度によって、ポイントが与えられそれを溜めれば冒険者のランクが上がる。
・ランクは高い方から、SS・S・A〜Gの九段階。
・ランクが上がれば上がるほど、高難易度のクエストを受注することが出来る。

 ということであった。

「それじゃあ……例えば、DランクがSランクのクエストを受注しようと思ったら?」
「当然、出来ません。Dランクの方はDランクのクエストしか受けることが出来ません」

 まあ、異世界もののテンプレと言ったところか。
 クエストを地道にこなしていけば、ランクを上げられることが出来るだろう。
 それに重要なのは『報酬金』という部分だ。
 やはり俺の想像していた通り、冒険者になれば異世界で生活していくのに困らないらしい。


「じゃあ——冒険者にさせてくれるかな。もしかして、身元がはっきりしてないと無理?」
「いえいえ、そんなことありません。冒険者には誰にでもなれますから」

 お姉さんがニッコリと笑みを向ける。
 その後、一枚の紙を差し出して、

「じゃあここに名前や経歴を書いてくれますか? 冒険者登録するのに必要ですので」
「分かった」

 ペンを取って、サラサラと文字を書いていく。

 ——何故かこの世界に来てから、人の喋っていることも分かるし文字を読むことが出来る、というのは前にも言っただろう。
 書くことも……日本語で書きたいな、と思っていることを頭が勝手に翻訳してくれる。
 不思議な感覚であった。

「マコトさん、『出身地:不明』ってふざけているんですか? ちゃんと書いてくださいよ」
「まあまあ……そういう方もいますから……ってエコーさんっ?」

 初めてエコーの存在に気付いたのか、お姉さんが身を乗り出す。

「あ、あなた……死んでなかったんですか?」
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ