『ヒール55』
『ヒール55』
「死ね!!!」
「トレイル、来るわ!」
「みんな、慌てるな。人数は多いが、力は俺たちが上だ。一人ずつ倒そう!」
「はいよ!」
「私は前を攻める。トロールハンマー!」
「そんじゃ私は後ろ側を、ホーリーサークル!」
ミヤマは前から来る冒険者に、後ろはパピアナが魔法わ打った。
「俺が右側をやる。ローズは」
「左ね!」
「頼む」
ローズには俺と逆側の左右方向を頼んだ。
通路は左右前後に別れており、四方から攻めてきた。
ミヤマのトロールハンマーが敵冒険者に炸裂した。
一撃。
ズドン!
壁ごと破壊する。
敵はハンマーひとふりだった。
パピアナのホーリーサークルが通路に。
通路にいる敵の数は圧倒的に多い。
ホーリーサークルの爆発音。
さらにホーリーサークルを放った。
爆発音が連発。
通路はまるで花火でもしているかのような爆発音に。
全員が通路でホーリーサークルの餌食となった。
「バーニング……こいつら強いです!」
「聞いているよりも強い!」
「バカな……こんなにも強いとは情報と違う!」
仲間の半分以上がくたばってしまい、今さら慌てるバーニング。
もう遅い、ローズもすでに同じく短剣で切り裂いていた。
俺も負けじと剣で敵陣に切りかかった。
以前、ローズを救いたいと思った時には俺は弱かった。
レベルも低くて、バーニングのパーティーにケンカを売る勇気も実力もなかった。
ローズと知り合う前の俺は、何も出来ない弱小冒険者。
レベルは1桁だった。
それが今は違った。
短期間であるが、冒険者レベルは513を超えるまでに成長し、剣の使い方も習得してきた。
同時にローズやパピアナも成長していて、バーニングは成長を把握しきれなかったらしい。
「……なんだこいつらの強さは。情報だとEランクパーティーのはずだぜ。それがなんだこれは。どう見てもEランクじゃねえ! 特にトレイルはDやCにも匹敵するだろ!」
「あいにくさま、トレイルはCよりも上かもよ。マジックメイジも倒したし、オークも倒したのよ」
「オーク、マジックメイジも! そんなの聞いてねえ!」
「たぶん最近のことだから、あなたは知らなかったのかも。館から出れない身でしょ。そしたらトレイルの活躍はしらなくて当然」
「残念でした風の陣さん」
「まだ俺がいる。俺を倒してから言え!」
「バーニング……あの時はよくも私をさらってくれたわね。私の方が恨んでいる。野獣の爪!」
バーニングの剣とローズの短剣が重なり合う。
気品溢れる館はもうなくて、ローズとバーニングの激しい戦いの場に。
そうはいってもリーダーだ。
口だけのことはある。
ローズの短剣を防御するし、攻撃にも転じた。
しかしローズの成長も読み間違えていた。
俺と一緒に冒険していて飛躍的に強くなっていたのだ。
徐々にローズが押していくのがわかる。
「くそっ、この猫人め!」
「終わりよバーニング!」
「痛え!」
「やったわローズ!」
「バーニングを倒した!」
「ふう〜疲れたけど」
ローズは苦戦したが、リーダーのバーニングを倒したのは収穫だった。
きっとローズの経験になるだろうな。
「トレイル、ヒールしてあげたら?」
「ローズ、こっちに来て」
「はい、お願いします」
「魔王竜ヒール!」
体力を410回復しました。
経験値を410獲得しました。
レベルが514にアップしました。
レベルが515にアップしました。
レベルが516にアップしました。
レベルが517にアップしました。
レベルが518にアップしました。
ローズにヒールし、経験値をいただく。
体力の回復で元気になったローズは笑顔に。
「ありがとうトレイル。バーニングにあった恨みを晴らせたわ」
「良かったな」
「風の陣はEランクパーティーでした。バーニング以外はかなり格下のパーティーです。数は多いけど」
「みんな金目当ての冒険者だ。自分のレベルを上げるなんて考えていない。そこが俺たちとの違い」
「成長に差が出た感じなわけだ」
「そして私のレベルも上がったしね」
「ローズがレベルアップか。バーニングに感謝しておこう」
「パピアナ、まだ目的は達成していないんだ。喜ぶのはまだ早い。領主は見つかっていないし、風の陣以外にも雇われたのがいるかもしれない」
領主がどこにいるかだな。
館にいるのは間違いなさそうだ。
「バーニングに領主の居場所をはかせたら?」
「それいい!」
「おい、バーニング」
「ぶごっ!」
ミヤマがハンマーで叩く。
「領主はどこにいるのか言いなさい。さもないとまたハンマーで叩くけど!」
「知るか!」
「ぶごっ!」
「どこ?」
「言えない。言ったら抹殺される」
「ぶごっ!」
「ダメだ。バーニングは気絶しちゃった」
再度ハンマーで叩いたら、気絶していた。
ちょっとかわいそうな気もした。
「やり過ぎでは?」
「やり過ぎたかな。まだ大丈夫かと思った」
「大丈夫じゃない。口から泡を吹いています!」
「自力で探すしかないよ。館を探せばいるのだとしたら」
「それに裏口からは雷鳴も来ている。時間の問題よ。ローズと同じ猫人の姿はない。沢山の猫人がいるらしいのに、一人もいないのは変ね」
「きっと1箇所に集められているのかも。それなら急いで探そう!」
体力を350回復しました。
経験値を350獲得しました。
レベルが519にアップしました。
レベルが520にアップしました。
レベルが521にアップしました。
レベルが522にアップしました。




