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心夢見て宇宙《そら》を翔《ゆ》く  作者: 赤羽道夫
第6話 海賊たちの讃歌
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Act 4

 アルンと名乗ったLSHロボットの申し出はこうだった。

 当船・長岡天神丸は、すでに貴船からのシステム攻撃による不具合を復旧させた。当船は当宙域から離脱を希望しているが、貴船のガイドアームによる拘束を無理やり解除すれば、当船ならびに貴船に重大なダメージを与える可能性があり、当方としてはリスクを負ってまで実行するべきではないと判断する。貴船からガイドアームの解除を操作願いたいところであるが、貴船がシステム攻撃によって船内システムに不具合が生じているのを確認している。当方、システムの復旧を行う用意があり、貴船に移乗し、これを実施する代わりにガイドアームの解除を求める――。

「兄貴、どうしますんで?」

 即答しないシェ・ワンタオに、手下のひとりが声をかける。

「決まっておるだろ」

 ついさきほどまで目を泳がせていた船長が、口元を歪ませて微笑した。ディスプレイのなかで返事を待つLSHロボットに向かって首肯した。光を取り戻したその瞳がすっと細くなる。

「いいだろう、その提案、受け入れよう」



「アルン、本当にひとりで行くのか?」

 ゲイスンが難色を示すのも無理からぬことだった。

「わたしも反対です」

 マーヤが立ち上がって、その意見を強調する。

 フーロン号でシステム復旧の作業が完了したとたん、シェ・ワンタオがアルンを拘束するのは目に見えていた。そして、なんらかの手段でオーナー登録してアルンを所有する。あわよくば、ゲイスン、ワシェンゴ、マーヤ、それに長岡天神丸をも我が手にしようという気でいるのは明白だった。

「相手は海賊だぞ。人間のなかでもタチの悪い部類だ。まともに交渉できる相手じゃないぞ。罠にかかるのがオチだぜ」

 言いながらも、そんなことがわからないアルンでないことも承知しているゲイスンだった。

「なにか考えがあるのか?」

 ゲイスンの代わりにワシェンゴが聞いた。

「もちろんだとも」

 アルンはウインクする。

「だが、いざというときは頼むぜ」


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