7日目 2nd Confession
「秀先輩!」
「あ、奏ちゃんごめんね、急に呼び出したりして」
「いえ・・・」
なんとなく重い空気が漂う中、秀が口を開いた。
「奏ちゃん・・・俺と・・・」
「Superマ○イdrinkはいかがかNa~!?」
秀が何か言おうとした瞬間、またまたバイト中のロビーが現れた。
(何!?)
「Oh~!君たちはロビィNo!マ○イの戦士がパワーアップしたSuperマ○イDrinkがいかがかNa!?」
ロビーはアルミ缶を差し出した。
「ロビーさん、いったい何がどうパワーアップしたんですか?」
奏海は思わず聞いてしまった。
「Oh!よくぞ聞いてくれたNe!!これにはBokuと天使chanも幸せになったL・O・V・Eエキスが入っているのSa!!」
えええええーーーー!?
「そ、それっ、本当ですかっ!?」
秀はロビーの手からスーパーマ○イドリンクを奪い取った。
「奏ちゃん、俺とこれを一緒に飲んでくれ!!!!!」
秀はアルミ缶のふたを開けた。そして・・・・
ごきゅごきゅごきゅ・・・・・・・
奏海が返事をするより早く、一気に飲み干した。
「Hey!すばらスィー飲みっぷりだNe!」
「ごちっ!!」
(・・・ど、どうしよう)
奏海は今すごーーーーーく悩んでいた。
ロビーと天使chanとやらが幸せになったマ○イの戦士を一緒に飲んでくれということは・・・
もちろん秀と一緒に幸せになりたいけど・・・
(マ○イの戦士よ!?)
「さぁ、奏ちゃん!!返事を聞かせてくれ!!!」
「Yeah!!あ・つ・い・Ne!!!」
(どうしよう・・・・・!!!)
奏海は涙目になっていた。
「ま、まさか奏ちゃん・・・NO・・・!?」
「そ、そそそそそそそんなことないですよっ!!」
(で、でも・・・・・・・・・・・・!!)
究極の選択である。
「奏ちゃん・・・」
秀の手は微かに震えている。
(えーい、秀先輩のため!)
ごくっ ごくっ ごくっ・・・・
奏海はマ○イの戦士を飲み干した。
「奏ちゃん・・・・!」
(あれっ、意外とおいしい・・・・?)
奏海はマ○イの戦士の意外な味に驚いている。
「で、奏ちゃん・・・」
「は、はいっ!」
「俺とつ・・・・」
「師匠ーーー!!!マ○イDrink、MeもBuyするよー!!」
秀の言葉を遮るかのようにロビィと香がやってきた。
「Oh!ロビィ!香chanとラブラブになれたんだNe!?」
「Oh、Yes!!!Sweetheartsになれたよ!!」
(なんなのよ!!!??!?)
奏海はあと少しのところをロビィたちに止められて怒りを隠せない様だ。
「押さえろ・・・押さえろ俺・・・・ロビィは親友だろ・・・?」
秀は何やらぶつぶつとつぶやいている。
「お~~~~~~~~~いしゅ~~~~う~~~~~」
「あっ、日野さんですよ、秀先輩」
奏海の指さす先には花を背中にたくさん背負った日野がいた。
「に、兄さん・・・何その花??」
日野に背負われた花は誰がどう見ても不審に思う量である。
「ん~~~~~部活で育てた花ぁ~~~~」
日野は相変わらずマイペースである。
「Hey!?日野SANは華道ClubかOtherかい!?」
「うんにゃーーー?園芸部~~~」
「えぇ!?」
ロビィと日野のやり取りに奏海が大声を上げた。
「ど、どしたの奏ちゃん」
奏海の大声に秀が驚いている。
「日野先輩ってもしかして、高等部園芸部長の“ジャイアントフラワー”さんですか!?」
「う~~ん、そう呼ぶ人も~~~いるみたいだねぇ~」
何やら日野は園芸部員の間では有名な人物らしい。
「植物と会話ができるという!!あの!?」
香もすかさず口を挟んだ。
「Noオオオオー!!!Nonsense!!ありえないー!?」
ロビィはなぜか頭をかかえて膝をついた。
「会話って兄さん・・・?」
「声が聞こえるんですよね!?」
「私も会話できますか!?」
秀と奏海と香は次々に質問した。
「会話じゃなくてぇー。心で感じるんだよぉ~・・・声をかけてあげるとぉ~~僕の心の返事をくれるっていうかぁ~・・・」
背負っていた花を置いて、じっくりうっとり眺めながら言う日野。
「「ジャイアントフラワー先輩ステキですぅ!!!」」
奏海と香は同時に言った。なんてったって、中等部園芸部の間で“ジャイアントフラワー”はあこがれの存在なのだ。
「ちょっと兄さん!奏ちゃんに近づかないでくれ!!」
我に返った秀は、先ほどのロビィへの恨みを兄へ向けた。
「あぁ~~~~ごめんねぇ~~~~。秀の彼女だったよねぇ~~~」
「えっ、あっ、そうそう!!!それだっ!!」
秀はポンッと手を叩いて改めて奏海に向き直った。
「奏ちゃん、俺と付き合ってくれーーーーーーー!!」
(キャ―――!?しゅしゅ秀先輩がぁー!?)
「よ、よろk・・・」
「Oh――!!やっとConfessionできたね!Shu!!MeはAidするよ!!!」
黙ってりゃいいのに、ロビィは秀の手を握ってブンブン振った。
そしてそんなロビィを見るなんとなく冷たい視線が・・・
ロビィはゆっくり後ろを振り返った。
カッキ――――――――――――ン
日野と目が合ったロビィはまたまた石になってしまった。
「あぁっ、ロビィ!!!」
石化ロビィを初めて見る香は困惑している。
しばらくロビィをじぃ~~~~っと見ていた日野だったが、
「え?うん、うん。あ~~~ごめんね~~~僕ってばぁ~~~」
何やら独り言をつぶやくと再び花を背負いだした。
「皆ー、話の途中だけど~~~お花さんたちがノドかわいたっていうから~~~もう行くねぇ~~~~」
日野は行ってしまった。
「どこまでもマイペースな方ですね・・・」
奏海は日野をやさしく見送った・・・
ピロリロリ~♪
その時意外にも普通の着信音が鳴り響いた。
「Oh!Meの携帯Telephoneね!」
ロビィは携帯を取り出して、何やら真剣な顔で話をしていた。
「ど、どうしたんだ?ロビィ」
「何かよくないことでもあったんでしょうか・・・?」
心配そうな秀と香の横で、既にロビィに会ってしまったことが“よくないこと”だと奏海は思っていた。
電話が終わったロビィは珍しく深いため息をついた。
「オ、オイ・・・?」
「Oh~~~~~~~、Shu~~~~~・・・・ハァ~~~・・・・・」
かなり落ち込んでいるらしく、さすがの奏海も気になって来た。
「MeのGreat grand fatherが倒れたらしいんだ・・・NowからすぐにGo homeさ・・・」
「ひーおじいさんていくつですか??」
「about116さ」
「それって別に倒れてもおかしくないんじゃぁ・・・」
奏海はつい本音を言ってしまった。
「No!?なんてこと言うんだいCute girl!?」
「ロビィ、早く帰らないとお前実家までバスだろ!?」
圧倒される奏海を助けるべく秀は言った。
「Yes!そうだったよ!!Meの乗る近○BusはCharge高いうえに本数Fewなんだ!!」
「ロビィ!私もTogetherにGoするわ!!」
「Oh~~~Kao~~~ri~~っ」
「俺も行く!!」
なんと秀もついて行くと言い出した。
「奏ちゃんも一緒に行こう!」
(えええええ~~~~!?炉火井家に私も~~~!?)
近○バスボロ儲けである。
そして4人は学園前のバス停からバスに乗り込んだ―――
この話に出てくる近○バスは滋賀県内を走っている路線バスとは全く無関係です(笑)