No12.2度目の2日
「雨月、朝よ起きなさい」
12月2日午前6時30分、2度目か。またここに来てしまうのか。そもそも存在を認知されない現象は何故起きたんだ?いつもどおりに学校へ向かったし、いつもどおりに夏川と話したはずだよな・・?夏川?夏川って誰だっけ。
「雨月、早く起きなさい」
やばい、このままだと怒られてしまう。急いで着替えをし、キッチンへ向かう。
「母さんおはよう」
「雨月、夜ふかししすぎじゃないの?」
「ごめんなさい。それより夏川って人知ってる?」
「し・・・・知らないわ」
母さんも分からないってことはきっと、どこかですれ違っただけの人なのだろう。どこか懐かしく、仲良かったような気がしたが、気のせいってことで落ち着いた。朝飯を食べ、登校準備を終え、母さんに挨拶をし、家をでるか。
「母さん行ってきます」
「行ってらっしゃい」
いつもどおりの挨拶、いつもどおりの外、いつもどおりの時間。全てが日常に戻った。
「秋風冬花、時間だ」
「雨月、夏川さんのことは忘れなさいよ。そしてさようなら」
午前7時30分いつもの交差点、何故かここで誰かを待っている気がする。しかし、誰を待っているかという覚えはない。
「秋雨、おはよう」
「誰だ?」
後ろから見ず知らずの女性に話しかけられた。秋雨と呼んでくるということは親しい人物か、クラスメイトだろう。しかし、記憶にないということはたまたま名前を覚えてくれた他のクラスの人なのかもしれない。
「夏川夕立だよ。秋雨まで私を忘れたの?」
この現象は一度目で俺もなったことじゃないか。しかし、何故忘れられてしまうんだ?意図的に誰かがゲームオーバーにしたのか?あるいはループを繰り返すごとに、何か負の現象が産まれてしまうのだろうか?
「ああ!夏川か。いきなりすまない」
「もう、秋雨からも忘れられてたら、死んでたよ」
似たようなやり取りを一度目のときに花峰とやったはずだよな。これってまさか新しい試練っていうやつなのか?
駄目だ。夏川夕立がどういう人物だったかという詳細が出てこない。こんなことをしていたら、彼女を救うことはできないのに。
「秋雨、さようなら」
「おい、待てよ」
夏川は何かを察したのか?交差点を通り過ぎたトラックに自ら飛び込み死んでしまった。
「君はまた人を救えなかったのかい?」
「君はまた人を殺してしまったな」
「君は人を殺すゲームが好きなようだね」
「死して償いをエヨ」
突然謎の声と共に、背後から体を引き裂かれてしまった。
「お・・・・・・いおまえ・・・・は・・・・・」
「まだ知るには早い。いずれ同じ経験をするときがくる」
また、知るのは早いと言われ教えてくれなかった。糞・・・。俺は再び深い眠りについた。
2章2話目お待たせしました。
2章は色々と物語の展開が早くなる場面もありますが、わからない場合は説明するので感想で教えて下さいね、
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