目指せ海賊団結成!? まずは仲間に慣れて貰うことからでしょ その6
一人フェルは茶屋に戻り女主人に語り掛ける。
「あのもしかしてアヤメ殿と言われるのではないでしょうか?」
「いいえ、違います。」少し動揺しつつ応える女主人。
「ご出身は常陸の国でございましたでしょうか?ご両親の方に相模の国出身の方がいらっしゃいませんか?」と畳みかけて問う。
「はあ、父がそうでしたが今は他界してしまいました。」と女主人が応える。
「今でも相模の方とは連絡をされていらっしゃいますか?」と尋ねると。
「いいえ。」と訝し気に応える。
「左様ですか。先ほど仲間とお邪魔していた時に入られた男性の方は?」と尋ねると。
「あ。留吉さんはこの町の方ですよ。」と女主人は応える。
「感が鈍ったようで、お二人とも箱根に由来する方と勘違いしていました。すみません。」とフェルは素直に謝る。
「な、なぜにそのような。まぁ可笑しい。」と笑う女主人。
「異国で町の調査なども行ったことがございます。あまりにも、その女主人とお仲間の立ち振る舞いがその道に長けた者と同じように思いました。それに。」とサーベルを腰帯から外し。
「臆病者なのでこのように武器を身の前に構えねば、あちらの部屋の方からね。」と隠し部屋からの方を意図していう。
「まあ、変わったお方。」と惚ける女主人。
「失礼いたした。ではこれにて。」と言い、立ち去るフェル。
これで相手が認識すれば今晩あたりに・・・。
宿を取り一人で泊まることにする。
夜、寝ている時刻に物音がかすかに聞こえる。襲撃に備え、右手に仕込み杖、左手に短刀、金属鎧に装備を変える。部屋の片隅に潜むと。暗闇から襖を開け人影が二つ音もなく侵入してくる。
やもえず、左手の短刀で一人目に切り付けるように見せつつ、右手の杖の先にて強く突きを狙う。しかし躱されてしまう。二人からの攻撃は鎧にはじかれる。
短刀による速攻を行うと、そのまま相手にダメージが入る。相手は強打を想定し、かわし切れなかったのだろう。二人目の敵より飛び道具が繰り出されたが杖ではじくことに成功した。できればダメージがある方を倒し、1対1の戦いに持ち込みたいが距離を置かれており、それはできない。杖による強打技・スタンを行使し、決まった。前衛が動かなくなった。少しの間、1対1に持ち込める今がチャンスとなる。飛び道具が飛んできたため、籠手にてはじくことに成功する。金属音が飛んだため、金属製の刃物だったのだろう。反撃として動けない侵入者の左ももに短刀を貫く。これでスタンからの回復後も動けないだろう。相手もケガをしてない方の手に短刀を持ち切りかかってくる。フェイント技にてカウンターを試み、相手に反撃をした。まだ動けるようだ。近いので杖が使いにくいが、杖の先ではなく手元を相手の顎へ叩き込むフェイント技を用いてみる。相手は素早く短刀を振り、やむなく回避に入る。フェイントは失敗に終わった。相手の短刀による攻撃が来るので杖ではじき飛ばす。左手の短刀は刺したままで手放しているため、左手で攻撃を行いつつ船内倉庫より武器を取り出す。左手の短刀の間合いに対して回避しようとしていた相手に直刀の刺突が狙い通りに右肩に入りそのまま柱に押し込む。刺突の力を逃がせないため、不意打ちの痛打に成功したようだ。
もう一人の仲間がスタンの状態異常から回復する。やもえず止めの一撃は諦めることにし、距離を取る。騒がしい音のため、宿の者が騒ぎ始めている。
戸口に近い侵入者が逃げに入り、もう一人が足を引きずりつつ逃げていく。杖を船内倉庫に戻し背後より足に向かい刺突の連撃を入れる。相手の躱し方が想定通りのため、1撃は躱されたものの2撃目がもう一方の足に入った。こちらは行動不能に陥った。
すると逃げていったもう一人の侵入者から飛び道具が飛んできた。やもえず前進し鎧で受けることにする。動けぬ仲間への止めだったのだろう。ただ逃げられぬと悟ったのか毒を含み動かなくなった。
杖と長剣、防具一式は船内倉庫にしまい、床の死体から強引に引き抜く。それから宿屋を出て追いかける。途中、宿屋の者にあったが曲者が侵入してきた。と説明しておいた。
夜であっても血の匂い、血痕を辿っていく。町はずれの寺院に続いているようだ。聞き耳を立てると誰かが本堂にいるのが分かる。船内倉庫から装備を取り出す。右手に長剣、左手は装備なし、金属鎧と兜、籠手、脛あてとなる。ガシャガシャ音を出しつつ、本堂を開けると中から一閃される。しかし防具に阻まれた。相手の左足を狙い長剣の強打を入れる。曲者に躱されはしたがかすったようだ。
相手の動きが一瞬止まったようだ。すかさず懐に飛び込み左手の強打を曲者のみぞうちに入れる。相手の手から小物袋と中身が落ちた。曲者は動かなくなった。
相手の懐など手探りで探し、武装や毒など外していく。最後に口を開かせ歯を見ていくと義歯がやはりあった。慎重に外し一気に抜き去る。義歯内の毒袋は壊れていないようだった。少なくとも今でも呼吸している。
武器、防具とともに船内倉庫にしまい、応酬したものを小袋に入れる。動かなくなった曲者を渡し場の船内に担ぎ込む。幸いにも暗闇の中ですれ違うことはなかった。
五助、おトキ、甚八を起こし、ことの次第を説明し、ロープで縛った襲撃者の女の面倒を頼む。
甚八には襲撃者であること、おそらく忍びであることを告げ対応をはかる。
フェル自身は一旦、宿屋に戻ることとした。
宿屋に戻ると宿屋の主人に尋ねられた。
寝ていると野盗の襲撃にあった。曲者は二人居たようで、一人は返り討ちにし、もう一人は取り逃がした、と告げた。
野盗のかたづけは宿の者にまかせ、疲れたから仮眠を取る旨を告げ、部屋で寝た。




