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最強の剣聖は自由を求め、転生する!〜世界最強の自由人〜  作者: 冬城レイ
第六章「女神干渉」後編

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芸術になる技。

 目線をヘールラに合わせる。弓を斬るとバレない様に。


「なんですか? また斬ろうと試みるのですか? 結果は―――」

「―――アクセル・ステップ」


 一瞬で距離を詰め、弓を斬った、そう思った。

 だが、グランドの刃が入らなかった。


「そう簡単に斬れると思っていたの?」

「……ッ」


 弓とグランドの刃が擦れて火花が散る。嫌な音を立てながら押していく。


「斬れるわ」

「甘い考えで私に勝てるとでも……?」

「ええ、実際に押しているのは私だからよッ!」


 押し斬る。だが、掠っただけで大きな傷も弓にない。

 なかなか進まない戦いだ。


「『二重詠唱』アクセル・ステップ圧縮———断鋼瞬光一閃だんこうしゅんこういっせん


 音はあった。だが、気づいたころにはヘールラの弓は跡形もなくバラバラになっていた。その欠片すら美しいほどの斬れ方だった。


「へ……?」


 《断鋼瞬光一閃》この技は人を斬る技ではない。綺麗に物を斬る技だ。この技で芸術品ができる事もある。その斬った断面は滑らかで、斬られた跡がないほどだ。

 それにスピード特化の効果《アクセル・ステップ圧縮》を組み合わせた、それだけでもう技としては全くの別物であった。


 ヘールラの手がゆっくりおろされる。先ほどまで弓を握っていた手は、力なくぶら下がっている。


「女神、私を怒らせた事……後悔させてあげる」


 ヘールラは、一歩、また一歩下がっていく。そのたび私は一歩ずつ詰めていく。じわじわと苦しめていく。フィオナの身体は、ヘールラの焦りによって汗がにじみ出ている。


「さ、再生成……」


 弓を再生成する。だが、弓を再生成したせいで魔力がもう残り僅かになってしまった。矢の生成などは魔力消費が少ないが、いずれ限界が来る。


 ヘールラは逃げることを決めた。


「……また会いましょう」


 ヘールラの魂はフィオナの身体から抜け、元居た場所へと逃げ帰っていく。フィオナの身体は力が抜けて地面に倒れた。


「フィオナっ!!」


 私はすぐ駆け寄った。フィオナが目を覚ますことを祈って。それと同時にすぐ目を覚まさないだろうと予想は付いていた。

 身体も精神も負担がかかり過ぎているはず。そう簡単には目覚めないのはわかっている。ただただ目を覚ますことを祈ることしか出ないんだわ。

 それは前世も現世も同じだ。いくら強くたって得意不得意あるもの。人間ってのはそういうものだもの。そんなの、とっくの昔にわかっていた事なのに、こういう場面になるとつい祈り、願ってしまう。


「―――ッ。家に帰るわよ。フィオナ」


 私はフィオナを持ち上げて、家に連れて行った。

 山は壊滅的だった。戦いの跡は自然を傷つける元だというのに、ね。仕方ないですませることはできない。責任を持って自然が戻るようにするしかないわ。

 ギルティナは下山途中、王都の景色を見た。


「何も、変わっていないわよね」


 少しの心配を残しながら下山をしていくギルティナだった。



今回は複雑ですかね?


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