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7.国外逃亡

誤字脱字、拙い文章すいません。

「さぁ着いたわよ」


巫女が車を降り両手を大きく広げて言う。


少し遠いところに海が見えた。


その海には数隻の船が停まっていた。


その船は車のように鉄で作られたもので辺りの景色との調和を崩していた。


「どうしてこんなに離れたところで車を停めたんですか?」


「あぁ、それは地上では地下の乗り物は基本的には使ったらダメなのよ」


巫女はここに移動するまでにわたし達にこの国の事を色々教えてくれた。


その最たるものが地下の存在だろう。


地上とは全く違う高度な技術を持った文明の存在。


車やあそこに見える船は地下の文明が生み出したものだと言う。


「さ、レースも降りて」


「うっ、う、う、う」


レースは車に乗る度に目を回していた。


【車酔い】と言うらしい。


レースがよろよろ降りてそのまま地面に倒れこむ。


巫女が車の外に取り付けられたボタンを押し操作すると赤い魔法陣が車の上に出現する。魔法陣が降り、車を全て通過し終わると同時に車が小さくなっていく。


これが世界でこの国にしかない技術だ。


車などの総称、【機械】そして【魔法】これらが融合したのがこの国なのだと巫女は語った。


巫女が手で握り潰せそうなくらい小さくなった車を拾い


「さ、行きましょうか」


巫女がレースを背におぶり船に向かって歩きだす。


「でもどうして逃走にあんなに大きな船を使うんですか・、すぐに見つかってしまうんじゃ」


[リリィちゃん、あの船が普段なに使われてると思う?」


突然の質問に驚く。


「えっ、えぇと、漁業ですかね」


苦笑いで答える、あの巨大な鉄の船が漁業を行う様子など全く想像できなかったからだ。


「あれはね、他国を偵察するための船なの」


「偵察、ですか?」


「えぇ、この国は島国だからほとんど他国の情報が入ってこないの。だから船を使って他国の様子を探るのよ」


「でも…どうしてそんなことをするんですか?」


「この国はね、世界中の誰にも気づかれることなく世界一まで発展してきたの。…でも、だからこそ恐れているの、自分たちと同様に力を隠し持った国があるんじゃないかってね」


巫女は淡々と落ち着いた様子で話す。


こんなに真面目な表情の巫女を見るのはいつぶりだろうか。


「と、話を戻すわね。どうしてあんなに大きな船を使うのかって、そんなの決まってるじゃない!あれが世界一のステルス機だからよ!」



ステルス機の意味はよくわからなかったが、とにかく逃げるには最適の船らしい。


「じゃあ、あの船強奪してきてね」


と、巫女は曇り一つない眩しい笑顔で言うのだった。


「な、何言ってるんですか!そんなの無理に決まってるじゃないですか!」


止まっている船はとにかく巨大だ、具体的な数はわからないがかなりの数の船員が乗り込んでいるはずだ。

常識的に考えて3人で勝てる人数でないことは確かだ。


「何言ってるの、あなた達は勇者じゃない。ただの人間相手なら何人相手でも負けないわよ。いくら怪我してるって言っても余裕でしょ?」


「…………………あぁ。それもそうですね」


確かにその通りだ。


わたしは巫女の車のなかで精霊にスキルの効果について聞いていた時の事を思い出す。


「【麻痺付与:E】は自身よりもレベルの低い相手に触れたとき低確率で相手を麻痺状態にするスキルです。麻痺状態は解除しなければ一時間続きます」


(このスキルを使えばを素手でもいけるか)


「じゃあ、ちょっと行ってきます!」


そう言ってリリィは船に向かって走り出した。


敵と遭遇、麻痺が発動するまで相手に何度も触る。

ひたすらにこの作業を繰り返した。


敵は最初に触られるまでわたしの接近に一切気づかない。


一撃で麻痺は発動しないがわたしに気づいた敵がこちらに攻撃するまでに何度も触れるので大体はそこで麻痺が発動した。


船員全員を麻痺させるのにそれほど時間はかからなかった。


「リリィちゃんお疲れ様ー」


船員を船にあった縄で縛りつけた所に巫女さんがやってくる。


「まぁ疲れるほどでもなかったですけどね」


勇者の力を途轍もないものだと改めて実感する。


同時にそんな勇者以上の力を持っていたグリィフィスの脅威も改めて実感する。


「ところでこいつらはどうしますか?」


取るに足らない相手とはいえいつまでも船に置いておくわけにはいかない。


「?、殺せばいいじゃない」


巫女は即答する。


確かにそうだ、わたし達は強くなるために人を殺さなくてはいけない。ならば彼らを殺す事が正解だろう。


(でも、わたしは、極力人は殺したくない!)


「そうだ!レースはまだLv1だったわね、レースに殺させましょう!」


巫女が妙案だと言わんばかりに声を張り上げる。


「そうです、ね、魔王を殺す、ため、なら、殺さない、と、です、よね。人間を、殺す、なんて、凄くいや、な気持、です、けど。仕方のない、事、です、よね」


レースがやってくる。


「わかり、ました。…殺し、ます」


その光景は見るに堪えないものだった。


百人あまりの人間を殺し、その返り血を浴びる少女。


麻痺スキルで殺されていく彼らは命乞いをすることも悲鳴を上げることもできず無抵抗に殺されていく。


全ての船員を殺し終えた少女レースはわたしに駆け寄り笑顔で言う。


「私、も、お姉、リリィさん、みたい、に、強くなります、からね」


この子を見てわたし達勇者、その歪さを再度認識させられる。


だが結局はこの子もわたしも同じなのだ。


わたしも悩んだ末に、人を簡単に殺せてしまう。懺悔をしながら、後悔をしながら、魔王を殺すためなら結局殺す。


殺すと決めたらすぐに実行できるレースも、わたしも、何も変わらない。


わたし達は魔王を殺す事を最優先に考え、行動している。


(…わたし達は歪んでいる)





船を掃除してわたし達は出航する。


操縦は巫女がまかせなさいっと張り切っていた。


問題なく動く船を見るに巫女はうまくやってるらしい。



わたし達はこれからどこに行っても人を殺し続けるのだろう。


魔王を殺すためにそれが必要な事だから。


(わたしは魔王を殺したい。…そのために生きているのだから)





(あはははは!ほんとになんて楽しいの!どうしてそんなにも魔(・)王(・)を(・)殺(・)し(・)た(・)い(・)の(・)、あははは!!存在も歪、思考も歪!こんな人間初めて!本当に人間は愚かで愚かで…愛おしい)

続きます。

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日頃から読んでくださる皆さんに感謝します。

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