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ロロナの実力、その一端

短いですが・・・

 目の前でうなだれるエイギルを前に、少し難しかったか?と思い思案し始めるコウに


「・・・僕はわかったよ・・・?」


 相変わらず眠そうな声でロロナが発言する。


「なん、だと・・・?」


 その声を聴いて愕然とするエイギルだが、それを気にはせずコウはロロナに問う。


「ロロナは俺のいう虚実が分かったのか?」

「・・・正確にはお兄さんのいうものとは違うと思うけど・・・」


 いまいちロロナの言葉の意味が分からないのか、エイギルが口を挟む。


「おい嬢ちゃん、俺は真剣にコウから教わってんだ、邪魔するんなら黙っててくれねえか?」


 その言葉にムッとしたのか、ロロナの表情にかすかに変化が見れた。


「・・・なら見せてあげる・・・」


 そうつぶやいて立ち上がるロロナ、抱かれていたぬこまるはぴょんっと飛び降り、その場にぽよんと着地する。

 それを見たアルメリアがなでなでしようとぬこまるに近づいていく。


 ぶれないアルメリアに嘆息しつつロロナに目を向けた、はずだが、その場にロロナの姿はなく。


「ほう・・・」


 エイギルも目の前で消えたロロナに驚いたかきょろきょろしているが、コウが本気で気配を探ればうっすらとだがその存在を捕えることができた。


 これは恐らくロロナの父ローランの姿を消す魔法、それにロロナ自身の気配を消す技術。その融合といえるものだろう。


 ローランが言っていたがロロナは狩人として一流といっていた。


 狩人というものは1日かけてでも気配を消し、獲物を狩る仕事である。


 もちろん様々なタイプがいるのも確かであるが、ロロナはその体格から罠を仕掛けるタイプと思っていたが、暗殺タイプのようだ。


 野生の獣は気配に敏感であり、また臭いで敵の位置を把握するなどとても厄介である。


 そんな獣を狩る事の出来る狩人の仕事を一流とまで言われるロロナは気配の消し方もまた一流なのだろう。

 そしてその技術はその名の通り、人に対して使えば要人暗殺も可能ともいえる恐ろしいものといえるだろう。

 そしてコウはロロナのいう正確には違う、という言葉の真意が分かる。


 コウのいうフェイントは当てる!という気持ちを乗せることで敵にその攻撃が本命と錯覚させることを目的としたものだが、ロロナのいうものは、真逆ともいえるだろう。


 その一撃を繰り出すまで一切気配を悟らせないその攻撃は急所ですら切り裂く一撃必殺だ。


 コウの気を乗せることで本命と勘違いさせる虚。


 ロロナの気配を絶つことで確実な一撃を放つ実。


 似て非なるものではあるが、確かにロロナは虚実を理解しているのだろう。


 コウが思案している間に決着はつく。


 エイギルの肩に乗り、同時に首筋にナイフを突きつけているロロナ。


 その瞬間まで全くエイギルにはわからなかったのであろう、本当に驚いていた。


「・・・どう・・・?」


 心なしかどや顔のロロナ。


「いや、すまねぇ、全く分からなかった。ああ、いや、嬢ちゃんの言いたいことが分からなかったんじゃなくてだな・・・」


 またもむっとしたロロナの気づいたか、慌てて言い繕ってはいるが、うっすらと理解できたのだろう。

 その目は新しい技を覚えたとでもいうように輝いていた。

 


 

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