新入りと事件発生と
SFに偏ってきたのでファンタジーに少し戻します。
「今日からお世話になります、ターミと言います」
ターミが俺のギルドで働く事になった。
ターミはメスでウィザードだ。魔法が使える魔法使いだ。
ウィザードはオスもメスも居るが、メスの方が多いかも知れない。
魔法は持って生まれて使える人間が多い。
魔法を使えなくても頑張って勉強すれば習得できなくも無いが、余りそこまでやる人は少ないかも知れない。
何故ならそもそもこの世界の魔法は補助がメインだからだ。
魔法だけで魔物を倒すのは難しい。
習得にかけた手間に大体見合わない。
小さい物なら何とかなるかもだが一般的に貴重なソライシを持ってるような魔物に魔法だけで立ち向かうのは無理だろう。
大概ハンターやファイターなどとパーティを組んで攻撃時に併せて威力をアップさせたり魔物の注意を逸らす幻覚などみせたりの役回りだ。
大魔法使いレベルになれば単独で魔物淘汰も出来るかもだが、そうそうそんなレベルにはならない。
寿命も短いので修行する時間もそんなに無いのが現状だ。
ウィザードは頭が良い人が多い。
ただ、性格はあまり良くない人が多いかも知れない。
属性的に攻撃補助がメインの黒魔法なのが原因かも知れない。
仕事はパーティーを組むだけでなくこうしてギルドなんかに働きに来て、色々仕事や経営のサポートもする。
ターミは冒険みたいな荒事は好まないらしく、ここに働きに来た。
因みに同じ魔法を使う人間でビショップが居る。此方は癒しや怪我の治療何かがメインで、先天的には使えずなりたいと思う人間が勉強して使える様になる。
基本お世話何かが好きな優しい人が多い。
属性は白魔法だ。かけられると心底癒される。
そしてウィザードとビショップの魔法を両方使える賢者も居る。
此方は大変数が少なく貴重だ。
使える魔法のレベルにもよるが、高度な魔法が両方使えればかなりの高級取りで、勇者がいる様なハイクラスのパーティーや何店舗も経営してるような立派なギルドなんかのお抱えとなる。
実はこのターミは簡単なヒーラー魔法が使える事が後に判明した。
「まあ、擦りむいた子供の怪我治す程度ですが。切り傷なんかになると無理ですよ。」
なんでも遊びで唱えたらこの程度はいきなり出来たらしい。
それ以上は白魔法の勉強はしなかったらしいが才能があったも知れないと思うと勿体無い気もする。
本人曰く
「なんか短い人生難しい白魔法を勉強して終わるなんて馬鹿馬鹿しいじゃないですか」
らしい。
あっさりしている。
稼ぎたいとか名声を上げたいみたいなのは無いみたいだ。
まあ、こんな弱小ギルドに優秀なウィザードが来てくれてついている。
ターミの仕事は事務作業意外にも交渉なんかも手伝ってくれる。
正直得意分野でないので、子供でない相手とのやり取りは苦手で良い様に値切られたりしていたが、ウィザードは援護魔法の使い手だけあって、上手く纏めてくれた。
「今日もターミ、助かった。有難う」
「いえ、仕事ですから。外でナハカが待っていますが」
「うん、良いソライシ持って来てくれたからご褒美に遊んであげる約束してるの。」
「では、仕事も終わったので連れて来ますね。私はこれで失礼します。」
「ハイ、お疲れ様でした。明日もよろしくね」
「聞いたか?子供の死体が見つかったって…」
「なんでもタオだろ?牙生えてた…」
「頭かち割れて中身まで見えてたらしい…」
「たまにこの近くまで魔物出るからな…大人でも怖いよ。オレでも1人で遭遇したら殺されるかもな…」
「タオは元々凶暴な性格だったしなあ。無理して魔物相手にしたんじゃ無いか?子供なのに…」
「かもなあ…ソライシ集めに躍起になってたからなあ。前は他の子から奪ったり…」
「まあこう言っちゃ何だが…他の子からしたら少し安心とかしてるかもな…もしかして
…」
「いやいや、あの殺され方は子供には無理だ。大人な仕業でも残虐すぎる。やっぱり襲ったのは魔物じゃないか?…」




