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宙石  作者: 水嶋
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この星の経緯

不思議な星の経緯から始まります。

「マスター!今日は赤い石みつけたよー!」


「そうか、そうか!でかしたぞミルハ!良い子だな!」


「えへへ」


「等級は4って所かな。じゃあ報酬はこれな」


「わーい!有難う!マスター!」


「無駄遣いするんじゃないぞ!」


「はーい!じゃあまたねー!頑張って色々探すねー!」


「気をつけて帰れよー」






俺はこの街で小さなギルドを営んでギルドマスターをしている。


ここに持ち込まれる物を色々買い取っている。


先程持ち込まれた「ソライシ」は、色によって等級が分かれていて、赤色はそこそこ貴重品だ。


持ち込んできた子は孤児だ。

この店にはそういった子達が主に持ち込んでくる。


この星は孤児が多い。


かく言う俺も両親は今は居ない。


この星に住む住人は概ね身体が弱い。

長生きが出来ない。


そして、皆何かしら欠損しているとか、形が歪かしている。


俺…と言っている自分も見た目はオスだが、実際の性別はよく分からない。

大体生殖機能がこの星の人間には皆無い。

何処からやって来てどうやって生まれて増えているのかもよく分からない。


そして俺には生まれつき心臓が無い。

機械で作った物が入っている。

そのせいか分からないが、普通持ち合わせているであろう感情がイマイチ分からない。

書物などで勉強して、それらしく振る舞って生きている。


先程の子供は犬の様な耳と尻尾が生えている。

ここに集まって来る子供は、目が片方ない、指がないとか、角が生えている、牙が生えているとか、皮膚が緑色とか…

何かしら変わっている。何かしら違う。



そもそもこの星の現在の姿になった経緯も詳しくは分からない。


伝承によれば、ある日空から大きな船がやってきて、星全体を大きな光が包んだ。


その時に変異したと伝わっている。


そして、気が付いたら天にも昇る程の高い塔が出来ていた。


その塔は不自然な程艶々と、色も黒く、窓や入り口なんかも見当たらない。


何の為の建物かも分からない。


ただ、俺が知っているのはこのソライシを集めれば塔に入れて完全なヒトになれる…




そんな話を鵜呑みにせず、普通に暮らしている人も多い。

別に長生き出来なかろうが、出来損ないだろうが、今が幸せなら十分と考える人も多い。


俺みたいに夢を持ってギルドをやって集めてる人もいる。


人に頼らず自力で集めるハンターもいる。




俺は…


窓から見える不気味な塔を眺めながら


完全な人間になりたいではなく、ただあの塔に入って何が有るのかが知りたいと思っていた。


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