悪友
「ナミ、調子はどうだ?」
「んー、こないだメニチの洞窟行って見たんだけどなあ…イマイチだった」
このナミはハンターだ。
自力でソライシを探している。
見た目はメスに近い。一応性別はオスみたいだが本人もよく分かっていない。
話し方はオスに近いが中身はメスみたいだと言っている。
ナミも俺と似ていて臓器が欠損していて機械を一部に入れている。
ナミはたまにうちのギルドに買い取ってもらう為にやってくる。
高額なソライシはうちみたいな弱小ギルドでは買い取れないので大きなギルドに行っている。
ナミは少し変わっていて、ハンターをしているが「完全なヒト」になりたい訳ではないらしい。
ソライシを集める事が好きみたいだ。
こうして洞窟や魔物が住む地域に出かけて冒険するのが好きらしく、集めた石はギルドに売っている。
今日は買い取りではなく雑談に寄ってくれた。
ナミは色々な所に行くので冒険譚を聞くのも面白い。
「この間はな、同業者のハンターに邪魔されてな、横取りされた。まあソライシにそこまで固執してないし、命取られなくて良かった」
魔物など以外にも冒険は危険みたいだ。
俺は臆病者なんでナミみたいなハンターにはなれないが、冒険には少し憧れる。
あの塔の秘密を知りたいと思っているし、好奇心は旺盛みたいだ。
「マスター!タオがソライシ横取りしたー!折角見つけたのにー!」
ナミと雑談していると、泣きながらたまにやってくるロヒがやってきた。
「仕方ないなあ。あの子は意地悪だからなあ。牙もあるし怖いよなあ。」
俺はなだめていた。
「オレも、つい最近おんなじ事やられたから悔しいのは良くわかるぞ。隙を見て奪い返してやれ。ついでにそいつの持ってるソライシも奪ってさっさとここで売ってやれ。」
ナミが子供に悪どい事を教えている…
「うん!分かった!バイガエシだ!」
「ついでにお菓子も頂いていけ!」
「よし、イシャリョウ追加してやる!」
更に悪事を重ねさせようとしている…
何か良くない気もするが…
ロヒが元気になったから聞かなかった事にしよう…
まあ、何だかんだでナミのこう言う所も気に入っていたりもする。
「所でお前はソライシ集めは順調か?」
ロヒが鼻息荒く帰って雑談を再開している。
「うーん、まあボチボチとかなあ。生きている内にあの塔には入ってみたいからなあ。」
「オレは逆にあの中に入るのは怖いな」
「へー!」
あれだけ冒険をしているナミのこのセリフに驚いた。
「だってさ。今のままで十分楽しいしさ、別に長生きしたい訳でもないしさ、何より何か真実というか、知らない方が良い事を突きつけられそうで怖いな。あの塔に入って帰ってきた奴もいないらしいし…」
そうなのだ。
たまにあの塔に入った人がいると言う噂は聞くが、あの中がどうだったかと言う話を聞いた事がない。
帰って来た人が居ないのだ。
「俺はな、お前と少し考えが違う。俺も別に長生きしたい訳じゃない。今もそれなりに楽しい。ただ、どうせ長生き出来ないならあの塔の、この星の秘密が知りたい。」
「お前も何だかんだで冒険好きなんだな。今度一緒に洞窟行くか?」
「それはやだ。魔物とかと戦っては死にたく無い。痛いのもやだ。死ぬならあの塔の中だ」
「ははは。臆病なんだか無鉄砲なんだかわからん奴だなお前は。でも面白い。」
「まあお互い短い命を悔い無く生きような」
「その意見には同意だな。」




