第91話 『謎の槍』
中も予想以上に汚い。
埃だらけだし、蜘蛛も巣を作っている。
一体どんだけの時を越してきたんだよ。
色んな部屋を探していると、チハルが、
「こんなところ………何もないと思うんですけど」
「わかんないだろ、そんなの。ちゃんと探してみないと」
とは言ったものの、どの部屋にも何の役にも立たないゴミしかないな。
でも、まだ入ってない部屋があるかもしれないしな。
もっとちゃんと探してみよう。
にしてもこの廃校の中、本当に汚いな。
健康に悪い。
この机だって、錆びつきすぎて、触れただけですぐ崩れるぞ。
崩れた机から埃が舞い、一瞬むせる。
こんなところ、さっさと用事済ませて抜け出した方がいいかもな。
「チハル、何か良さそうなもの見つけたか」
「い、いえ、特にこれといった物は何もありません」
「じゃあ次は隣の部屋だ」
手あたり次第で探したが、特に何も見つかることはなかった。
本当にただの古臭い建物のようだな。
「そろそろ疲れてきたし、次の部屋で最後にするか」
「はい、そうしましょう」
部屋を出て、隣の部屋を開けると、その先に広がっていたのは、校長室だった。
前に魔術学院で見たことあるからすぐわかった。
「ここは………校長室……」
「そうだな。ここなら何かあるかもしれない」
中に入って一通り周りを見渡すと、気になるものが視界に入った。
なんだ、これ。
………槍か?
「どうしました?」
「ちょっと気になるものがあってな」
飾られている槍を手にとり、どんなものかなのかを確認する。
槍の刃の近くに埋め込まれてるこの赤い魔石はなんだ?
火の魔石じゃなさそうだが、何か………強力なものを感じる。
ただの槍じゃなさそうだな。
「チハル、何かわかるか?」
「い、いえ、初めて見ます」
色々と謎の多い槍だが、強いのは何となくわかる。
何かで試してみればどのくらい強力なのかよくわかるかもな。
「とりあえず、この槍を持っていった方がよさそうだな」
こんな良さそうなものを見つけてしまえば、もうこの廃校に用はない。
俺はチハルと一緒に廃校を出て、槍の強さを試すことにした。
試す用の相手は、とりあえずここら辺にある木にするか。
「チハル、危ないからちょっと下がってろ」
「は……はい…!」
俺はチハルに注意をすると、槍を上に掲げ、勢いに任せて振り下ろした。
その瞬間、攻撃した方向の森は一瞬で消滅した。
土まで抉っている。
この武器、ますます謎が深まった気がする。
やはりこの魔石に何かあるのか?
神が作ったとか?
…………まさかな。
とりあえず、この武器さえあれば、竜王にも勝てるかもな。
「じゃあ、今度こそ竜の里行くか。チハル、また案内してくれ」
「は………はい…!」
俺たちは今度こそ竜の里に向かうことにした。




