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奴隷は魔王となり、復讐を決意する。  作者: 影月命
第1章「奴隷落ち」
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第8話 『魔術師の下へ』

さて、これからどうするか。


俺は行く場所が定まらないまま、道を歩いていた。

最初にエルザたちがいる村に行ってもいいが、もっと俺が強くなったときがいいだろう。

でも、強くなったら一瞬で倒してしまうかもしれない。

あいつには、今までに味わったことのないような痛みを体験してもらわないといけないからな。


一番ダメなのが即死だ。

即死だと、痛みは一瞬だろう。

だから、即死はダメなのだ。


どうやって復讐しようか。

蘇生魔法を手に入れれば、殺して蘇生してを繰り返して苦しめることができる。

なんなら、殺さずに生かすか。


『不死の呪い』で。


脳天を貫くような痛みを味わっても、死ねないんだからな。

きっと、これが一番残酷だろう。

これをしたら、死んだほうがマシと思うかもしれないな。死ねないけど。


でも、そういうことは魔法を駆使しないとできないからな。

いつか魔術学院にも入学するか。



また、いいこと思いついた。

この筆であいつを奴隷にすればいいんじゃないか?

そしたら俺の言うことには逆らえないからな。

もし奴隷にしたら何度も痛みつけて、精神的にも物理的にも壊してやろう。


この中のどれであいつに復讐しようか。

………全部で復讐するか。

最初に殺して生かしてを繰り返して、『不死の呪い』で死なない体にした後、奴隷にして『痛魔の魔剣』で発狂するような頭痛を永遠と味わってもらおう。


『痛魔の魔剣』

刃のところは鋭くなく、剣としては役に立たないが、刃に魔力を込めて相手に当てると、その相手は大人でも発狂するような頭痛に襲われる。


そして俺がストレス発散で殴ったり蹴ったり剣で突き刺したりしよう。

自殺しようと、高いところから飛び降りても痛みが増すだけで死なない。

死にたくても死ねないってどういう気分なのかな。


奴隷にしたら逆らえないからな。

『発狂するな』『暴れるな』を命令しよう。


我ながらいい発想だ。


そんなことを考えてると、やっぱりニヤニヤしてしまう。

周りにいる人間クズが俺を怪しそうに見てる。



そういえば、これからどうするか考えてたんだよな。

復讐の仕方は後で考えるとしよう。




すると、ある人物の通り名が頭に浮かぶ。


黒の魔術師


種族は俺の嫌いな人間。約五十年前、『闇の呪い』で世界を破滅へと追いやったそうだ。

メランから昔聞いたことがある。

くそっ!嫌なやつを思い出してしまった。

俺は心の中で舌打ちをする。


確か名前は、ケリウス・センエラーだ。


あいつのところに行くか。

『闇の呪い』をかけさせて、強くしてもらおう。

人間と仲良くなりたくないが、強くなるためだ。仕方ないだろう。


ただ居場所がわからんな。

どうにかして情報を得ないとな。



それはそうと腹が減ったな。

金もあるし、飲食店にでも行くか。


振り返って歩こうとすると、ローブを着た五人の中の一人に肩がぶつかってしまった。


「何ぶつかってんだ、このガキ——」


俺は男の顔面を殴って建物の壁まで吹っ飛ばした。

倒れた男は白目をむき、痙攣している。

死んだな。


他の四人を見ると、ビクッとして怯えていた。


「「「ひっ!」」」

「ちょうどいい。お前等、魔術師だよな」


俺はローブを着た男たちに歩み寄って訊いた。

全員震えていて、今にも逃げ出しそうだ。


「言っとくが、逃げても追いつかれて殺されるだけだからな」

「「「…………」」」


すると、徐々に落ち着いていった。


「で、お前等魔術師だよな」

「あ、ああ、そうだが」

「なら、黒の魔術師の場所を知ってるか?」


俺はそこだけ小声で訊いた。


「…………いや、知らない」

「本当か?」


俺は答えたやつを睨む。

少し沈黙が流れ、知らないんだなと思うと、一人が、


「あの、知ってます」

「おい!なんでいう!」


さっき睨んだやつがそいつの胸倉を掴む。


「だって、知ってるってことがバレたらあいつみたいに殺されるかもしれないじゃないか」

「おい」


俺は地獄の底から湧き出るような声を出した。


「ひっ!」

「さっきなんで嘘をついた」


すると、急に土下座をしだす。

でかい体なのに、心小せえな。


「すいません!嘘をついたことは謝ります!だから、殺さないでください!」

「…………はあ、わかった。今は殺さねえよ」


俺は笑顔を見せ、そう答えた。


「よ、よかった」


男は安堵のため息をして、顔をあげる。


「知ってるんだったら、そいつの場所まで案内してくれ」

「わ、わかりました」


俺はそいつらについていった。




どうやら、黒の魔術師は偶然にもこの国にいるらしい。

あの場から少し離れたところの路地裏の道を通ると、怪しいオーラを放った建物があった。


「ここに黒の魔術師がいるのか」






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