第四十一話:鉄壁の副会長と、ちっとも隠せない妹愛
北方での激闘を終え、日常に戻ってきた桐花学園生徒会。
しかし、生徒会室の扉を叩いたのは、リサをそのまま小さくしたような銀髪の美幼女でした。
鉄壁の副会長リサ、まさかの完全崩壊――!?
第六章、開幕です!
私は生徒会長デスクに突っ伏し、山積みにされた羊皮紙と公的申請書類の束を前に、頭を抱えて唸り声を上げている。
指先で羽ペンを握りしめながら、すでに何十枚目かも分からない「北方演習場施設損壊報告書」へ半泣きでサインを走らせる。
「うわあああぁぁぁん! もう無理、指が腱鞘炎で爆発しそう! なんで!? お兄様を助けて軍の反逆者を捕まえただけなのに、なんでこんな紙束の山と戦わなきゃいけないのよ〜っ!」
その斜め向かい、リサは背筋をピンと伸ばして自席に座り、眼鏡のブリッジを指先でクイと押し上げながら、冷徹な手つきで書類の仕分けと検印を淡々と進めている。
「当然の義務です、会長。古代兵器を素手で粉砕した際の『衝撃波による演習場地盤沈下修繕費』、および無許可実戦介入に伴う『魔法省・特務監査課への事後決済申請書』です。公爵家当主たる者、1文字の誤字も1ペニーの計算ミスも許されません」
「リサの鬼! 悪魔! 氷結令嬢! ちょっとくらい『よく頑張ったねアイラ』って労ってくれたっていいじゃん!」
「労いはこの書類全48枚の検印が完了した後に、温かい紅茶と共に差し上げます。ほら、手が止まっていますよ」
リサに絞られる私を尻目に、中央の応接ソファとテーブルではいつもの平和すぎる光景が広がっている。
セナはソファに寝転がり、スカートを揺らしながらスマホで動画をチェックしつつ、テーブルの上の限定クッキーをポリポリとつまんでいる。
その横でタクトが腕を組み、呆れ顔でアイラとリサのやり取りを眺めている。
セリアは優雅な仕草でティーポットから全員分のハーブティーを注ぎ、ノアは魔導端末を膝に乗せて軽快にキーボードを叩いている。
「あはは! アイラちゃん相変わらずリサ副会長にケツ叩かれてんじゃん! ま、アタシら監査局への裏ルート報告はノアくんが全部改ざん……じゃなくて綺麗に清書してくれたから超余裕だけどね〜」
「改ざんではなく事実の最適化です。巨神機のログはすべて『突発的な炉心融解事故』として処理しましたから、学園側の過失割合は0.3%まで圧縮してあります」
タクトはさらに呆れ顔で言う。
「ノア、やってること普通に犯罪スレスレだからな? ……まあでも、無事に帰ってこられて良かったっすよ。雪原で戦車受け止めた時はマジで腕もげるかと思いましたからね」
「ふふ、皆様本当にお疲れ様でしたわ。本日は北方特産のヴァニラをブレンドした特製のリラックスティーを淹れましたの。アイラさんもリサさんも、ひと息つきませんこと?」
紅茶の香りに釣られて顔を上げた私は、長机から身を乗り出す。
リサが整えた書類の束から、一枚の私信……ギルバート直筆の公爵家書面を抜き取って確認する。
「あ、お兄様からの手紙……! 体調はもう大丈夫なのかな」
「ええ。セリア先輩の解毒アンプルと魔力賦活剤が功を奏し、帝都の療養施設で順調に回復しているとのことです。来週には騎士団の職務に復帰されるそうですよ」
「よかったぁ……。まあ、あの頑丈なお兄様がそう簡単にくたばるわけないけどね!」
タクトも感心したように言う・
「ギルバート殿が復帰すりゃ、軍部のタカ派の残党も手出しできねぇでしょうし、当分は平和っすね」
リサも冷静に言う。
「そうあってほしいものですね。学内の風紀維持と生徒会会計監査、放置していた日常業務の遅れを取り戻さねばなりませんから」
「うわ、出た! 真面目人間リサ副会長の仕事中毒発言! もうちょっと青春をエンジョイしなよ〜!」
リサは眼鏡を直しながらキリッと言う。
「ふん、仕事を滞りなく遂行することこそが我が家の誇りであり、私の矜持です。私には私情で職務を乱すような隙は一切ありません」
リサが胸を張り、「鉄の女」としての完璧な表情を浮かべたその瞬間。
トントン……と、生徒会室の重厚な木製扉から、ノック音が響く。
しかしその音は、普段の生徒や教師のノックとは明らかに異なり、ドアノブより遥かに下――床からわずか数十センチほどの、極端に低い位置から叩かれていた。
室内の全員がピタリと動きを止め、扉の足元へ視線を落とす。
「……ん? いまノック鳴ったよね? でも、ずいぶん下の方から……」
「来客っすかね? 俺、ちょっと見てきます」
「失礼のないよう対応しなさい。……こんな時間に誰でしょうね」
タクトがドアノブに手をかけ、ゆっくりと扉を開ける。
タクトがドアノブをガチャリと回し、重厚な扉を手前に引いて外の廊下を確認する。
通常の生徒の目線の高さには誰もいない。タクトが「あれ……?」と首を傾げて視線を下げた瞬間、床のすぐ上で大きな丸い瞳とバチリと目が合う。
そこに立っていたのは、足元まで届きそうな大きな革張りのキャリーバッグを両手で握りしめた、8〜9歳ほどの銀髪の幼女。
リサと全く同じ色素の薄いサラサラの水色髪を三つ編みにし、フリルのついた上等なケープ付きコートを着込んでいる。
タクトはあまりの小ささと想定外の光景に、ドアノブを持ったまま完全に硬直する。
「……えっ? あ、あの……迷子、っすか? ここ生徒会室だけど……誰かのおつかい?」
「タクト、誰だった? 先生? それとも書類の追加?」
「いや、それが……なんか、すっごくちっちゃいお嬢ちゃんが立ってて……」
開かれた扉の隙間から、幼女が室内にそろりと視線を潜り込ませる。
アイラ、セリア、ノア、セナがぽかんと見つめる中、幼女の大きな水晶の瞳が、執務机の前で直立していたリサの姿を捉える。
瞬間、幼女の顔全体が満開の花が咲くようにパァッと輝く。
引いていた重たいキャリーバッグの持ち手をパッと放り出し、トタトタトタッ!と短い足をフル回転させて生徒会室の絨毯を駆け抜けていく。
「――お姉たまぁぁぁーーーっ!! 会いたかったのですーーーっ!!」
「……は? お姉……たま……?」
私は思わず唖然とする。
「え、いま誰に叫んだの……?」
セナも同じく唖然としている。
駆け込んできた幼女が、一切の躊躇なくリサの制服のスカートにダイブし、腰元に両腕を回してぎゅっとしがみつく。
先ほどまで「私には私情で職務を乱すような隙は一切ありません」と冷徹に語っていたリサが、雷に打たれたかのように全身を硬直させる。
手に持っていた高級羽ペンが指先から滑り落ち、パサリと重要書類の山の上に転がる。
いつもは冷徹に光る切れ長の目が限界まで見開かれ、鼻梁にかけていた銀縁眼鏡が「ツルッ」と鼻先から滑り落ちる。
落ちかけた眼鏡を片手で慌てて押さえながら、口元をワナワナと震わせ、普段の凛とした美声とは似ても似つかない素っ頓狂な裏返り声を上げる。
「えへへ〜! やっと捕まえたのです! お姉たま、ちっともお家に帰ってこないから寂しかったのです!」
「……っ、あ……え……っ!? り、り……り、リリィ……!? な、なんで……どうしてあなたが、ここに……っ!?」
私は顎が外れそうなほど口を開けて呆然とする。
「……リ、リサ……? あなた、いま……裏返った声でなんて……?」
セリアも不思議そうに問いかける。
「まあ……? リサさん、その可愛らしいお嬢さんは……?」
膝の上の妹の頭に恐る恐る触れながら、リサの白い頬が瞬く間に茹でダコのように真っ赤に染め上がっていく。
いつもの冷徹な副会長のオーラは完全に消滅し、パニックで視線が右往左往と激しく泳ぐ。
リリィはリサの動揺など気にも留めず、甘えるように頬をリサの太ももにスリスリと擦り付けて満面の笑みを浮かべている。
その破壊的な光景を見た瞬間、ソファにいたセナの目がキラリと邪悪に輝き、ポケットからスマホを取り出す。
「ぶっ……! ちょ、待って待って待って!? あの『鉄の処刑人』リサ副会長が『お姉たま』って呼ばれて顔真っ赤にしてるんだけどーっ!?」
ノアも眼鏡を直しながらボソッと言う。
「……リサ先輩の生体バイタル、心拍数が通常の2.5倍を記録してます。完全に論理思考が停止してますね」
リサは真っ赤にした顔であたふたと言う。
「ち、違……っ! 皆様、これは……その、我が家の……っ!!」
「お姉たま! ぎゅーってしてほしいのです!」
「は、ひゃいっ……!!」
リリィの無邪気なおねだりに、完全に理性が吹き飛んで赤ちゃん言葉寸前の返事をしてしまうリサ。
リリィがリサの太ももに抱きついたまま、誇らしげにえっへんと小さな胸を張る。
「お姉たまがお仕事ばっかりでお家に帰ってこないから、リリィ一人で馬車に乗って会いに来たのです! すごいでしょ!」
その発言の重大さに気付いた瞬間、リサの顔から血の気が引いたかと思いきや、次の瞬間には耳まで真っ赤になって沸騰寸前のパニック状態に陥る。
「ひ、一人で……!? 帝都の本邸から桐花学園まで、たった一人で馬車を乗り継いできたというのですか!? 馬車の御者は怪しい男ではありませんでしたか!? 途中で不審者に声をかけられませんでしたか!? 怪我はありませんか!? 靴擦れは!? お腹は空いていませんか!?」
「ふぇ……? だ、大丈夫なのです。駅の親切なおじさんがここまで案内してくれたのです!」
リサは気が動転したように言う。
「親切なおじさん!? 事案です! 完全に事案です!! 即座に憲兵隊と魔法省に通報してその男の戸籍を洗わねば――ッ!!」
リリィを抱きしめながら、リサが生徒会役員たちへ向けて鬼気迫る形相で矢継ぎ早に命令を飛ばし始める。
「ノア! 室温を今すぐ0.5度上げなさい! リリィの指先が少し冷えています、風邪を引いたらどうするのです!」
「ちょっ、室温の0.5度微調整って……! エアコンの魔導基盤ハックしろってことですか!? 無茶言わないでください!」
「タクト! 窓のサッシからの隙間風を今すぐ偏向障壁で塞ぎなさい! 外気がリリィの肌に触れることすら許されません!」
「俺の偏向障壁、隙間風の目張りに使うんすか!? 対軍用魔術を防ぐ結界なんですけど!?」
「セリア先輩! 最高級の温かいミルクと、低刺激でアレルギー対応の焼きたてクッキーをお願いします! 今すぐに!」
「ま、任せてちょうだい! 胃腸に優しい特製の安眠ハーブミルクを今すぐ調合……ではなく淹れますわ!」
指示の内容が普段の合理的かつ冷静なものとはかけ離れ、過保護全開の無茶振りへと変貌していく。
命令されたタクト、ノア、セリアは目を白黒させて大慌てで対応に追われる。
リサがリリィを応接ソファーのど真ん中に恭しく座らせ、自分の制服の上着を脱いでリリィの肩に優しくかけてあげる。
さらにはリリィの頭をよしよしと撫でながら、溶けそうなほど甘ったるい表情を浮かべる。
「いい子ですねリリィ、えらいです、よく無事で来てくれました……よしよし、お姉ちゃんですよ〜」
その歴史的決定的瞬間を、セナが見逃すはずがなかった。
「ぶわっハハハハ!! ヤッバ!! ちょ、誰か見てこれ!! あの『鉄の処刑人』リサ副会長が『お姉ちゃんですよ〜』だってぇぇぇ!! 激レアお宝映像ゲットぉぉぉ!!」
ソファーの背もたれから身を乗り出し、スマホのカメラを至近距離で構えて激写&動画撮影を連打する。
そんなセナをリサはギロリと般若のような形相でセナを睨みつける
「……セナ。その端末のメモリごと、あなたの全身を絶対零度で凍結粉砕されたいのですか?」
「ヒィッ!? 顔はいつもの怖い副会長に戻った!!」
一方、私は執務机の前で羽ペンを握りしめたまま、信じられないものを見た顔で完全にフリーズしている。
ぽかんと口を開けたままタクトに言う。
「……ねえ、タクト。私、北方遠征の疲れで幻覚でも見てるのかな……? あの、他人に厳しく自分にも厳しい、規律の権化みたいなリサが……完全にデレデレのダメ人間になってるんだけど……」
「幻覚じゃないっすよ会長……。人はあまりに愛おしいものを前にすると、脳の防壁がぶっ壊れるってことっすね……」
セリアが差し出した温かいミルクのマグカップを、リリィが小さな両手で包み込むように持ち、ふーふーと息を吹きかけてコクコクと飲む。
口の周りに白いミルクのヒゲをつけたリリィが、「おいしいのです!」と天使のような笑顔を咲かせる。
「お姉たまのお友達、みんな優しいのです! ミルクも甘くておいしいのです!」
リサはハンカチを取り出し、震える手でリリィの口元を優しく拭う。
その無垢な可愛さに、騒がしかった室内が一瞬で静まり返り、殺伐としていた空気が一気にほんわかとした癒やしの空気に塗り替えられる。
セリアは微笑みを浮かべながら言う。
「あらあら、まあまあ……! なんて愛らしいお嬢さんかしら……!」
私もこんな可愛い姿見せられたらつい
「うっ……! か、可愛い……! ちょっと反則級じゃないこの破壊力……!」
なんて言ってしまった。
リサはさも当然かのように。
「当然です。私の妹ですから。世界で一番愛らしく、気品に満ちています
「はいはいシスコン乙〜! でもマジでリサ副会長にそっくりでちっちゃくて可愛い〜!」
ミルクを飲み干して一息ついたリリィが、ソファーの上でポンと手を叩く。
「そうだ! お姉たま、リリィね、お姉たまに会いに来る途中で、お土産を持ってきたのです!」
「お土産……ですか? リリィのそのお気持ちだけで、お姉ちゃんは胸がいっぱいですけれど……」
「えへへ、とっても綺麗なお土産なのです! えーっと、どこに入れたかな……」
肩から斜めがけにしていた、小さな革製のポシェットに手を伸ばす。
生徒会室のメンバー全員が微笑ましく見守る中、リリィがとんでもない「爆弾」を取り出そうとしているとは、この時の誰も予想していなかった。
リリィがポシェットのチャックを開け、中をガサゴソと漁り始める。
リリィが小さな両手をポシェットの奥深くまで突っ込み、「あったのです!」と誇らしげに掲げる。
取り出されたのは、大人の手のひらほどもある多面体の結晶石。
「じゃじゃーん! お父様の書斎の、開かずの金庫のすき間に落ちてたのです! キラキラしてとっても綺麗だから、お仕事頑張ってるお姉たまにあげるのです!」
室内照明の光を吸い込み、内部から禍々しくも幻想的な七色のオーロラ光――『極光』の魔力光を脈動させながら放っている。
石が現れた瞬間、生徒会室の空気が物理的にドンッと重く沈み込む。
リサも流石に唖然とする。
「……え……?」
私は目を見張り、椅子からガタッと立ち上がる。
「……う、嘘でしょ……!?」
ノアの膝の上の魔導端末が、けたたましい警告音を部屋中に鳴り響かせる。
画面いっぱいに真っ赤な『CRITICAL ALERT』が点滅し、ノアの顔から完全に血の気が引く。
「魔力波長、周波数パターン照合完了……! 間違いありません、北方演習場の地下で粉砕した『極光の巨神機』の主動力コアと完全に同質の古代術式反応です!」
セリアが手元の紅茶カップを取り落としそうになりながら、身を乗り出して結晶石を凝視する。
「古代魔導遺物――『極光の核石』ですわ……! 失われたはずの巨神機の制御キー現物です!」
「は、はぁぁぁぁ!? なんでそんな国家機密級の激ヤバ古代遺物が、ちびっ子のポシェットから駄菓子感覚で出てくんの!?」
リサは青ざめてリリィの両手をそっと包み、石から離そうとする。
「父が……失脚した旧軍部強硬派から裏ルートで買い取り、隠匿していた遺産……!? リリィ、これをどこから……!」
不穏げな様子を感じ取ったのか、リリィの大きな目がウルウルと滲ませ始める。
「ふぇ……? お姉たま、嬉しくないのです……? リリィ、悪いことしたのです……?」
「い、いえっ! 滅相もありません! リリィの気持ちは世界一嬉しいです! ただ、この石は少し……その……!」
泣きそうになる妹を前にして、怒ることもできずリサが再びパニックでオロオロと取り乱す。
騒然とする室内の中、窓際に立っていたタクトの魔導腕甲がキィィンと微細な共鳴音を立てる。
タクトがカーテンの隙間から夜の中庭、そして学園正門の方向を見下ろし、鋭い視線を走らせる。
「……おいおい、冗談だろ……。会長、外を見てください。お客さんのお出ましっすよ」
私は窓際へ駆け寄り、外の気配を睨みつける。
「……あいつら、あの石の魔力波長を追ってきたのね」
ノアが冷静に魔導端末を叩いて分析する。
「学園外周の第一防衛結界付近に複数の魔力反応。装備パターンから推測して、北方で壊滅を免れた『旧軍部強硬派の残党部隊』です。核石を奪還して古代兵器計画を再始動させる気です!」
「最悪じゃん! あいつら、石を取り返すためなら学園ごと火の海にする気満々のガチ武装部隊だよ!?」
不穏な空気を敏感に察知し、リリィがリサの制服の裾をぎゅっと握りしめて不安そうに瞳を潤ませる。
「お姉たま……?」と震える妹の頭を、リサが即座に抱き寄せて庇う。
こんな小さな子を追ってくるなんて性格悪い奴ら!
その妹の怯えた顔を見た瞬間、私とリサ、そして生徒会全員の瞳に、北方演習場の時以上の静かな「怒りの炎」が点火する。
私は不敵な笑みを浮かべ、ポンと手を叩いてリリィへ極上の笑顔を向ける。
「――なーんてね! 驚いた? リリィちゃん!」
「ふぇ……?」
「リリィちゃんが持ってきてくれたそのキラキラの石はね、今から始まる『桐花学園・夜の特別体験入学ゲーム』の超大事なお宝なんだよ!」
「たいけん……にゅうがく……?」
リサは私の意図を瞬時に察し、キリリと眼鏡を直す。
「……ええ、そうですリリィ。これから生徒会のお兄さんお姉さんと一緒に、学園の中を冒険するのです」
「外にいる黒い服の人たち? あれはね、お宝を奪いに来る『やられ役のお人形さん』! リリィちゃんを怖がらせるような悪い奴らは、お姉ちゃんたちがみーんな笑顔でやっつけちゃうからね!」
タクトは苦笑しつつ魔導腕甲の出力を静かに上げる。
「……了解っす会長。バイオレンスは徹底的に視界からカットする『過保護ガード任務』っすね」
「アタシが一番派手に盛り上げて、敵の視線もリリィちゃんの視界も全部ジャックしてやるよ!」
「わぁい! アトラクションなのです!」
と無邪気に両手を挙げて喜ぶリリィ。
そのリリィの無垢な笑顔の背後で、私とリサが一切の容赦のない冷徹な戦闘態勢へと移行する。
第六章開幕です!!六章のキーはなんとリサの妹!
デレッデレのリサいかがでしたでしょうか。
ドシスコンですね(真顔)
さぁこれから始まる残党部隊とのアトラクション!
さてさてどうなってしまうのか、乞うご期待!




