30/30
30話:怪物たちの邂逅
「……う、嘘でしょ。本当に、35万の軍勢を、
数分で無力化しちゃった……」
魔導マップの赤点がすべて「戦闘不能(緑)」に
変わるのを見て、ルナは自身の足の震えを
止められなかった。
どんな天才軍師であれ、これまでは
「物資の輸送時間」や「情報のタイムラグ」という
現実の壁に縛られていた。
しかし、アルスの『鑑定』と『空間物流』は、
ルナの頭脳が描いた理想の戦術を、1ミリの
遅延もなく「現実」へと具現化させたのだ。
「言っただろ、ルナ。お前の頭脳があれば、
俺たちの力はバグに変わるんだよ」
アルスがルナの頭を無造作にポンポンと叩く。
「な、なによそれ! べ、別にあんたとの相性が
最高だなんて、これっぽっちも思ってないんだからね! 私はただ、私の戦術が完璧だったって
証明しただけよ!」
真っ赤になってお馴染みのセリフを叫ぶルナだったが、その口元は、これまでにない達成感で満ちあふれていた。
不運の連鎖を、2人の天才の邂逅が完全に叩き潰した瞬間だった。




