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転生したら悪役令嬢の白豚パパでした!?~うちの子は天使で元恋人は最強騎士です?オーラを見極め幸せを掴め!~  作者: 緒沢 利乃
領地経営編 ②

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領主、司祭を求む

貴族の義務、ノブレス・オブリージュ。


貴族や高い社会的地位の者には義務が伴うこと。果たす責任が重いことを意味する言葉だ。

当然、今までのオールポート伯爵家がそんなモノを意識して過ごしているわけがない。自領の孤児院とか教会への寄付って善意と言いつつ義務だと思うけど、どうなってたの? 教えて、クラーク先生。


「教会への寄付はこちら主導で行っていました。……伯爵家からの指示は執事長のベンジャミン様が降格されてからはありませんでしたので」


俺と目を合わせないように遠いどこかへ視線を飛ばして答えるクラークに、苦笑して礼を言う。


「面倒をかけてすまんな。これからは伯爵家として行う。金額については領地経営の立て直し中だから、後で相談させてくれ」


そもそも、他の貴族たちがどれだけの金額を寄付しているのか知らんしな。


「オールポート伯爵領には東領のヴァゼーレと南領のリグーリに教会と小さな孤児院があります。領都クレモナは大聖堂と孤児院が併設されていますが……」


んん? なぜそこで口ごもる? クレモナに大聖堂なんて建っていたか? 俺は見たことないけど。


「ええ、プリマヴェーラ通りを真っ直ぐ南へ、噴水広場を越えた辺りに。セシル様は噴水広場までしか足を運ばれたことがないのでは?」


「そういやそうだな。噴水広場より南は元から営んでいた店が多いし、南領へ移動する馬車ばかりだったしな」


まだ、南と東の領地への視察へ行く余裕がないからな……。秋の社交シーズンを終えて戻ってきたら冬ごもりの準備があるし……そのあと春の社交シーズンはパスして他の領地でも見て回ろうかな?


「そこの大聖堂が問題なのです」


「んん? 大聖堂に問題って大変じゃないか。いったい何があったんだ?」


「大聖堂には……シスター二人しかいません。本来、教会本部から派遣される司祭様がおりません!」


「へ?」


オールポート領の領都にある大聖堂に司祭様がいない? いるのはシスター二人だけ? 孤児院も併設されているのに?


「ハハハ、嘘だろ?」


俺の亡くなった奥さんの時代からコーディたちに貪られていた最近までの、僅かな寄付金でどうやって賄っていたのさ。


「嘘ではありません。シスター二人のおかげでなんとかこなしていましたが……そろそろ限界です」


「そりゃ、教会の機能が止まったらどえらいことになるわ」


まずは結婚と葬式。それから生まれた子の洗礼とか? 他にもいろいろとあるだろう?


「何度も教会本部に後任の司祭様をと申請しているのですが、のらりくらりと躱され続けて十五年……」


クラークが悔しそうにクッと唇を噛みしめる。十五年ってクラークが役所に勤め始めるよりも前だろう。それよりも、そんなに前から教会に厭われている理由はなんだ?


どうも、元々大聖堂には徳の高い高名な司祭様が赴任されていた。その司祭様が老衰で亡くなられた後、後任が来ないらしい。シスターも神官見習いもいたらしいが、なぜか皆が教会本部に戻り新しい者は派遣されてこない。

残っているシスター二人はオールポート伯爵領の出身らしい。


「コーディたちの悪名が祟っているのかと、奴らを追い出した後にも申請を出しましたが、梨の礫でした」


うう~ん、これはシャーロットちゃんの汚名返上の前に、大聖堂の問題を解決しないといけない流れだぞ。


前の世界では無宗教でも困りはしなかったが、こちらの世界では何かとご厄介になる教会だから、無視はできない。しかもシスター二人で大聖堂と孤児院を切り盛りしていると聞けば、領主としてなんとかしなけばいけないと思う。


「正攻法で申請してダメなら、搦め手で攻めるしかないか……」


俺の頭の中には、シャーロットちゃんの婚約破棄騒動でお世話になったリベリオ大司教だ。あの爺さん別の領地のリトルトン侯爵にも知られている有名人っぽいし。兄上に頼んでリベリオ大司教様にオールポート領へ司祭様を派遣するよう教会本部に頼んでみよう。


こちらからの申請は再三再四出しているから、リベリオ大司教様から突っついてもらっても問題はないと思うが、派遣されない理由がわからないとリベリオ大司教様へのアプローチも変わってくるし……。


「クラークは教会に無視される理由を知らないんだな?」


「はい……役所で働く者には心当たりがないそうです」


ディーンも首を振るし、ここまで付いてきたトビーたちも困惑顔だ。


「ディーン。屋敷に戻るぞ。ベンジャミンかライラ。なんだったら王都のヴァスコにも確認してみる」


カッコよく立ち上がりたかったが、自分の重みに足の筋力が耐えられずボスンと尻もちをしたあとでこのセリフはカッコ悪かったかもしれない。

恥ずかしさに耳を真っ赤にした俺はトビーにシャーロットちゃんへの伝言を頼んで、一足先にディーンと屋敷へと戻った。


























なんだって?


「ですから……このオールポート領が教会から忌み嫌われているのは、ルチア様とセシル様との結婚を無理やりに進めたせいです」


屋敷に戻ってからベンジャミンとライラに大聖堂の司祭不在の話を振ったら、とんでもない答えが返ってきた。


「俺の結婚が原因?」


「いいえ。先代がお嬢様……ルチア様の結婚を成就させるために悪徳司祭を引き入れて、違法スレスレの婚姻を認めさせたことです」


つまり、本来ならハーディング侯爵家からオールポート伯爵家との婚姻を認めないよう教会に願い出ていたにも関わらず、教会から放逐される寸前の司祭を使って婚姻を認めさせた行為が教会の信頼を失墜させたってこと?


「俺……被害者じゃないか」


理不尽じゃないか? 俺はその件では被害者なのに、いま教会から意地悪されているのも俺が治める領地だぞ?


くそっ! こうなったらリベリオ大司教様に泣きついて立派な司祭様をゲットしてみせる!

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