↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら悪役令嬢の白豚パパでした!?~うちの子は天使で元恋人は最強騎士です?オーラを見極め幸せを掴め!~  作者: 緒沢 利乃
陰謀編 社交シーズン春②

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

191/213

伯爵、奴の本性は……?

ラファエル・プレイステッド。プレイステッド辺境伯の二子で領地で生活している。特に領地経営に携わっているとか、騎士団に関わっているとかも聞かないので、領地で何をしているのかは不明。そもそも辺境伯は王都から離れているため、社交についてはほぼ免除。転移の魔道具はあるけど、滅多に王都には足を運ばない。秋の社交シーズンも代理の者ですべて済ます。


「王都に来る唯一は、爵位の引継ぎの手続きのとき。あれは代理では無理だから」


イライアス様の話によると、爵位を継ぐときは書類の提出だけでなく陛下に面会する必要があるので、本人じゃないと認められないらしい。……俺、陛下に面談したの?


「セシルの場合は婿養子で、今はシャーロットが成人するまでの代理だから陛下との面会は必要なかった。シャーロットが伯爵位を継ぐときは陛下の面会が必須だぞ」


コツンと拳で軽く俺の頭を叩いた兄上は、呆れた表情ながらも丁寧に説明してくれた。そうか……セシル君は陛下とは面会してないのね。まぁ、白豚の状態で面会したら、人違いだと誤解されて捕まって牢に入れられたかもしれないから、それでよかったけど。シャーロットちゃんのときは面会しなきゃダメか……。


「じゃあ、あいつはなんで王都に来たんだ?」


俺と会いたかったって本心かな? プレイステッド家はウェントブルック家に喧嘩を売っている状態だ。あの腹黒い覇王ルイス殿が、何も報復しないで済ますわけがない。水面下ではいろいろとやり合っているのかもしれない。


「だったら、俺じゃなくてルーカス狙いじゃないか?」


王国最強の騎士であるルーカスに何ができるか知らんが、プレイステッド家が本当にウェントブルック家に喧嘩を売っているなら、ラファエルが王都に来た目的はルーカスじゃないのか? なぜ、俺に会おうとする? 怖いんだけど?


ブツブツと呟く俺の顔を心配そうに覗き込む兄上と目が合って「びゃあ」と変な声が出た。そ、そうだった、ウェントブルック辺境伯領で起きた馬の魔獣の黒幕がプレイステッド家かもしれないことは内緒だったんだ。当然、兄上たちハーディング侯爵家にも報告してないし、ベンジャミンやシャーロットちゃんも知らない。ルイス殿かルーカスから王家に報告しているかもしれないが、俺としては関わりたくないので、知らなかったことにしたい。


「大丈夫か、セシル?」


「う、うん。でも、俺はあんまりプレイステッド家とは関わりたくないんだ。あいつは領地経営に興味があって、俺と話したいらしいけど……そうなったら兄上にお願いしてもいいかな?」


コテンと首を傾げてかわいくお願いすれば、兄上はニッコリと笑って……たぶん笑っている。満面の笑顔だと思う。厳つい顔だから怖いけど。


「ああ、任せなさい。そちらにプレイステッド家から何かあったら、ハーディング侯爵家に連絡があるように手配しておく」


それは、ヴァスコと連携を取るってことですね? まさに鬼に金棒。お兄様、是非にお願いしまーす!


「僕だってあの手の奴とは近づきたくないけど……しょうがない。セシルに任せていたら、うっかりプレイステッド領に攫われているかもしれないし」


ニヤッと笑うイライアス様へ、俺はヘラヘラと笑って応える。こ、怖いことを言う兄嫁だなぁ。


「俺は先に帰ります。挨拶は済んでいるし、夜も遅くなるので」


本当はこれから出てくるスイーツを全品味見したかったが、我が身がかわいい。俺は一度、目を閉じてゆっくりと開く。これで、余計なモノは見えなくなった、


兄上たちと別れて馬車に乗り込むとき、俺は振り返って王宮を見上げた。夜会でひっそりと咲く可憐な花を装いながら毒針を仕込む蛇の姿が見えた気がした。


……ラファエル・プレイステッド。


奴の「(オーラ)」は……真っ黒で瞳が血の赤に染められた巨大な蛇だった。シャーと口を開けチロチロと先分かれた舌が獲物を狙う、黒い蛇だったのだ……。
























ピクッ。


利き手が剣の柄を掴もうと一瞬反応した。


「どうしました、副団長?」


春の社交シーズン。その始まりともいえる王宮で催される夜会の警護の任務にあたってしまった俺は、無粋な部下を数名連れて裏庭の見回りに来ていた。こんな場所に誰がいるというのか……いるのだ。夜会を抜け出した貴族のバカどもが、ここで禁断の愛を囁いたり、身分を笠にきて無体を働いたりするのだ。


だから、騎士が見回っている。毎年、毎回、騎士の見回りで不埒な愚か者が捕まっているのに、なぜか愚行が絶えない。この国の貴族は大丈夫だろうか?

国の行く末にそっとため息を吐いて、ピシッと背筋を伸ばす。


「問題ない。次の場所へ行くぞ」


「「ハッ」」


そのとき、目の前にヒラヒラと黒と赤の蝶々が飛んでいった。いや、気のせいだろう。夜闇に紛れて黒い蝶々など……。フルリと頭を振って夜陰に目を細めてみれば、やっぱり蝶々など飛んでいなかった。


「副団長?」


「いや……なんでもない」


「やっぱり、夜会に警護の任なんて……パートナーさんが怒って喧嘩になりましたか?」


「怒ってないし、喧嘩もしていない。真面目に任務に就くよう諭された」


「……」


さて、今度は馬車を停めている方へ足を伸ばそう。毎回、暇を潰しに御者たちがカードゲームに夢中になり、刃傷沙汰に発展する場所だ。


そして、その馬車止めに見慣れない紋章の馬車を見つけ、俺の胸はザワリと軋んだ。


プレイステッド辺境伯家の紋章……。なぜ、いま王都に?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。