37 高馬 Day4
「この近くにご飯屋さんってあるの?」
「んー・・・少し歩いたところにガストがありますよ」
「ガストしかないの?」
「えっと・・・唐揚げ専門店がありますね」
「・・・ちょっと調べてみるよ」
支倉さんは立ったままスマホを触りだした。少し苛立っているのかわからないが軽く口元を触っている。俺はふと思いついて始末に困ってた100円ライターを渡してみた。支倉さんは慣れたようにポケットから煙草を取り出し、火をつけた。そのまま椅子に座り、きょろきょろしたのち、俺と目が合った。
「・・・」
「・・・これはっ、その」
支倉さんは慌てて自分のスマホカバーで火を揉み消した。火の消えた煙草の嫌なにおいが部屋に漂う。
「・・・」
「・・・別に何も言いませんよ。煙草くらいでとやかく言うほど神経質じゃあない」
「・・・ごめんなさい」
「何に謝ってるのか知りませんが、気にしませんよ」
「・・・・・・お姉さんが吸ってて、それで私も吸うようになったの」
・・・心底どうでもいい。
「そうなんですね」
「・・・お、怒ってる?」
「や、別になにも思ってないですよ」
支倉さんは泣きそうな顔で俺を見ている。俺は食器棚から使ってない平皿を置いた。
「・・・引いた?」
「別に」
「・・・ごめん、今日は帰るよ。ごめんなさい。これでちゃんとしたご飯食べて」
机の上に2万円を置かれた。慌てて返そうとしたら抱きしめられた。体が途端に動かしにくくなる。
「受け取って。これは部屋で煙草吸った迷惑料でもあるから。隠しててごめんなさい」




