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吉田先生  作者: 和kazu
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とある山奥の村

この話の内容は約20年前からいつも頭の中に浮かんでいました。特にラストシーンの場面が鮮明に映像となって現れていました。お風呂に入るたびに、このラストシーンの映像が頭の中で流れ、自然と涙が流れていました。「なぜいつも、この映像が無意識に流れるのだろう?」と思っていました。そして今回、この話を小説にして書いてみようと思いました。きっかけは何だったんだろうか、スイッチはいつ入ったのかは覚えていませんが、多くの人に読んでもらって、少しでも感動していただけたらと思います。

「僕たちが全国大会で金賞を取ったら、村にダムを造らないと約束して下さい!」


 この言葉がすべての始まりだった。



とある山奥の村



 僕の名前はヒロト。いきなりだけど、僕はもう、この世界には存在していない。世間で言われている「幽霊」なのかもしれない。


 ここは関西のどこかにある山奥の村。自然に囲まれていて、空気も水も野菜もすごくおいしい。僕はピーマンやトマトはあまり好きじゃないけど、この村が本当に好きだった。村の人たちはとても親切で、村特有の村人全員がお互い「家族」みたいな付き合いがあるところも好きだったかな。まあ中にはちょっと変わった人も居たけどね。


 でも僕はもう、ここには居ないのだ。


 この村は今、とても大きな問題に直面している。突然のダム建設の話だった。もちろん村の大人たちは大反対だったけど、どうやらその反対も受け入れてもらえなくて、建設の話がどんどん進んでいるみたいだ。僕たち子供にはもちろん、どうすることも出来ない。ただ大人たちが決めたことに、従うしか出来なかった。でも本当に悲しい。この村がダムの底に沈むなんて考えたくもなかった。


 僕の学校でも最近ではダムの話が、あっちでもこっちでも、色々なところから聞こえてくる。子供にとっても深刻な問題だ。「ダムが出来ることで、学校も閉鎖されるかもしれない」とうわさがあり、そうなれば、僕たちは違う学校に転校することになるからだ。


 でも、もっと悲しいことは、この大好きだった村から離れないといけないことだった。


 ダムの話で村中が騒然としている中、僕は「あの人」と偶然出会ってしまったのだ。

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