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「じっとしててね」
真里沙俺の正面に回ると俺の両肩に手を当てた。
「ちょっと熱いわよ」
言ったそばから彼女の両手のひらがどんどん熱くなっていった。
とてもじゃないが、生身の人間の体温ではない。
俺は少し身をよじった。
「動かないで! 死にたくなかったら」
真里沙が今までに聞いたことがないほどに強く言った。
俺の動きは完全に止まった。
「死にたくなかったら」という一言が効いたのだ。
まだ二十歳になったばかりだと言うのに、死にたくなんかはない。
でもかなり熱いことにはかわりがない。
じっと我慢するのもなかなかにきつい。
いつまでこうしていればいいのかと真里沙に聞こうとしたら、彼女が手を離した。
「終わったわ。多分軽く火傷をしているから、シャワーでも浴びて冷やしてくるといいわ」
俺は何も言わずに風呂場に行き、シャワーしばらく浴びた後、居間に戻った。




