その6
言ってしまった。言ってしまったよ私。
どうせ断られるだろうこんな事言っても。でも凄く断られたくない。
私の事だけを見てほしいって思っている自分がいる。
今までの苦笑いを許してほしいっていう自分がいる。
そう思うと涙が止まらない。
辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い
「美紗」
「ふぇ?」
いきなりだったので微妙な返事をしてしまった。
恥ずかしい…
「俺、やっぱ深雪さんのこと好きだ。」
「…。」
だよね。やっぱそっか。うん。
「でもな」
「…?」
「お前の事嫌いじゃないし、落ち込まないでくれ、抱え込まないでくれ、頼む…!」
「…」
唖然。
私はやっとのことで笑顔を作り、口を開く。
「それって隼人のエゴじゃん」
「う…まぁ、それはそうだけど…」
…もう、
「しっかたないなぁ!!」
まるで未練を断ち切るかのように大声を出した。
「今までどれだけ私が隼人のエゴに付き合って来たと思ってんの?今回も付き合うだけ付き合ってやりますよ!」
「美紗…」
あー、吹っ切れた。あー、悲しい。あー、頑張ろう。
そう思いながら、自分に最後と言い聞かせ、隼人に近づき、ぎゅっとすがる。
「…。」
いきなりすがられて唖然としている隼人に叫ぶ。
「これが最後だから!!!」
隼人は少しびっくりした態度をとった後、ゆっくりと私の頭を撫でた。