第1巻 第132讃歌 雷神インドラ・パルヴァタ讃歌(勝鬨と分配篇
1 恵み深きインドラよ、
いにしえの戦において
汝に助けられたる私たちは、
今ふたたび戦いの中で、
私たちに挑む男たちを
屈服させ、
私たちに戦いを挑む男たちに
勝利せんことを。
今まさに、
間近に迫るこの一日に、
ソーマの祝汁を注ぐ者を
祝福し給え。
この私たちの祭祀において、
私たちは己の力を示し、
戦利品を、
戦いの果ての実りを、
分かち合うのだ。
2 光を勝ち取る戦いにおいて、
惜しみなく施す者の呼び声に、
早朝に起きる者の、
精励する者の、
正しき供物の席において。
インドラは、
誰もが頭を垂れて
崇めねばならぬあの敵を、
私たちの知る通りに
屠り去った。
汝のすべての
慈悲深き贈り物が、
私たちのために
集められますように。
然り、善き御方である汝の、
あの善き贈り物が。
3 この糧は、いにしえの
祭祀の如くに、
汝のために熱く輝いている。
その席で人々は、
汝を祭祀の場所の
選定者とした。
汝こそが、その場所を
選び取るがゆえに。
言葉を発し、
それを私たちに知らしめ給え。
人々は光の光線とともに、
その内奥を見つめている。
インドラは真実に、
戦利品を追い求める者、
己の同盟者のために
戦利品を狩る者なのだ。
4 汝のあの偉大なる業は、
今も、いにしえの如くに
称えられねばならない。
汝がアンギラス一族のために、
あの牛の柵を
鮮やかにこじ開け、
助けを授けながら、
その柵をこじ開けた時の如くに。
それと同じやり方で、
今ここにいる私たちのために
戦い、勝利を収め給え。
祝汁を注ぐ者の元へ、
法に背く者を、
私たちに怒りを向ける
あの不届き者を、
引き渡し給え。
5 知恵ある策を携えて、
英雄が
人々を率いて進むとき、
彼らは秩序ある戦いの中で、
栄誉を求め、
飢えた獣の如くに
前進して勝利を掴む。
苦難の時に、人々は
子孫と、力に満ちた
生命を求めて彼に歌う。
彼らの賛歌は
インドラの元で
心地よき安息の場所を見つけ、
その歌は、
神々のもとへと
昇りゆくのだ。
6 私たちの戦いの覇者たる、
インドラとパルヴァタ(Parvata)よ、
私たちに戦いを挑まんと
欲する者を、
誰であろうと追い払い、
あの雷撃をもって、
彼らを遥か彼方へと
追い払い給え。
遥か遠くに身を隠した
あの敵にとっても、
見つけ出したその隠れ家が、
最後の場所となるだろう。
切り裂く神よ、
私たちの敵を
あらゆる方向で引き裂き、
英雄よ、彼らを
至る所で引き裂き給え。
解説
神と人間がひとつの戦列を組み、戦いの勝利だけでなく、その後に待つ「果実の確実な分配」までを鮮烈に描き出した、非常に現実的で力強い構成の讃歌です。
* 1–3節:勝利の果実の分配と、場所を選ぶ知恵
1節から「戦利品を分かち合う(divide the spoil)」という言葉が力強く響きます。ただ命懸けで戦うだけでなく、その成果を共に闘った仲間と正当に分配することこそが、共同体を維持する掟でした。3節では、インドラが「祭祀の場所を選ぶ者」として描かれます。人々が内なる光の光線によって神の本質を見つめるなか、インドラは常に「己の同盟者のために富を狩る者(spoil-seeker for his own allies)」として、その約束を違えぬ絶対的な相棒であり続けます。
* 4–6節:不届き者の引き渡しと、隠れ家の粉砕
4節では、かつて先祖たちのために牛の柵を開放したインドラの偉大な業を引き合いに出し、「今、目の前にいる、私たちを害する不届き者をこちらに引き渡せ」と直球で要求します。5節の、知恵あるリーダーに率いられた男たちが「秩序ある戦い(ordered battle)」の中で前進していく様は、規律ある軍隊の美しさを感じさせます。そして6節、山の神パルヴァタ(Parvata)と共に放つ雷撃は、遥か彼方の隠れ家に身を潜めた敵の悪意さえも、その場所ごと徹底的に叩き潰し、四方八方に引き裂くという圧倒的な一喝で幕を閉じます。




