↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リグ・ヴェーダ 詩訳 ― 火の神が歌う世界の始まり  作者: はまゆう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
49/66

第1巻 第175讃歌 インドラ讃歌(ソーマの歓喜と太陽の車輪奪取篇)

1

歓喜し給え。

栗毛馬の主よ、汝の栄光は飲まれた、

あたかも鉢(杯)の活気あふれる蜜のご特に。

強大なる汝のために、強大なる飲みソーマがあり、

強大にして、勝利を勝ち取るに全能なり。

2

我らの至高なる、歓喜させる強き飲み物が、

汝のもとへ行かんことを。

勝利に満ち、インドラよ!

獲得をもたらし、

不滅にして、戦いにおいて打ち勝つものが。

3

戦利品の獲得者、英雄たる汝は、

人間の戦車を急速に駆り立てる。

炎をもって器を焼くがごとくに、

法なきダシュ(悪魔・敵対者)を焼き尽くせ、

征服者よ!

4

己自身の威力によって授能され、

賢者たる汝は、

ソーリヤ(太陽)の戦車の車輪を盗み取った。

汝は風の馬らとともに、

シュシュナ(枯渇の悪魔)への死として、

クツァを運んだのだ。

5

汝のうっとりとする歓喜は最も強大であり、

汝の活動的な力は最も燦然たり。

それをもって、敵を撃ち殺し、至福を送り、

汝は馬らを勝ち取るにおいて至高なり。

6

インドラよ、汝が古の歌い手たちにとって、

喉乾く者への水のごとくに、

常に歓喜であったように。

我がこの祈り(招請)を、

汝に向かって歌おう。

我らが十分な豊穣の中に、

活力を与える食べ物を見出さんことを!



解説

第175讃歌は、主神インドラに捧げる全6節の疾走感あふれる短尺讃歌だ。

ソーマ酒の極上の酔い(狂喜)によって覚醒したインドラが、太陽ソーリヤの車輪を奪い取り、風の馬で英雄クツァを乗せて悪魔シュシュナを討つという、ヴェーダ神話屈指のダイナミックなエピソードが凝縮された一曲です。

全6節という研ぎ澄まされた構成の中に、主神インドラの真骨頂である「ソーマ酒による覚醒」と「太陽の車輪の奪取」という神話的ダイナミズムが凝縮された傑作讃歌です。

* 1–3節:神を覚醒させるソーマ酒と、敵を焼き尽くす炎

1〜3節では、人々の捧げたソーマ酒(強き飲み物)がインドラに与えられ、その栄光と威力が極限まで高まる様が歌われます。覚醒したインドラは、あたかも炎が土器を焼き尽くすかのように、法を無視する邪悪なダシュ(敵)を焼き払います。

* 4–6節:太陽の車輪を盗み、渇きを癒やす命の水となる

4〜6節は本讃歌のハイライトです。インドラは自らの神威で太陽の戦車から車輪を奪い取り、それを武器・推進力として使います。風の馬に英雄クツァを乗せて悪魔シュシュナを撃破する大功績が描かれ、最後は「砂漠で喉が渇いた者にとっての水のごとく、インドラこそが人々の歓喜である」と讃えて締めくくられます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。