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リグ・ヴェーダ 詩訳 ― 火の神が歌う世界の始まり  作者: はまゆう


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3/31

第1巻 第130讃歌 雷神インドラ讃歌(職人の歌と勝利篇)

1 インドラよ、

遥か彼方から、

英雄たちの主が

男たちを率いて

集う場所へ行くが如くに、

あるいは王が

わが家へと還る如くに、

私たちの元へと

来たり給え。

私たちは心地よき糧と、

注がれたソーマを携え、

汝を呼び求める。

子供が父親を招く如くに、

最も惜しみなく恵む汝が、

さらなる力を得るために。

2 石で搾られ、

器から注がれたソーマを、

インドラよ、飲み干し給え。

まるで渇ききった牡牛が、

湧き出る泉を

飲み干す如くに。

汝を歓ばせる、

あの甘美なる祝杯、

汝の力をみなぎらせる

至高の潤いのために。

汝の栗毛の駿馬よ、

毎日、太陽を運ぶ如くに、

汝をここへと連れてこい。

3 彼は、天から運ばれ、

岩の奥深く、

果てしなき岩盤の奥に、

まるで鳥の雛の如くに

隠されていた財宝を

見つけ出した。

最高のアンギラスであり、

雷撃を手にする彼は、

牛の柵を勝ち取る如くに

戦い抜いたのだ。

そうしてインドラは、

隠されていた糧を、

その隠された扉を、

鮮やかに暴き出した。

4 雷撃を両手でしっかりと握り、

インドラは、

その刃を極限まで研ぎ澄ます。

それはまるで、

大蛇アヒを屠るための、

鋭き肉切り包丁の如くに。

威厳と力、

そして王たる権能に

満たされたインドラよ、

汝は木々をなぎ倒す。

まるで職人が斧を振るい、

巨木を切り倒す如くに。

5 インドラよ、汝は

何の手間もなく、

あの洪水を解き放ち、

自由な流れを与えた。

それはまるで、

戦車がその威力を誇り、

海へと疾走する如くに。

流れ出した水は、

一つの永遠なる目的のために

その力を結集する。

それはまるで、

人間のために

すべてを注ぎ出す

あの恵みの牛たちの如くに。

6 富を求める男たちが、

汝のために

この歌を創り上げた。

それはまるで、

熟練の職人が、

歓びのために

戦車を組み立てる如くに。

詩人よ、

汝を美しく飾り立てる。

まるで気高き駿馬が、

己の力を示し、

すべての栄誉を

勝ち取るために

駆け抜ける如くに。

7 汝を崇める者のために、

舞踏のインドラよ、

汝はその雷撃をもって、

従僕ディーヴォダーサのために、

九十の砦を打ち砕いた。

強大なる彼は、

アティシグヴァのために、

シャンバラ(魔王)を

山から引きずり下ろし、

その偉大なる財宝を、

己の力で分配したのだ。

8 戦いにおいて、

インドラは

アーリヤの崇拝者を助ける。

いかなる戦い、

天の光を勝ち取る戦いでも、

彼は百の助けを

その手に携えている。

秩序なき者を苦しめ、

彼はマヌの子孫に、

あの(敵の)黒い肌を

引き渡した。

激しく燃え盛る火の如くに、

彼は強欲な者を、

圧政を敷く者を

焼き尽くすのだ。

9 暁とともに

その力をみなぎらせ、

彼は太陽の車輪をも

毟り取った。

赤く輝く力強き主は、

敵の言葉を、

その喋る力を

奪い去る。

賢者たる汝が、

私たちを助けるために、

遥か彼方から、

ものすごい速度で

駆けつけてくれた如くに。

10 私たちの新しい賛歌によって

称えられた、

武勲に満ちたる汝、

砦を打ち砕く者よ、

私たちの力を強める助けで、

私たちを救い給え。

ディーヴォダーサの一族に

称えられたインドラよ、

天が日を重ねて

巨大になる如くに、

汝の栄光はいよいよ

増大するのだ。



解説

雷撃の威力、押し寄せる洪水、そして「言葉を紡ぐことへの職人的な誇り」が美しく描かれた、非常に創造的な輝きを放つ讃歌です。

1–5節:劇的な躍動感と、職人の「斧」

4節の、インドラが雷撃を両手で構え、研ぎ澄ます場面の描写が最高に劇的です。ここで雷撃が「肉切り包丁」に例えられ、木々をなぎ倒す様子を「熟練の職人が斧で大木を切り倒す」と描写する感覚。ただ乱暴に暴れるのではなく、そこに「卓越した技」を重ね合わせているのが、実に洗練された美意識です。

6節:言葉を構築する「職人」たちの讃歌

ここがこの詩の心臓部であり、最も華やかな場面です。「熟練の職人が完璧な戦車を組み立てるように、男たちは歌を創り上げた」という表現。古代の詩人たちは、神へ捧げる歌を「ただの思いつき」ではなく、極限まで計算し、美しく、頑丈に組み上げる「専門的な職人仕事」だと定義していました。そしてその言葉は、栄誉を勝ち取るための「駿馬」のように美しく飾り立てられます。

7–10節:圧政を焼き尽くす圧倒的な勝利

7節でインドラを「舞闘の神」と呼ぶのが非常に印象的です。戦場を舞うように駆け抜け、九十の砦を木っ端微塵にする速度。画像のように鮮烈な、言葉の力を奪う「太陽の車輪の奪取」や、強欲で傲慢な支配者を激しい炎で焼き尽くす構成は、抑圧された人々が新しい朝の光とともに立ち上がる、力強い生命力に満ちています。


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