第1巻 第147讃歌 火神アグニ讃歌(二枚舌を退ける護り篇)
1 いかにして、アグニよ、
輝く神々は熱望し、
生きる者の活力を汝に授けたのか。
両側(天と地)において
種子と子孫を育み、
神々が聖なる法則の成就を
歓べるように。
2 私のこの言葉に心を留め給え、
神なる御方、最も若き者よ!
最も惜しみなく捧げる者により、
汝へともたらされた言葉に。
ある者は汝を憎み、
ある者は汝の称賛を歌う。
汝を崇める私は、アグニよ、
汝の姿を称えるのだ。
3 汝の護りの光線は、アグニよ、
彼(盲目の聖者)を見た時、
盲目のママテーヤ(Māmateya)を
苦難から救い出した。
あらゆる富の主は、虔なる者を護られた。
彼らを傷つけんと欲した敵どもは、
何の危害も加えることができなかったのだ。
4 祈りを捧げぬ罪深き者、アグニよ、
供物を捧げることなく、
二枚舌(裏切り)をもって私たちを傷つける者――
この者にこそ、今度は
重き罰が下されますように。
己の悪口雑言によって、
彼自身が苦しみ悶えますように。
5 然り、死すべき人間が、知っていながら、
勝利者よ、二枚舌をもって
同胞の人間を傷つける時。
称えられしアグニよ!
汝を称える者を、その者から救い給え。
私たちを災いと苦難の中に
引き入れ給うな。
解説
二枚舌の悪意を跳ね返す「絶対の光輝」
全5節という研ぎ澄まされた言葉の中に、火神アグニが「真実を語る者を裏切りや悪意から護り抜く正義の盾」として描かれている厳かな讃歌です。
* 1–3節:盲目の聖者を救う不滅の光線
1〜2節では、万物に生命力を与えるアグニへ真摯な言葉が捧げられます。世の中には敬う者もいれば憎む者もいるが、自分は真っ直ぐにアグニの真実の姿を讃えるのだという固い誓いが立てられます。3節に登場する「盲目のママテーヤ」とは、ヴェーダの有名な大聖者ディールガタマス(Dīrghatamas)のことです。彼が敵の企みによって苦難に陥った際、アグニの護りの光線が彼を救い出したという神話が提示され、真実の祈りを捧げる者への絶対的な加護が語られます。
* 4–5節:二枚舌(不誠実)への裁きと不退転の防護
4–5節のプロットは非常に現代的で鋭利です。表裏のある「二枚舌(double tongue)」や裏切り(double-dealing)をもって真摯な表現者を貶めようとする者に対し、その悪口雑言や悪意自体が自らを苛む重い罰となって跳ね返るよう祈られます。偽りの言葉を排し、ただ真実の輝きのみを信じる情熱が、力強いビートとなって響き渡ります。
4–5節の「不誠実な二枚舌や中傷に対して惑わされることなく、真実の光をもってその悪意を跳ね返し、誇り高く己の言葉を護り抜く」という力強い讃歌です。




