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テンプレ世界を旅する高校生  作者: ライ焼き
始まりの世界

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3/5

え、その展開ってあり?

 陽磨は昼過ぎに目を覚ました。

「ふぁぁ」

「やっと目を覚まされた様ですね」

「ん?レイナか……」

(あれれぇ?この感触はまさか……)

 空を見上げた俺は視界が大変立派な双丘に覆われたうえで、後頭部があまりにも心地よい。もういっそのこともう一度寝てしまおうか……なんて考えていたが、現実はそう甘くなく、

「目を覚ましたのなら、早く起き上がってください。急がないと、また野営することになりますよ〜」

 それでもなお、動こうとしない俺を見兼ねたレイナは無理やり俺を膝から下ろして、バケツ一杯の水を被せてきた。

 久しぶりに魔法で出していない水を浴びた陽磨は少しだけ笑みを浮かべて、もう一回欲しそうに口を開けた。

 すると、今度は魔法で出来た氷を口いっぱいに詰め込まれた。

 慌てて、俺はヒートウォーターと喉から出すようにか細い声で言い、口にお湯を含ませてなんとか氷を溶かしきった。

 やっぱり、魔素を含んだお湯も氷も不味くてしょうがない。

(あれ?)

 ここでふと、俺は小さな違和感を覚えた。さっきの氷って魔法で……

「え!?レイナって魔法が使えないんじゃ……」

 あぁとレイナは両手をパチンと合わせて言った。

「私はですね、成長邁進という特殊なスキルが生まれたときからありまして…これで新たな魔法を覚えたんですけど、このスキルは少々難ありでして……」

「……」

 俺は目で続きを促した。

「実は、スキルの獲得条件がとても難易度が高くて今まで一度もクリア出来たことがなかったんですよ。それで、今回の初級氷魔術を覚えた条件が地上から五百メートルの高さを五秒間維持するといったもので、本来は飛行魔術なんてのは魔族にしか使えないので、こんなクリア方法は想定されてないと思います。でも、成長邁進の他の効果の経験値1.5倍やレアドロップ率増加などの魔物を倒す時の恩恵はあります」

 俺は思案した………この成長邁進スキルがあれば、レイナを俺以上に強くできるのかな……いや、時間が出来たらでいいかな…

「それで?早速手に入れた魔法を使ってみたかったから、これを機に使ってみたと……」

「申し訳ありません。ついうっかり……」

「ついうっかりか〜なら仕方ないな」

 俺は美人にも美少女にも弱いらしい。


 まぁざっと五日あるし、とりあえず街に入ろうか。

 結界を解除した陽磨は立派な城壁の門の前に並ぶ商人や冒険者を一瞥してから、並んだ。

「あ、そうだ。街中でよく分からない言いがかりはつけられたくないし、お互いにタメ口で話そうか、レイナ。」

「恐縮ですが…主様の望みとあらば、タメ口にします。」

 レイナは少し悲しそうにした表情を浮かべていたがこればかりは仕方ない。


 テンプレ世界と言うぐらいだから、トラブルでも起きるかと思ったが無事に街に入れて良かった良かった。と、胸を撫で下ろした。

 そして、陽磨とレイナは目的のギルドへ赴いた。

 入るの緊張してきたな…まぁ俺だってどちらかと言えば陰キャだしこれくらいは勘弁して欲しい…

(こっそり入って、受付嬢的な人に声を掛けるだけ……)と、心の内で二回三回と復唱しつつ木製の扉を開いた。

 こんにちは〜と、笑顔で迎えてくれる受付嬢の元へ歩みを進めた。

「ギ、ギルド証の発行を頼む」

「はい、ギルド証の発行ですね。応接室へご案内致します」

 は〜いと、俺は大人しくついて行ったが、道中で新たなミッションが生まれた。

 それは、梅ミッションで内容としてはギルド証発行の際の持ってるスキルやレベルなどを偽れといったものだった。

 まぁこれくらいは隠蔽スキルを持ってるから余裕クリアだな。

 ということで、隠蔽スキルを使った状態で応接室へと入った。

「失礼します」

「では、この魔晶球に手をかざしてください」

 俺は、全ての初級魔術を使える風属性魔法使いということにしておいた。ちなみにレイナは氷魔術しか使えないので、偽らずにそのまま登録しておいた。

 一通りの手続きを済ませた二人はギルドから一ヶ月間貸し出された宿屋に来た。


 ふぅ、一段落ついた〜とベッドに仰向けになった俺は早速、ミッションのクリア報酬を確認してみた。

 まず、一つ目はメインミッションのクリア報酬で貰えたのは界渡り魔法陣というもので、レイナに説明を貰ったところ、これは現在進行形で訪れている世界に設置することで、どこの世界に行っても一度だけ戻ってこれるようだ。

 そして、梅ミッションから貰えたのは魔導書だった。読むだけでスキルや魔法を得られる最高の本だった。

 肝心の中身はと言うと……アイシクルランスという中級の氷魔法であった。レイナにこれはあげた。魔導書を貰ったレイナはうきうきで自室へと向かっていたのを思い出した。

 すると突然、レイナが戻ってきた。

 何か嫌な予感がした……

レイナは満面の笑みでハルマと言った後…

「そろそろこの世界での滞在期間が終わりそうですねっ!次の世界へ向かう準備は済ませましたか?」

「へっ!?」

 とっさに俺の口からは間の抜けた声が漏れた。どういうことだろうか……と、逡巡していると……

「ハルマがこの世界に来た時に四日間眠っていたから、今日が最終日ですよね?」

 ……初耳だった。

 その時だった…この世界に来た時と同様の光に包まれてレイナと共に他の異世界へと渡った―

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