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サイコフットボール 〜天才サッカー少年の双子は本当のテレパシーが出来て心が読めるサイキッカーだった!〜  作者: イーグル
第6章 高校サッカーへの挑戦

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上を狙う3軍の紅白戦

「今日って紅白戦あるんだよな?」



「そうみたいだよ。誰と誰がどう組み合わせるのかは分からないけどね」



 何時ものように3軍での朝練を済ませ、竜斗は星夜に午後の予定を確認していた。



「おっし! 2軍に上がれるチャンス!」



「そうなのー?」



 午後の練習に向けて張り切っている竜斗に、輝羅が首を傾げる。



「先輩から聞いてんだよ。立見の紅白戦ってのは最大のアピールチャンスで、2軍に上がれる可能性がある。現にそうやって1軍まで行った人もいるってさ」



 何時の間にか同じサッカー部の先輩と交流を深めたらしく、色々と情報収集が出来ていた。



 今日の練習は3軍全員にとってのチャンスで、2軍に昇格して公式戦へ出場があるかもしれない。



 輝羅から見れば皆がやる気を出しているせいか、昇格への意欲が心の声として聞こえてくる。



「紅白戦って事は僕達、敵同士になっちゃう可能性あるんじゃない〜?」



「勿論そうなるだろうね。1年が5人固まって同じチームはバランスが悪いだろうし」



 皆一緒に上がりたいから敵同士は嫌だなと、影丸は眠そうにしながらもネクタイを結ぶ。



 星夜が言うように、5人が都合良く同じチームになる可能性は相当低く、分かれて昇格を競い合う方が充分考えられる。




「そうなったら僕、一切の手加減しないで勝つからね♪」



 制服に着替えた輝羅は何時もの明るい笑顔を見せれば、紅白戦を絶対に勝つと宣言。



「当たり前だろ。加減したら昇格へのアピールにならねぇしな」



 右掌に左拳をバシッと当てた竜斗は不敵に笑い、絶対に上へ行ってやろうと気合を入れる。



「……皆、意気込んでるけど……時間……」



「あ!」



 そこに着替えを済ませた影二が現れると、静かに今の時間を伝えた。



 時計は授業開始の時間まで迫り、輝羅達は教室へと急ぐ。




 ☆



 放課後を迎えると、何時も通りにサッカー部は練習を開始。



 その中でフィールドに集まった3軍の前へ、1人の男が現れる。



「今日の紅白戦は俺が直々に見る事になった。お前ら、これを本当の試合だと思って臨めよ」



「「はい!」」



 何時もは2人のコーチが練習を見ていたが、今回は監督である間宮が自ら紅白戦を見届ける事になった。



 監督の登場に3軍の間では緊迫した空気が漂う。



「そんじゃ、紅白戦の組み合わせを発表するぞ」



 間宮はタブレット画面を見ながら伝える。




「此処は同じチームになったみたいだね」



「……1人だけになるかと思った……」



 組み合わせの結果、Aチームで輝羅、影二、星夜が同じチームでBチームに竜斗と影丸の2人と、1年組は分かれていた。



「(まさか、こうなっちゃうなんてねぇ)」



 輝羅の前には相手チームが見えて、1年2人の他に坂口、西、佐藤の3人と理勝の姿もある。



 千里の親衛隊が揃って敵チームとなり、これ以上無いぐらいの勝負が実現。



「昨日の約束、覚えてるな?」



 そこに親衛隊の3人が輝羅へ近づいて来た。



「僕のチームが負けたら六峰先輩に近寄らない。勝ったら仲良くして構わない、でしたよねー?」



「若干違うが、まぁ大体そうだ」



 昨日の約束について確認を終えると、坂口は得意そうな顔を浮かべる。



「けど──運が悪かったな。俺達3人が揃った上に理勝もついている。お前のゴールを叩き割って終わらせてやるよ」



 親衛隊の彼らは3軍の中で上位の実力者。


 加えて成長著しい理勝もついているので、この紅白戦は行けるだろうと。




「それ絶対ありませんから」



「っ!?」



 ゾクッ



 先程まで陽気に笑っていた輝羅の笑みは冷たい物へと変わり、3人の背筋に寒気が伝わってきた。



 目の前の小さなGKを恐れてるのか。


 戸惑いが生じてくる。



 障害を粉砕する為に、上を目指す為に、輝羅は全ての者に今の自分を見せつけてやろうと紅白戦に臨む。




「此処は運命共同体。勝って晴れ舞台を目指そう!」



「「おおっ!」」



 それぞれ円陣を組み、昇格への意気込みを表した後に互いのチームがフィールドへ散る。




「(3軍については翔馬から聞いてるけど、この中で昇格なぁ……)」



 間宮はフィールドの選手達を外から眺めていき、そこで輝羅に目が止まった。



「(っと、全体を見ねぇとな)」



 つい、後輩の息子で気になりはするが、3軍を満遍なく見ようと気を引き締める。



 ピィ────



 立見の監督が見守る中、紅白戦の始まりを告げる笛が鳴らされた。



 Bチームのボールから試合は始まり、ボールを坂口と佐藤が繋ぎ、前線から寄ってくる相手を躱す。



「左行ってー!」



 輝羅の指示が聞こえて1人の選手が左を向くと、影丸の走る姿が見える。



 フリーとなっているのは佐藤からも見えていて、そこにパスを出していた。



「よっとー!」



 眠気の覚めている影丸が右足でパスを受け、目の前には輝羅の指示を受けた選手が立つ。



「!?」



 影丸は軽くボールを右足で蹴って、前へ転がした球に向かって走る。



 相手が一度出そうと、スライディングでボールを狙って滑り込むが、その前に影丸の右足が触れていた。



 蹴り出す足が届く寸前、自分の方へ球を引き寄せて右足のインサイドで中央へパス。



 影丸は個人技でアピールを行う




「(取れる……!)」



「おわっ!?」



 ボールを相手が受け取る前に影二が忍び寄り、気づいてなかった相手に驚かれながらパスをカットする。



 こういう混戦の方が、影の薄い影二の長所が活かされた。



「(此処は……)」



 ボールを持つ影二の目は守備への切り替え直後で、フリーとなっている前線の星夜に向く。



 左足でグラウンダーのボールを送り、影二からのパスを星夜が受けようとしていた。



「オラァァ!!」



 ガッ



「ぐっ!?」



 星夜の左肩に強い衝撃が伝わると、理勝が強引に星夜を押し退けてパスを奪い取る。



 体格が良い事に加え、荒々しくも凄まじい気迫の守備。



「来るよゴール前ー!」



 そこに輝羅はカウンターが来るとDFへコーチング。



「走れぇ!」



 理勝の叫びから右足が振り抜かれると、矢のような速さのボールが放たれた。



「おおっし!」



 この時、竜斗は相手DFの裏へ飛び出して理勝のパスに走る。



 追いつけばGKと一対一の得点チャンス。




「させないよっとー!」



「うお!?」



 そこへゴール前から飛び出した輝羅がボールへ迫ると、竜斗より先に右足で蹴り出していた。



「くっそ! 間に合うかと思ったのに、輝羅に先越されたか!」



「良い飛び出しをしてくるから、ちょっと焦ったよー。竜斗やるねー♪」



 悔しがる竜斗に輝羅は彼のプレーを褒めた後、自軍のゴールへ戻る。




「(流石の飛び出しだな神明寺)」



「(けど、まだ始まったばかりで時間はたっぷりある)」



「(俺達、女帝親衛隊に対して守りきれると思うなよ!)」




「(って偉そうな事を思ってるけど、あんたらはただの踏み台だからね)」



 3人の心の声は輝羅に聞こえ、まだまだ彼らは余裕そうだ。



 そんな彼らを踏み台にして次に進もうと、サイキッカーは企む……。

輝羅「久しぶりの試合だけど、アピール合戦になりそうだなぁ〜」


竜斗「監督が来てるし、良いプレーは見せなきゃだろ」


星夜「とりあえず動かなきゃ上には行けないよね」


影丸「今回は流石に寝てる場合じゃないなぁ〜」


影二「……次回……昇格に向けて輝羅が猛アピール……!?」


輝羅「親衛隊でも凶暴な人でも、なんでも止めちゃうからね〜♪」

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