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雪の足止めにて巣ごもろう!

巣ごもりという名の設定の解説^^;

頭の中がダンジョンのことでいっぱいになった。

思い立ったが吉日、即旅立ちたい。

だが、

旅立とうと思った矢先に大雪が降ってきた…


春生まれの俺が誕生日に家を出されて9か月弱、季節は真冬になっていたからだ。


俺のローブやマントには、防御が付与されているのだが、物理だけでなく寒熱からも護ってくれているものだった。

それ故季節を忘れていた。


俺の住んでいるこの国は南北に伸びた大陸の中頃にある。

だから上の方にある北の3国みたいに大雪で身動き出来なくなる期間がある訳ではないのだが、まったく降らない訳でもない。

なのでたまにどっさり降る間は冒険者も活動が緩やかになる。


閑散としたギルドを隠れて覗いてみれば、暇そうにしているセリナさんや他職員がそこに居た。

ギルド員の給料は冒険者の依頼達成料や素材買取から予め引かれている中から出る。

冒険者がもたらす金は、国の税金に1割しか回らない。

国からほぼ独立状態にすることによって冒険者の自由が保たれている。


何故こんなに自由が可能なのか?

それはこの世界が常に魔物や魔獣の脅威にさらされているからだ。

それがなければ、前世の大賢者ユリウスが尽力したとて叶わなかっただろう。


昔は国が強制的に冒険者を動かし、税も7割も取られていたので、なり手が少なかった。

おまけに、不自由で命の危険があるのに、入会費もギルドカード代も高額なのだ。

誰も好き好んで冒険者になろうとは思わず、皆個人で勝手に討伐する者ばかりだった。

これでは魔獣は減らず、スタンピードを繰り返し招き、国は荒れるばかり。

それ故ギルドの役割は俯瞰した広い意味で見直され、ギルドの独立性が大陸中から認定された。



雪が止んで旅立てるまでしばらく【隠れ家】に籠るか。

この収納から出し入れ出来る家は、カルナの街の門から出てすぐ傍にある森の一角に出している。


この家の良い所は多々あるが、その中でも素晴らしいのは、室内に寒暖の影響がないことだ。

魔力が増えたので中を少しカスタマイズしてある。

キッチンの隣に居間を作り、ソファーとローテーブルを置いた。

キッチンにもテーブルや木の椅子があるのだが、やっぱソファーでダラダラ過ごしたい。

予め収納に入れておいた熱いお茶のティーポットを出し、カップに注ぎ一息入れた。


「美味い」


このまま10年でも20年でもまったり座っていたいと考えていたら、


ジジくさい、ご隠居か、と正志が


いい若いもんが情けない、とユリウスも


脳内で盛大に突っ込まれた。


俺、特に交流しなくても、常時頭の中に同居人がいるじゃん。

前世、前前世のただの記憶のはずなのに…おかしいなあ…


まあでも、脳内の俺の前世達がなんと言おうとダラダラするぞ。

その方がこれからのことや、この世界の常識についての認識を整理できる。



小さな村に居た俺は世間知らずだ。

ユリウスの記憶で膨大な知識の引き出しはあるが、これも知性を上げなければ引き出しは開けられない。

そして、世間一般常識は百年前の、しかも貴族のユリウスとはかみ合わない。

正志が知りたいかと思って改めて、ユリウスともかみ合う、ほんとにほんとの誰もが知りうる一般認識を思い返してみる。


この世界は地球と同じく12か月ある。

一か月は全部きっちり30日。一年360日だ。

一週間も7日。火、風、水、地、光、闇、聖と魔法の属性からなっている。

無魔法と空間魔法は曜日に入っていない。

この二つは色々特殊なのだが、そのうち説明したい。

特殊と言えば、雷とか氷とかの魔法はアレンジなので、出来る者は少ない。


さて、この後はユリウスの知識から拝借。


この世界の大陸に国が5つ。

北の2国の隣に大きな島国があり、これを北の3国と呼ぶ。

そして島国の上に誰も住めない?氷の大陸があるらしいが、よく分かっていない現状だ。

更に、交流が全くないのだが、うちの大陸とほぼ同じくらいの大陸が遥か海の彼方にある。

そこは、亜人の大陸と呼ばれている。

エルフ、ドワーフ、獣人が住んでいるらしいのだが詳しくは全然分からない。

そして亜人と呼ばれる彼らが、昔こちらの大陸に渡って来た記録があり、今もこちらに住んでいると言われているが、俺は見た事が無いし不明だ。

これらの知識は、無学な子供の俺が前世を思い出すと共に得たものである。



正志がモフモフ、獣人の女の子!と騒いでいるが、無視だ、無視。


身分制度ははっきりしている。

王がいて貴族がいて聖職者がいて商人農民職人その他諸々の平民達がいる。

冒険者は特殊で、下位レベルは平民同様、上位になると特権らしきものもあるみたいだ。


ところで俺は、聖魔法が初級もほとんど使えない。

使用の条件がそろってないらしい。

聖魔法の回復が出来ないのは不安だ。

光魔法もレベルがまだ中級の回復系までいっていない。

収納にポーションは沢山あるのだけど、出来れば自分で作れるようになりたい。

薬師のスキルや錬金術のスキルがないから無理かなあ。

これもない訳ではない。

未熟ゆえ、ユリウスのスキルが顕現出来ないのだ。


スキルは経験から生やす事が出来る。

スキルがなくとも実際に作ってみろ!と、只今ユリウスさんから連絡事項が。

マジか。

しゃーない、どうせ暇だし雪解けまでやってみるか。


最後に、死にかけたあの時唱えたのは(しかも不完全に…)

『リジェネレイション(再生・自己回復)』だ。

これは身体強化と同じく無魔法である。

回復と言っても、長時間かかる自己再生なので、緊急時には不向きだ。

それでもあの時使えた唯一の治癒魔法とも言える。


お陰で命拾いしたよ、ありがとう!

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