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第3話 アートモデルしてあげる


 明堂さんは俺の制止を無視してシャツのボタンを全部外すと何の躊躇いもなく脱いで机の上に置いた。

 真っ赤なレースをあしらった下着、胸は豊満で谷間は少し汗ばんでいる。それなのに胸下からヘソにかけてはスッと薄っぺらくて細い。

 

「デッサン、するんでしょ? 座りなよ」


 明堂さんはそういうと、今度はスカートに手をかけた。他の女子とは違ってやけに短く切られて調整されたスカートをくるくると折ってさらに短くしている。

 折っている部分を戻して、彼女は少し前屈みになるとスカート横のチャックをゆっくりと下ろした。


——バサッ


 スカートが床に落ちた。


 上の下着と同じく真っ赤なレースで腰骨のあたりは紐で結んであるだけだ。彼女はその紐を指でいじり出した。


「ままま、待って!」


「え? 何?」


「こんなところで脱いだら……その万が一誰かに見つかったら退学……! 俺たち退学になっちゃうから!」


「え〜、見つからないよ。鍵かけてるし、カーテンも閉めてる」


 明堂さんを見ないようにしながら俺は必死に抵抗した。

 しかし、彼女が服を着ようとする気配はない。


「もしかして……えっちだって……思ってる?」


「え……」


「アタシ、昔見た映画でさ裸の女の人をデッサンしているシーンがあったんだけど普通はやらないの?」


「そりゃ……アートモデルっていってその……裸体を」


「らたい?」


「裸をデッサンする時にモデルしてくれる人がいることはいる。男性も女性も」


「じゃあ、私が脱ぐの何で止めるの?」


 明堂さんがあまりにも普通に話すので俺は彼女に視線を戻した。


——刺激が強すぎる!


「そりゃ……だからその」


 俺がまごまごしていると明堂さんはあろうことか下着姿のままで俺の方に近寄ると


「もしかして……えっちなお願いを聞いて欲しかった?」


 下着姿の上目遣いに俺は顔を背ける。もう頭の中がパニックで自分がどうしたらいいのかもわからなくなっていた。


「そのアートモデル? ってのをやってあげようって思ったんだけど。だって、このトルソーちゃんじゃ物足りないでしょ? 胸の先もつるつるだしちょっと太ってるし。私ならもっと綺麗だよ? モデルとしてはいいと思うんだけどなぁ〜」


 そう言いながら明堂さんは胸を寄せるように腕を組むと不満げに口を尖らせた。


「トルソー像の裸を描くのはえっちじゃないのに、私の裸はえっちなの? 変なの……でも脱いじゃったし……描いてよ。デッサン」


「お願いだから……もうこれ以上脱がないで……」


 今にも下着の紐を解きそうな明堂さんになんとかお願いをして、俺は彼女をなだめた。ヲタク童貞をからかっているのか、はたまたビッチすぎて裸に対する感覚が狂っているのか……。


「じゃあ、トルソーちゃんとは違うポーズにしよっと」


 そういうと明堂さんはトルソー像をどかしてテーブルの上に座ると、両腕を上げ肘を曲げて手を頭の後ろに回す。グラビアでいうところの脇見せポーズ……というやつだ。


「綺麗に描いてね? それから……これは」


——ぱちんっ


 派手な音がして、思わず目をやるとさっきまで堂々とポーズをとっていた冥道さんが真っ赤になって胸を押さえていた。

 正確には、下着が外れかかってこぼれそうな胸を押さえていた。


「うぅ……このポーズでもいいかな……?」


 さっきまで恥じらいもしていなかったから俺はなんとか我慢できたが、真っ赤な顔で恥ずかしそうにこちらを見る超刺激的な彼女に俺の鼻の中が熱くなった。






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