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建帝とゆかいな仲間たち  作者: 風車猫十郎
第一章 帝国再建
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第16話:召喚の間でガチャる

「わかったよ、ラウラ」


「そうか。ありがとうタクミ、助かるよ」


 召喚の儀を行って欲しいというラウラからの要請を、匠が受けることを伝えると、ラウラは笑顔で匠に礼を言った。


 ラウラの裏表のなさそうな眩しい笑顔に、匠は一瞬見とれてしまう。


(ゲームでも割と美形なキャラだったけど、現実となるとほんと美人だな)


 匠のそんな内心を知ることもなく、匠の返事に気を良くしたラウラは、言葉を続ける。


「では、さっそくで悪いが召喚の間に行こう。サクラ、すまないが召喚された物資を運搬する職員を召喚の間に手配しておいてくれないか」


「わかった」


 ラウラの傍らに立っていたロイヤルガードのサクラは、眠たげな表情のままラウラの命令に応え、室外にいる伝令兵に命令を伝えるために書庫の扉の方へ向かった。


 一方匠は、ラウラの言葉に動揺していた。


(え?ガチャやるのに専用の部屋なんてあるのか・・・メニューのガチャ画面のところでボタンタップするだけだと思ってたんだけど・・・)


 匠は、この世界に来てからまだ一度もガチャを実行したことはないが、メニューのガチャ画面がしっかり表示されていたので、ボタンをタップすればすぐできると思い込んでいた。

 なので、ラウラの言葉を聞き、この世界ではガチャをやる時に魔法陣を使って魔法を使うようなことをするとか、いろいろと考えてしまうこととなった。


(しまったー。試しに一回ぐらいガチャやっておくんだった・・・ああ、貧乏性が憎い)


「では行こう、タクミ」


「あ、ああ」


 立ち上がってタクミを促すラウラに、匠は内心の動揺を押し殺して立ち上がる。


(ええい、こうなったらぶっつけ本番でやるしないか)


「あ、お兄さん、私はシウンさんと一緒にここを片づけてから行きますから先に行っててください」


 諦めて腹をくくり、書庫を出ようとした匠にミズハが声をかける。


「うん、じゃあラウラと一緒に先に行ってるよ」


(とりあえず、その召喚の間までの行き方はラウラについていけば問題ないか)


 考え事をしながらミズハに応えた匠は、ラウラと共に書庫を出るのであった。





 ラウラと共にたどり着いた部屋は、広いということ以外はこれといった特徴もない部屋であり、床に魔法陣があったり、祭壇があったりということもなかった。


「ではタクミ、よろしく頼む」


 ラウラは匠に頭を下げた後、匠の邪魔をしないように後ろの方に下がり、ロイヤルガードであるサクラは、入口のあたりで眠たげな眼のまま控えていた。


(うーん、特に魔法とかを使うみたいな感じでもないみたいだし、とりあえず試してみますか)


 匠が小声でステータスオープンと口にすると、匠の目の前にメニュー画面が現れる。


 ちなみにこのメニュー画面は、匠以外にはその存在が見えないようで、その事実は、匠が部屋でメニュー画面を操作しているときにミズハが入ってきた際に、


「お兄さん、一体何をやってるのですか?何もないところに指で字を書いているみたいに見えますけど」


と不思議がられるという一幕があって判明したのであった。


 匠は、ガチャの画面を開くとスライドさせて霊石によるガチャの画面に移行させる。


 ガチャ画面には、現在の霊石の所持数も表示されていたが、そこには9万個以上数値が表示されていた。


(霊石は元々あんまり引かずに貯めてたから、結構余裕あるんだよな)


 1回のガチャで20個の霊石を消費し、10連で200個消費する仕様のガチャであるが、匠は、今の所持数は余裕があるので、ある程度回しても支障ないと考え、早速、召喚ボタンを押すことにした。


(ゲームではボタン押したら召喚画面になったけど、こっちはどうなるんだろうな)


 少し不安を感じながらも匠はまずは単発の召喚ボタンを押した。


 すると、メニュー画面上では、匠が現実世界でやっていたアスサガのゲーム同様に、画面中央に召喚の魔法陣が表示され、その魔法陣が青く輝きながら光が回り出す。


(特に何も変わってないような・・・え?)


 画面上の魔法陣の輝きとは異なる眩しさを感じて、匠がそちらに目をやると、匠の目の前の地面に、いつの間にか画面上に表示されているのと同じ魔法陣が映っており、しかも、その魔法陣はかなり巨大で、広い室内のほとんどを占有するほどの広さを有しており、その魔法陣は、青く輝きながら光が魔法陣の周囲を巡っていた。


(お!?おお!?)


 匠が驚愕する中、青い光が一層輝きを増したかと思うと、部屋全体に閃光が満ち、一瞬何も見えなくなる。

 そして、徐々に光が収まっていき、すっかり光がなくなったところで、匠が魔法陣を見ると、魔法陣の中心には、資材として加工済みの木材がかなり大量に積まれていた。


「いつ見てもタクミの召喚の儀は凄いな。本当に助かるよ。サクラ、早速資材を運び出せ」


 ラウラが入口のところに控えていたサクラに声をかけると、サクラの指示の下、運搬をするために集められた職員や兵達が手際よく木材を運び出していき、しばらくすると魔法陣の上にあった木材はすっかりなくなった。


「さあ、どんどん頼むぞタクミ」


「あ、ああ。わかったよ」


 匠はラウラにそう答えると、今度は試しにと、10連の召喚ボタンを押した。


 すると先ほどと同様の光が室内に満ちた後、今度は魔法陣の上に、木材だけでなく、小麦などの食料品や、鍛冶で使う鋼材など、内政で使われる様々な資材が部屋を埋め尽くすほど高く積まれているのであった。


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