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大ピラミッドの石を積み上げることは不可能なのか?  ⑥

さて、運搬する平均2.5トンの石灰岩であるのだが、ギャラリーの方々はこれがどれほどのサイズになると考えているのだろうか?


おそらく動画などで一度は見たことがあるだろう。

傾斜路を大型バスサイズの石を多くの人間が引っ張り上げる様子を。

そして、こう思ったことだろう。


こんなものを一日数百も運ぶなど無理な話だ。


ちなみに、大型バスのフルサイズを記しておけば、横幅2.5m、長さ12m、高さ3.7mとなる。

この容積は111立方メートルとなる。

そして、その重さを算出するにはこれに密度を掛ければ出るわけであるのだが、石灰岩の密度は2.5。

その答えはといえば、277.5トン。

2.5トンの111倍となる。


ワゴン車のサイズではどうだろうか?

あるワゴン車を参考にすれば、横幅1.695m、長さ4.695m、高さ1.98mとなる。

そして、この容積といえば、約15.8立方メートルとなり、重さは約39.5トン。

約16倍。


では、絵的にはだいぶ違うが、軽ワゴン車のサイズではどうだろうか?

ある軽ワゴン車のフルサイズは、横幅1.48m、長さ3.4m、高さ2mとなる。

そして、この容積といえば、約10立方メートルとなり、重さは約25トン。

これでも約10倍。


そうなると、2.5トンの石灰岩のサイズとはどれくらいなのか?

答えは、幅、長さ、高さ、そのすべてが1mの石材。


例の動画は誇大広告の際たるものということになる。


ちなみに、最下部の石材は横幅1m、長さ1.5m、高さ1mほどあるので、4トン近くあると思われる。

逆に上にいけば、サイズは小さくなるので重さも軽くなる。


そして、ここも重要なのだが、230万個の石を積み上げるというが、その大部分は全体の1/3の高さに要するものであり、100mの高さまで持ち上げる石材などほんの僅かしかない。

しかも、その頃には2.5トンの石ではなくなっている。

そう。

思ったほど労力は必要ないのである。

少なくても、2.5トンの石を150mまで引き上げるという作業は存在しない。


さて、2.5トンの石灰岩のサイズがわかったところでもう一度運搬できるかを考えてみよう。

たしかに重い。

重いが絶対に運べないのかといえばそうとも言えない。


なぜそう言い切れるのか?

これは他国よりも日本人の方が理解しやすいかもしれない。

古代エジプト人は石材の運搬にする際にコロと呼ばれる木材を下に敷き、その上を転がすように石を引っ張ったのだが、日本人も同じ方法で大きな石を運搬していたのだから。

各地の残る石垣。

その石垣を構成する石は数トンクラスなどざらであり、大阪城にある有名な蛸石に至っては108トンとされている。

つまり、その気になればこのサイズの石だって運搬できるのである。

というか、最初にとんでもない大きさの登場させたせいで、すべて1mの立方体なら何とかなりそうな気もする。


しかし……。


ただ運搬するのならできるのなら、できるかもしれないが持ち上げるのは無理だ。


もしかしたらそう主張する者もいるかもしれない。

たしかにその重さの石を釣り上げ100m以上も持ち上げるのはこの時代では無理なのだが、おこなうのはありがたいことに傾斜路を使い引き上げること。

日本の石垣も10mの高さを誇るものはある。

同じように傾斜路を使い、同じ方法で石を引く。

10m引き上げることができれば、15mも可能だろう。

そうやって考えれば、傾斜路をつくりさえすれな100mだって150mだって可能なのだ。


だが、世の中にはなかなかの天邪鬼はいる。


それは江戸時代の話だろうと言う者もいるかもしれない。

では、次にもっと古い時代にある日本の例を示すことにしよう。


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