第二章9〈十年前の大災害〉
<午後九時>
現場から最も近かった第八支部に連絡が入った。俺らは、八区の西側にある黒神研究所に向かった。″被検体″の六体が逃げたと言う事だった。黒神研究所の被検体が逃げる事は今までも度々あった。またか……と思ったが、被検体が子供と言う事もあり、早く捕まる、この事案も早く解決すると思っていた。のだが……そんな簡単な話じゃなかった。
「なぁ……これ、」バン中隊長が、光る欠片を見つけた。(これって……」ロスト・ハイライト(終焉を呼ぶ石=″終焉結晶″)を見つけてしまった。その石(結晶)は黒神研究所が禁忌に触れた代償として手にした石だった。
「……パリン」「……え?」石が割れた瞬間、バン中隊長の体が黒く染まった。
″終焉結晶″が割れ″破壊細胞″が流出し、バン中隊長は体が黒く染まっていった。そして……バン中隊長は、″ネゲラ″になってしまった。
″死屍人″(ネゲラ)この世界では、破の民(破月)のなれの果てとされている。体が黒く染まり、意思を失い、ただただ破壊をむさぼりつくすバケモノ人間に戻る方法はなく、破壊細胞に触れる事でなる。
八区の人間のほとんどがネゲラとなり、八区は、崩壊した。最終的には第一支部の人間が登場し、″ネゲラの浄化、″を完了させ、崩壊した八区はロスト化された。
「それだけじゃないんだろ?」「……」「そこまでは書物にも書かれている、俺は真実が知りたいんだ。」「……分かった。話そう、バン中隊長のネゲラ化は序章にしかすぎない大厄災と呼ばれる由縁は、そのままの意味だ、帝国は隠してるが、神が起こした事案だ。人間は大厄災の引き金でしかない。
<同刻>
帝都郊外・三十区
神承武業剣ヴェルニクスか久しぶりに見たなあ「……」「お前は勝てないよ」「いや勝てるさ、今なら私も色々あったんだよ」
十年ぶりの再会は最悪の再会となった。二人の交錯は、さらに加速し二人の関係がもう二度と戻らない事を意味していた。




