第28話
『椎名、どうして』
『由衣、どうしてここにいる』
俺の幼馴染は立ち上がった。
そして、俺のほうに駆け寄ろうとして、裾に躓いた。
とっさに俺は手をさしだして由衣を支える。
「シーナ、聖女様になんてことを」
「何事ですか、聖女様」幕の向こうから中年女の声が飛ぶ。
甘い香の匂いがした。柔らかい手触りのいい布を通して、確かにそこに暖かい体があった。
「いいの、ちょっと転んでしまって。……やめなさい」
俺に短剣を突きつけている護衛の少女に、由衣の叱責の声が飛ぶ。
「彼はわたしを支えてくれただけ。やめなさい。下がりなさい」
ナンバーズの護衛は、俺から短剣を外すと、静かに定位置に戻る。俺はゆっくりと由衣に手を貸して立たせた。
『由衣、なんで、おまえが』
『椎名、椎名、椎名君』いきなり由衣が俺の首にしがみついてきた。『椎名君、一体今まで何をしてたのよ。ずっと、ずっと、捜してたんだから』
最後のほうの言葉は、かすれていた。彼女は俺の胸に頭をすりつけるようにして、服をつかむ。
『ずっと、ずっと、待ってた。絶対どこかにいると思ってた。それなのに、なんで、いままで』
コイツはいつもこうだった。外ではすました顔をして俺になど興味のない顔をしているのに。何かあるとこうして俺に泣きついてきた。
小さいときからずっとそうだった。
おともだちに、おすなばで、シャベルをとられたの
忘れ物をして、先生に立たされたの
テストで悪い点を
はぁ。いつもの由衣だ。
俺は彼女の背に手を回して、いつものように頭をなでる。
いいこ…ゆいちゃん、いいこ。
こうして小さいころからずっとずっと一緒にいた。
『椎名』胸の中で由衣が何かつぶやいていた。
ゆいちゃん、いいこ、いいこ…
ふと我に返って、周りを見るとリースが失神しそうな顔でこちらを見ていた。
サクヤとゴローも、俺のほうを目を丸くしてみている。
そして…幕の隙間から、先ほどの女が、こちらはほとんど恐慌状態に近い表情でのぞいていた。
『由衣・・・気が済んだか』俺は聖女様の背中をぽんぽんとたたいた。『まずい。外のおばさんが悲鳴を上げそうだ』
由衣はぴくりと体を震わせて、俺から体を離した。
「フミ。他言は無用です。飲み物の用意をしてちょうだい。人数分よ」
由衣は外のおばさんに向かって、平静に近い声で命令した。中年の女がすとんと尻餅をついて、這うようにして下がっていくのが落ちていく幕の隙間からちらりと見えた。
「シーナ、あんた、これは一体」
「ああ、これはだな。説明すると、難しいんだけれど」
俺は唇を震わせているリースに説明しようとして、俺自身も状況がよくわからないことに気がつく。
『椎名君、しいなって名乗ってるんだ。なんで本名なの』
ほとんどいつもの由比に戻った由衣はそれでも俺の服を握りしめている。
『本名で悪いかよ』
『ううん、らしいなと思って』
彼女は、頭をそらして聖女としての仮面を取り戻した。それから俺を引っ張るようにして長いすに座る。
『いろいろ、聞きたいの。ここに座って』
『…』
俺は突き刺さるような視線を感じながら、渋々腰を下ろした。仕方がない。由衣がまだ俺の袖を握っているのだ。
『ねぇ、どうして、ナンバーズのふりをしてるの。なんで、あの子の下についてるのよ』
『ふりなんかじゃない。俺は、ナンバーズだよ。彼女は俺の監督官で、俺は彼女の命令に従っている』
『嘘。そんなこと、あり得ない』
『あり得ないといわれても。そうなんだから仕方がない』
『でも、大監督官は・・・』由衣はうつむいて唇をかんだ。
『ねぇ、椎名、あんた、フィリー砦にいなかった?』
『ふぃ…?どこだ? それ』
『冒険の始まりになった砦よ。そこの砦でわたしたちクリアテス独立軍が旗揚げをするの、したの』
あそこは、そういう名前だったのか。乾燥した、生命の名残といえば小さな虫と空を飛ぶ鳥しかいなかったあの土地か。
『あれは、やはり、由衣だったんだな』
『やっぱり、椎名だったんだ。ねぇ、どうして、どうして、あのとき声を上げなかったの。呼んでくれなかったの? わたしはてっきりよく似た”陰“だと、”プレイヤー”がナンバーズなんてあり得ないっていわれて』
『声なんて上げられるわけがないだろう。ナンバーズは話すことは許されていない。自分で行動することは一切許されていないんだ。話をすることなんて・・・』俺は苦い思いが声に混じるのを抑えられなかった。『今ここにいるおまえのナンバーズ達だって、何も話さない。何も感じられない。命令されたことしかやらないだろう。それは、俺も同じだ』
『じゃぁ、どうして、今は話せるの? 彼女の命令なしに、動いてるじゃない』
『それは、彼女が許可しているからだ』俺はリースのほうにちらりと目をやった。『彼女は正規の監督官ではないけれど、俺達にとてもよくしてくれている。自由を許して、自分で考えることを勧めてくれた。だから、今の俺はここまでできる』
『そんな、嘘でしょう。それじゃぁ。ううん、でも、あなたが、それは”プレイヤー“だから』
『なぁ、由衣、その”プレイヤー“というのはなんだ? まるで、ゲームの中みたいな言い方。俺は好きじゃないんだけれど』
由衣はきょとんとして俺の顔を見た。
『何を言ってるの。椎名。これは、ゲームなのよ。ここはゲームの世界なの』
今度は俺が由衣を見返す番だった。
『なんだって?』
ルーシー・マーチャントの得意そうな笑みが頭に浮かんだ。
『ここは、ゲームの世界なの。”クリアテス戦記“、聞いたことないかな』
『くりあてす、せんき?』
『そうよ。シミュレーションRPGのゲームよ。椎名に勧めたことはなかったっけ?』
俺は首を振る。
“クリアテス戦記”というのは、プレイヤーの動かすキャラクター達が指揮をして戦争を勝ち抜くタイプのゲームらしい。ただのシミュレーションではなくその中に物語があって、シナリオに沿って物語が進んでいく。
『わたしたちは、そのユニットを指揮していく指揮官なの。その指揮官に”転生“してしまったの。わたしたち』
減っていく数字。次々と倒れていくナンバーズ達……俺は目の前がくらくなるような記憶を頭の中から追い払う。
『わたしたち、ってことは、誰か他の連中もいるんだな』
これは確認だった。俺は知っていた。ソーマ、アケミ、ユキ、カイト・・・アルトフィデス派がクリアテスの英雄と呼んだ人物は俺の知り合いの名前を名乗っていた。
『ええ。実はそうなの。わたしたちのクラスメートの大半が、この世界に転生してきているの』
由衣が確認しているだけでも20人ほど、元の名前とこちらの名前が一致している“登場人物”がいるらしい。
『でも、信じられない。椎名がナンバーズなんて』
『そんなに疑うのなら調べて見たらいい。俺のすべての行動は呪とやらに規制されている。由衣は術師なんだろう。術師は、呪を見ることができるんだよな』
『ちょっと、そのままでいてね』
由衣は立ち上がると俺の額に手を当てて、目を閉じた。その姿はディーが俺の中の呪を見ていた姿と同じだった。クリアテス教もアルトフィデス派も元は同じなのだろう。
『これが呪なのね。ひどい…ちょっと解いてみるね』
由衣が、手のひらを少し離して何かの呪文を唱えた。
『!!!!!』次の瞬間、俺の頭の中で光が爆発した。衝撃で、目の前がくらくなる。
声のない悲鳴を上げる俺に由衣が慌てる。
『ごめん、変なところ触ってしまった?』
ディーよりも扱いがひどい。俺はぐらぐらする頭に手をやった。頭の中身が吹っ飛んだかと思った。由衣が頭を抱えてうめく俺の額にもう一度手を当てる。
『少しは楽になったかな? うん…今はこれ以上いじらない方がよさそう』
勘弁してほしい。聖女という肩書きを持つ由衣でも解けないほどの呪なのか、とがっかりする思いと、もうこれ以上してほしくないという拒絶が入り交じった妙な気分だ。
「ユイ様。飲み物をお持ちしました」
あの女の声がした。
「フミ、ありがとう。持って入ってくれる?」
これまでこちらの話が続いているので外に控えていたのだろう。だいぶ落ち着いている女がきれいな象眼がしてある首の長い瓶と杯を二つのせた盆を捧げ持って入ってきた。女はなるべく俺のほうをみないようにして、絨毯の上にそれをそっと置いた。そして、震える手で瓶の中身を杯についで、まず一つを由衣に、それからもう一つをリースに渡す。
「彼の杯は?」由比の声が冷たく響く。
「しかし、それは、ナンバーズでして」
「彼の杯も持ってきて」
『あと二つ追加してくれないか?』俺はすかさずゴローとサクヤの杯も頼む。
「あと三つね」
「承知いたしました」女は震える足を押し出すようにして部屋の外に出て行った。
『彼女たちの分はいいのか?』俺は部屋の隅で控えている少女を指した。
『ああ、あれには専用の餌があるから』由衣は当たり前のようにそういって、慌てて俺に謝った。『あ。椎名もナンバーズだったわね。ごめんなさい。みんなが、そういっているから』
『気にするな。監督官連中はみんなそんな感じだからな』
俺も当たり前のことをいったつもりだったが、由衣は顔を曇らせる。
先ほどの女性がすぐに追加の杯を持ってきたので助かった。彼女はそれに瓶の中身を注ぐと、俺と、目で由衣に確認を取りながら、サクヤとゴローにも恐る恐る手渡した。
「話し込んでしまってごめんなさいね」
由衣は聖女の貫禄を取り戻して、杯を上げた。頭の中が灰になっているようなリースがのろのろと杯を上げ、俺達もそれに続く。
「自由と、平等と、友愛のために。クリアテスの独立のために。再会を祝して乾杯」
「か、乾杯」リースがかすれた声で言って杯の中身を口にした。
酒ではない、何かの果物をつかった冷たい飲み物だった。
「本当にごめんなさいね。リースさん、といったかしら」
由衣は優雅に飲み物を口にする。
「あなたの、その、ナンバーズからいろいろと話を聞いていたの。とても面白い話だったわ。もう少し彼を借りていてもいいかしら」
「ええ、ご自由に」ほとんど感情のこもらない声でリースは答えた。
『彼らも、ナンバーズなの?』由衣はゴローとサクヤを指す。
『そうだよ。俺の同僚といったところかな』奴隷仲間といった方がいいだろうか。
『きれいな子ね』由衣はサクヤを見てつぶやいた。『彼女も言葉を話すの?』
『ああ、俺ほどじゃないけど、ぼつぼつね』
『あっちの彼は?』『ああ。彼もぼちぼちかな』
『似合いのカップルじゃない?』由衣がとんでもないことを口にした。
『黒い髪で黒い肌の野性的な男と、白い透き通るような妖精みたいな少女。ものすごくきれいな組み合わせ』
『考えたこともなかったな。ナンバーズは互いの関係は希薄だからね』
『互いのことを話したりしないの? どこから来たの、とか、何が好きとか?』
まるで他のクラスの生徒のことを話すかのような由比の口ぶりに俺は驚く。
『ナンバーズのことは、監督官の方がよく知ってるんだろう。由衣は、自分のナンバーズが互いに話したところを見たことがあるか? ないだろう。そんなこと許されていないからできないんだよ。それにそもそも、彼らには記憶がない。記憶が処理されている、のかな。たぶん』
『でも、椎名は覚えているじゃない。わたしのことも、クラスメートのことも、覚えているんでしょ』
『俺はね。覚えていたよ。でも、それを話す相手がいなかった。きく相手もいなかった』
『それってひどくない?』由衣は無邪気に憤慨する。
俺はそんな彼女に今までにない違和感を感じる。彼女は理解しているのだろうか。この部屋の隅でじっとしている少女と俺が同じ存在であるということを。自分たちがそのひどい状態を作り出して、利用しているということを。
『そのときは、感じることもできなかったからね。ナンバーズはただ仕事をこなしていればいい。ただ、戦うための兵器なら感じる必要はない。そういう感情は邪魔だろう』
ただの道具であるならば。感情は不要だった。
数字が、減っていく様子を思い出した。まるで逆回しのように、大きい数字から小さい数字へと。思い出すたびに気分が悪くなる出来事だった。
俺は戦場を思った。俺はただの数字として再びあそこに立てるのだろうか。何の呵責もなく相手を殺せるだろうか。感情を取り戻した今、それはとてつもなく怖いことだった。
『でも、あなたには感情があるんでしょ。私と会って、うれしかった?』
『それはもう。当たり前だろう。ここに来て初めての知り合いと話せたのだから』
『ほらね。ちゃんと感じているじゃない』
『それはリースが許しているからだ』俺は俺にとっても苦い事実を告げる。『もし、他の監督官が俺の上について、何も感じるなと命じれば、何も感じなくなるかもしれない。従順で命令に従う人形に戻るだろう。そうしたら、また、何の迷いもなく』人を殺せるだろう…俺は言葉を飲み込む。
『ねぇ、その感情というのは、すべての感情だよね』
『そうだな、怒りも、憎しみも、恐怖も、かな』
『優しさや、暖かさや、愛情も? わたしと会ってもうれしいと思うことも?』
『思えなくなるだろうね。たとえ、思っても表に出せなくなる。自分でも感じられなくなる。ここにいるナンバーズ達がそうだろう。こんなふうに静かに、目の前の出来事に干渉せず、ただただ、命令を遂行して』
『…させない。…ないんだから』何か由衣がつぶやいた。
『なに? なにかいったか?』
『ううん、何でもない』
話している内に外がくらくなってきていた。フミという先ほどの女性が灯りを部屋の中に持ってきた。
『そろそろ、俺達は失礼するよ』
俺はもう帰る頃合いだと思った。完全に日が落ちたら、村へ戻れなくなる。
『早く村に戻らないといけない』
『ええ? せっかく会えたのにどこかへ行ってしまうの?』
『だって村に帰らないと。みんな、心配するだろうから』
リースの兄貴とか、リースがいないことを知ったらなんと思うだろう。俺との関係を邪推していた兄が誤解したままだったら・・・次は殴られるだけではすまないかもしれない。
『泊まっていけばいいのに』
『それは無理だよ。俺たちは部隊に属していない。それに、俺達には村を守る義務があるから』
義務なんて爪の垢ほども感じていない俺が、ここで持ち出すのはどうかと思いながら、俺は立ち上がった。
『ねぇ、わたしが、頼んでも駄目なの?』
『おまえの頼み? 無理無理。無茶言うなよ。由衣。こっちにはこっちの事情があるんだよ』
『事情って何よ』
俺達は村を守るように呪で強制されているといおうか、あんた達監督官が俺にそれを強いていると。だが、俺はそのよどむ気持ちをごまかしてしまった。
『何だっていいだろう。俺達ナンバーズは監督官以外の命令は受け付けません』
『そう、わかった』
由衣は一瞬ふくれ面を見せた。それから、思い直したようにあでやかなよそいきの笑いを浮かべてリースに話しかける。
「リースさん、彼からそろそろ村に戻らないといけないと聞いたわ。ごめんなさいね。引き留めてしまって。でも、今日はもう遅いわ。わたしたちと一緒にここに滞在してはどうかしら」
「聖女様、あたしたちがですか?」
リースが目を丸くした。
「ええ、もしよければ、ここでもうすこしお話を聞きたいの。このあたりの様子とか、あなたたちの暮らしぶりとか」
「えっと」リースが俺を助けを求めるように見た。
「フミ」
由衣は俺が何かを言う前に、先ほどの女性を呼ぶ。
「リースさんはこちらに滞在されるそうよ。部屋の準備をお願い」
『由衣、それはいいから』
今や無表情を顔に貼り付けている中年の女が顔を出した。
「リース様のお部屋ですね。承知いたしました。それら…いえ、彼らの部屋はどういたしましょう」
「急ごしらえで部屋の数が足りないのよね。リースさん、彼らと一緒でいいかしら?」
「…はい。聖女様」
リースの答えに由衣は満足したようにうなずく。
「だそうよ。頼んだわ」
由衣が俺の苦い顔を見ていたずらっぽく笑う。俺はしょうがなく腹をくくった。
「リース、俺は馬の世話をしてくる。おまえの馬をこちらに引いてくるよ。だから、彼女と、聖女様と話をしているといい」
リースはあからさまにほっとした顔をする。
『彼女の馬を連れてくる。どこに馬をつなげばいい?』
『フミにきいて。入り口に待機させておくわ』
俺は部屋を出て行きかけて、一ついわなければならないことを思い出した。
『あと、そのフミさんに俺と由比が話したことを口止めしておいてくれるか? ナンバーズが聖女様と会話できるというのはまずいことなんじゃないか?』
『わかったわ、話しておく』
俺が戻ってきたときには、すでにリースと由衣は打ち解けているように見えた。由衣は昔から人付き合いはよかったからな、俺は思い返す。もっとも上機嫌なのは聖女様のほうで、リースは慣れない上位者との会話につかれているようにみえた。
長い聖女様との語らいをおえたリースは、別室に案内されると物も言わずに、寝台に寝転がった。側の机の上には料理が用意されていたが、それに手もつけなかった。
「リース、つかれてる」サクヤがそっと監督官に毛布を掛けてやる。
「ゴローとサクヤもくたびれただろう。ごめんな。おれが由衣と話し込んでしまって」
二人はゆっくりと首を振る。
「リース、くたびれてる」ゴローがそっと低い声で言う。
「シーナとゆい、友達?」サクヤがきく。
「まぁな。たぶん」
作り出された命であるナンバーズと異界の記憶を持つ少女が幼なじみといえるだろうか。そんなことを思いながら、俺は曖昧に返事をした。
そのあたりのことは、今度由衣に聞いてみなければいけない。ナンバーズはどうやって生み出されているのか。はたして、人といえるのか。
ディーは俺達のことを人と断言していた。彼女たちなりに調べて出した結論なのだろう。でも、ここでは俺達は人ではない。俺の境遇には同情していた由衣もナンバーズの物扱い自体にはみじんも疑問を抱いていなかった。
“プレイヤー“、”ナンバーズ“。クリアテス教”……クリアテス戦記”というゲームが元になっているのか。そういえば、由衣がはまっていたゲームの名前がそんな感じだったような気がする。全然興味がなかったので、気にもしていなかった。
ここは本当にゲームの舞台なのか?
あの男、メイドの格好をしたあやしげなルーシーなんとかという美少年も自分のことをチュートリアルだといっていた。
“それではよいゲームライフを・・・“またもや、あれの捨て台詞が耳元でこだまする。
明日、村に戻る前に由衣にあいつのことを聞いてみよう。俺は床にひかれた薄い毛布をかぶった。




