疑惑
やっばりこっちも夜か、眠る気が全然起こらない。こっそりと庭にいこうか。みんなそれぞれの部屋があるげと、夜中は足音とか昼間より響くよね、同じ階だし、静かに、静かに、みんなを起こさないように。
わあ、夜風に当てると気持良いな。ああ、月見のいい場所、発見!大の字になって仰向け、わたしは明るく柔らか光る月に静かに声を掛けた。
「わたしはこっちに来てから色んな人たちに会えた。もともと遊び半分な気分ですが、気なままにやればいいと思った。誰かの身分を借りて生きるのはあんまり責任を感じませんね。長くやると、自分こそがその人物という錯覚に落ちるかもしれない。わたしも忘れかけていたね。みどりさんなら、どのようにことを運ぶのかな?楽羽もここに来たので、さらに複雑になった。ああ、異能だろう、不対称世界だろう……どうすればいいの?その前に、みどりさんの異能はなんですか?教えてよ、みどりさん!」
その時、頚につけてるネックレスはリズムよく光りだした。
これは答えですか?……分からないよ!
上半身を起こし、月に向かって盛大にため息を吐いた。
「お月様への不満ですか?」
振り返ると、葵さんは微笑みながらわたしを見つめていた。
「あ、葵さん!あなたも眠れないの?」
「そうですね。ちょっと寝ようとすると、みどり様を出かけるのを見かけた、こっそり後付いて来た。」
葵さんはわたしの傍に来て、話しながら腰を掛けた。
「なんだ、声をかけばいいのに。」
「邪魔したくなくて。」
「後つけたのに?」
「そうですね。好奇心のせいかな?」
「葵さんもこんなことをするんだ。」
「わたしのことをどのように思っていたのかな?」
「うむ…お嬢ちゃん、こんな夜中何処かへ向かいますか、わたしも同行させていただけましょうかっとか?」
「ははははっ、葵さんなら、ありえますね。あいにく、わたしは無月として瑩さんをつけて来た。」
いつまでも優雅に微笑む無月さんを見つめると、なんかときめきしました。
いやいやいやいや、いまは無月さんに楽羽を見つけたことを教えてほうが大事だ。
懸命に頭を左右に振りながらわたしを見ると、
無月さんは何も言わず、わたしの言葉を待ってくれた。
わたしはあたらしい情報を自分の中に整理しながら、無月さんに教えた。
「楽羽さんはあっちにいるということは、キーホルダーの不運喰い君はこっちにいるですね。」
「やっばり無月さんもこう思うのですか?」
「わたしにできることがありますか?」
「えっと、そうですね。あやしい間接人形のキーホルダーを見かけたら、教えてください!あ、わたしは絵が下手じゃなければ、フウンを描けるのに…」
「関節人形ですか?頭と手足を動けるですね?……」
無月さんは何か考えてるように呟いた。
「うん、結構な上出来ですよ。なんであのチャラチャラの加久良さんは作れるのかな?わたしもひとつ欲しいよ。今度聞いてみようかな。」
「どこかで見たようなと思った、たしか彩様はそのようなキーホルダーを持ったどこ見たよ。」
無月さんは真剣な目でわたしを見て言った。
「彩君ですか?あしたあの子の確認します。ありがとう、無月さん。
「いえいえ、微力ですが、お助けになれると嬉しいです。」
「そういえば、無月さんはここに会った一番目の味方ですね。将矢さん、亜希子さんと侑暉くんも見つけた。茉理ちゃんだけはまだ会っていないね。どこにいるのかな?」
「大丈夫ですよ、瑩さん。きっと会えるよ。だって……」
その優しい声と同時にわたしはまるで催眠に掛けられたのように眠りに落ちた。無月さんの最後の言葉はわたしの耳に届けなかった。
次に目が覚める時自分の、いや、みどりさんの部屋にいった。べっどに上半身を起こし座りまま、半分を経って、やっと昨夜のことを思い出した。
あ、無月さんはわたしをここに運んだな。後でちゃんと礼を言わないと……ええ!?運んだ?姫抱っこ?……わあ、赤彦さんも場合も同じ、肝心などこなんで意識がないんだろう?もう……
その惜しみとは10分くらい戦ったが、結果でなかった挙句、わたしは身なりを整ってから、階段を下りた。
わたし以外のメンバーはもう食卓に囲んだ。みんな今日早いな。挨拶してからわたしも席についた。
「遅いぞ!おれ、目が覚める時から腹が減ったのに!赤兄はみんな揃わないと、喰っちゃ駄目って!起こしも禁止、どんてもない独裁者だな!」
さっそく彩君からの苦情が殺到だ。
「みどりはやっと元気になった、ちゃんと睡眠をとらないといけない。起こすなんてかわいそうじゃないか。」
優しい目でわたしを見つめた赤彦さんに微笑みを返した。
「どこまで過保護ですか?」
ちょっと同感かも、彩君!でも、された本人は気持いいこととも同時に思います。
「彩ってば、やっと食べるの、もう文句いわないの!」
唯ちゃんの言葉に黙り込む、彩君は大人しく朝飯に手をつけた。
あれ、もしかして、彩君は唯ちゃんに苦手じゃないかな?フフフ、可愛い!
あ、そうだ。後でちゃんとキーホルダーのことを聞くのだ……って!?
「これ、おもしろいだろう?この前、まちで喰い物買う時拾った。唯も一緒だな。」
「だから、それはちょっと気味悪くて、止めてってとめたのに、彩は聞かなかった。」
「あの時は汚れたせいでボロボロさ、綺麗にしたら結構いいものに見えるよ。唯はもの見る目がないだけ!」
「しらない!」
彩君は手に乗せていたキーホルダーを食卓に置き、その関節を弄って、仁王たちのポーズに固定した。
死ぬ気で叫び出したい衝動を抑え、確かめもなく、それはフウンだ。
楽羽といい、フウンといい、案外身近にいるね。都合良すぎだろう?
「彩、そのキーホルダーどこでひろった?」
赤彦さんはフウンをじっと見つめ、厳しい口調で問いだした。
「だから、まちばたで、だれかが落としたと思ったが、そのボロボロと汚さから見ては、捨てられたに間違いがないさ。なんだよ、赤兄にも興味あるか、譲らないからな!」
「いや、そうじゃなくて、ただ知人の持ち物に似ていると思ってるさ。」
ほっとしたように、赤彦さんはフウンから目を移した。
赤彦さんの知人?まさかそれは加久良さんの作るものと知ってるのか?でも、それはわたしの世界の起きること、赤彦さんは知るはずもないじゃん。ならば、楽羽を知っているのかな?いやいや、それもない…待ってよ、赤彦さんは任務でその「不運を食い尽くすキーホルダー」知っていたとしたら…楽羽とフウンを追いかけてるかも…
「みどり、ぼっとしてるよ、どうしたの?朝飯、冷めるよ。」
「あ、はい、兄さん。」
やっばり、なんとかして彩君からフウンを手に入れるかな?
「なんだよ、みんなこいつ狙いか?みどりでも、譲らないからな!」
わたしそんなに欲しがってる顔でフウンを見てるのかよ?まあ、たしかに可愛いですが…
楽羽、フウンが見つけたよ、でも、手に入らなくて…どうしよう?
そのことをずっと考える内に、朝飯の時間が終わった。みんなと退席しようとする時、赤彦さんに引き止めた。
「みどり、先のキーホルダーのこと、メンバーのみんなに内緒にしてくれないかな?」
思いもしなかったセリフを言われ、ぼっと赤彦さんを見つめた。やっと理解できるまで何秒掛かった。もちろん、それはわたしにとっても好都合さ。やっばり、赤彦さんの言った知人が気になる。
「それは兄さんの知人が関わってるからですか?」
少し躊躇ってから、赤彦さんは微かに頷いた。
「うん、それは少々複雑です、いつか全部話すよ。いまはまだ駄目です。リーダ失格ですね。実は、そのきーほるだーはわたしたちを追っているアイテムのひとつかもしれない、いや、確実にそのひとつだ。」
やっばり、こっちもあるんだ、不運を食い尽くしキーホルダー。
「わたしは兄さんを信じます。誰にも言わないよ。」
「ありがとう、みどり。」
頭を触れる暖かい手に罪悪感を湧いて来た。まるでわたしは赤彦さんを利用したようなことです。わたしの方こそ、いろいろ隠しことをしたのね。ごめんなさい、赤彦さん。
「そのまま、彩君に持たせていいのかな?アイテムは危険でしょ?」
「大丈夫と思うよ。」
「なんで兄さんが分かるの?」
「それはわたしの異能ですから。」
え!?
「昨日も言ったが、今日はアジトで会議があるので、わたしは準備があるので、早めにいかなくてはいけない。でもみどりが一緒に行くと言った、憶えてる?半時間後出発しますね。」
わたしの驚きに悪戯っぽく笑う赤彦さんは食卓を離れる前に言い残した。
赤彦さんの異能っていったい何なんだ?って先、昨日も言ったって、みどりさんに言ったの?わたしはあっちにいった時こっちにいるみどりさんの体はどうなってるの?まさかもうひとりのみどりさんがいるの?




