挿話 不運喰い 5
「わああ、いいな、新鮮な空気…」
深呼吸して背を伸びる瑩を見ると、おれはため息一つで言った。
「これ、旅じゃないぞ。」
「いいじゃないか、週に五日であの仕事場で戦うのに、たまにはこういうリッレクスもいいことさ。」
「おれの友人の手掛かり探してくるんですよ。」
「分かってるよ。」
と言っても、自然に溢れるどこはおれもけっこう好きなのです。先回来た時とあんまり変わらなかった気がするな。田畑に小さいこともたちが大声で喚いたり、笑ったりして、なんでガキ頃のおれがその輪に入らないのだろう?今考えても、どうしょうもないことだな。
「あら、楽羽はそこに遊んでることもたちに羨ましそうな目でみれるよ。」
「おまえな…」
そう簡単に指摘するなよ、おれの中の葛藤はまだ消えてないよ。
「ごめん、なんか楽羽は急に切ない顔になった、来た早々でそんな気持になるなんて…」
瑩は両手を合わせてすまなさそうにおれを見つめて言った。
「いや、別に、おれは成長してないだけさ。いつまでも昔のことに囚われたまま、自分がなさけないよ。」
「……」
「まあ、まずあいつが住んだ家に行きましょう。」
「ええ?叔父さんに挨拶しに行かないのか?」
「おれの叔父さんか?いらないよ。叔父さんはこの前引越して住宅も売りました、いまそこに住んでるのは赤の他人さ。」
「そうなんですか?なら、その友人の家もほかの人が住んでるかもしれないじゃないか?」
「うむ、少なくともおれが前回来た時、あそこは廃屋でした。」
「その時もそこで探したか?」
「いいえ、引越しと聞いたから、家の中に入らなかった、周りで聞きまわしただけ。」
「なんでその時直ぐ家の中に探しなかったの?」
「いや、なんかそのまま入っていいのかって…ああ、ここだ!」
「わあ、正真正銘の廃屋ですね。」
「まあ、そうだな。」
目の前に屋根も外壁もぼろぼろの古い一軒屋だった。ガキの頃の印象に合うかどうかもうその時の記憶が曖昧であんまり憶えてなかった。
「どうして引越しの時この家を売れなかったの?」
隣に立つ瑩は小さく呟いた。
それもそうだね、この様子だと、十年以上放棄されたと思われた。もしかして、いつかここに戻るかもしれない思案でこのまま置いていたのかな。
「行こうか。」
「…お化け屋敷行く感じですね。」
「怖いですか?って、なんでにやにやですか?」
「何か出るか分からないから、どきどきします。ふふ…」
適に瑩は怖がってると思ったが、予想は見事に裏切られた。おれたちは肩を並べ進めた。
扉は長い年月が経って老朽し、すこし力を込めて押すと、鉄音を発しながら鎖が崩れた。どうやら、あいつが引越し後、誰もこの家に入ったことはなかったらしい。
玄関に立つおれのそばで瑩は靴紐を解かし始めた。
「何をするの?」
「土足は失礼と思ったが…」
「はあ?廃屋だぞ。それに失礼の前に、おれたちは許可なしで他人の家に侵入した。」
「ああ、そうですね。じゃ、いいか。お邪魔します。」
なんで変などこでこう礼儀的になるのか、本当に分からない人ですね。
「電気がないから、暗いな。」
「ああ、いったいった。はい、光を届けたよ。」
瑩は鞄の中にあさって懐中電灯を取り出した。
「おう、持ってるのか?」
「うん、携帯も使えるが、万が一の時取って置いて方がいいと思うよ。わたしは目がよくないだから、これは持ち歩くことにした。」
「瑩はサバイバルゲームに向いてるかも。」
「それはないと思うよ。目が悪くて、相手を見つかる前に真っ先にやられそうなタイプと自覚が持ってるよ。手分けして探すか?」
「楽羽、瑩とはぐれないほうがいい。」
「なんだ、今日は口数が少ないと思うが、やっと喋った。どうした?ここに何があるのか?」
「分からない。」
最初から手分け探す打算がなっかたおれはフウンの言葉に一緒に探すと提案した。
外見と違って、なかはあんまり荒らされてなかった。棚とか、机や椅子とかそのまま置いていた、ざっと探ったが、もちろうその中は空っぽいだった。一階の部屋はほぼ全部チェックした、とくに手掛かりと言えるものは出なかった。
「二階へ行こう。」
「うん。」
昔、あいつの部屋に遊びに行ったことがあった。部屋中に散らばった手作りの材料とか、工具とかたくさんあった、本当に職人になると思ったが、そこで剣道の話が出た。そういえば、あいつの宝物と見せたそのぼろぼろの木刀は引越しの時きっと持っていたのでしょ。
「狭いな、この階段。上りつらい。」
「そうだろう、おれが遊びに来たときも同じことを言ったよ。って、あいつなんて答えたと思う?」
「これは修行さーーとかじゃない?」
前に上るおれは急に階段のまんなか立ち止った。
「うそ、なんで分かるの?」
「急に止めないてよ、楽羽、危ないから。」
「ああ、ごめんごめん。」
「階段上りはちゃんと筋力を鍛えるよ。まさにこんなきつい階段。効果抜群じゃない?うちの会社の階段といい勝負さ。」
「ええ?会社何階?」
「12階。」
「エレベータないの?」
「あるよ。でもいつも階段を使うんだ。行く時も帰る時も。」
「ええーー!12階だぞ!」
「うん。慣れたんだから、いいよ。なに?見直した?」
「まあ、色んな意味で。」
「楽羽も剣道経験者でしょ?階段上りなんて大したことじゃないじゃん?」
「だから、それは随分前のことですよ。どこのOLが登社の時12階も歩いて上るの、会社の人に変な目で見るぞ。」
「そうですよ。既に変人と言われた。ひどいじゃないか、階段上りぐらいでそんなに言うなよ。」
瑩は愚痴を言ってるが、もちろん自分も分かると思う、それでも絶対その階段上りを止めないでしょ。周りから変な目でみられても続けられる、その点について、おれは羨ましかった。
きれいさっばり引っ越されたねっと、何もない部屋を眺めるおれたちは目で同じ意見を交換した。
記憶の中のの雑多さは愛おしくになった。おれに何かメッセージを残したかも知れないという希望を容赦なく砕けられた。
「そういえば、ずっと友達とか、友人とか、親友とか言ってるが、今気づいた、その子、名前はなんだ?」
瑩の思考回路についていけないな。
「あの時、おれたちはお互いに『かくちゃん』と『らくちゃん』を呼ぶのさ。」
「わあ、かわいい呼び方。」
おれはある事を気付いた。北の角に靄らしいものが上に回りながらながら瑩のほうへ漂っていた。疑うを払うため、強く目を閉じそして開け、やっばり気のせいじゃなかった。
「おい、フウン!」
心の中でフウンを読んだ。
「ああ、どうやら瑩が狙われてる。」
「その靄は不運喰いじゃないのか?」
「楽羽、貴様、何か勘ちがいしてるな。不運喰いは実体がないんだ。」
「でも、おれはフウンを捕まった時黒い靄に見えるぞ。」
「そこは変だ。なんで楽羽は靄を見えるのか、おれ様も分からないが、普通、人間は見えないはず。不運喰いは不運を喰うと力をもらえる、だから楽羽の目におれ様は黒い靄にみえるかもしれない。まあ、とにかく、おれ様がいる限り、ほかの不運喰いが貴様の傍に寄ってこないさ。」
「そうか、それはご苦労だった。って、それは瑩に触れたら、何がよくないことが起こるよね?フウンはおれに寄って来る不運喰いをブロックできるなら、それを消す方法も知ってるだろう?」
「まあ…おれ様をつかむ時みたいに握り潰したら消せるかもな。」
「なんだ、確信できないか?まあ、いいよ、自分で何とかする。」
瑩は背向けている、好都合だ。もう少しその靄は瑩に届けるどこで、おれは手早くそのテニスボールサイズの白いものを手の中に収めた。握り潰しと言っても、手の中に感触がなくて、潰れたかどうかはやっばり目で確かめなくちゃいけないな。
ゆっくりと拳を緩め、手の中に何もないことは明白だった。やっつけたかな?少なくとも瑩の周りにはその靄らしいものはなかった。
おれって、こういう才能があったけ?




