第27話:ルナの【炎(ほむら)・3(スリー)】お披露目!? 〜極限のたこ焼きパーティ編〜
分子レベルのデバッグ料理に味を占めたお師匠様とルナ。
数日後、東方の国から仕入れたという不思議な鉄板を前に、お師匠様がニヤリと鼻を鳴らした。
「ふふふ……見よルナ! これが東方の秘宝『タコヤキ・プレート』だ! 丸い窪みに生地とタコを入れ、クルクルと回して焼く絶品料理らしいぞ!」
「わぁ〜! まんまるくて可愛い! たこ焼きパーティだね、お師師様!」
ルナは目を輝かせて生地を混ぜ合わせる。
だが、ここでひとつ大きな問題が発生した。
「……ぬぅ。このプレート、魔法の火加減がめちゃくちゃ難しいぞ。弱火だとカリッとせんし、強火だと一瞬で炭になる……!」
お師匠様が小さな火炎魔法で試すも、火の当たりにムラができて生地が焦げ付いてしまう。
「あわわ……お外は焦げてるのに、中は生だよぉ……!」
半泣きになるルナ。
見かねた私は、たこ焼きプレートの熱伝導率と球体成形のアルゴリズムを瞬時に弾き出した。
[ターゲット:たこ焼きプレートの熱分布]
[課題:表面を180℃で瞬時に焼き固めつつ、内部を80℃のトロトロ状態で維持する極限の熱制御]
[結論:通常の火炎魔法では不可能。新開発の多段プラズマ制御が必要]
『ルナ。落ち込む必要はありません。これは新たな魔法回路を構築する絶好の機会です』
「えっ……新回路……?」
『ええ。高密度なプラズマ熱線を、微小な球状に圧縮・分散して全方位から照射する新技——【炎・3(スリー)】を起動します』
「【炎・3(スリー)】……!? 2の次があるの……!?」
ルナが驚きで目を丸くする。
『ええ。私が魔法式を完全サポートします。ルナ、杖をプレートの上にかざし、優しく唱えてください』
「う、うんっ! えっーと……火加減を……極限まで繊細に……! 【炎・3(スリー)】!!」
ルナの杖の先から放たれたのは、これまでの極太熱線とは一線を画す、数千個の極小の青い光の粒子だった!
光の粒子たちがプレートの窪みひとつひとつに吸い込まれ、完璧な温度管理のもとで生地を包み込む!
——シュワァァァァァッ……!!
「な……なんだこの精密すぎる熱制御はぁぁぁっ!?」
お師匠様が目を見開く。
一切の煙を出すことなく、プレートの上の生地が「クルッ」と自動で回転!
外側は黄金色にカリッと焼き上がり、中は極上のトロトロ状態という伝説の職人すら凌駕する完璧なたこ焼きが一瞬で焼き上がった!
「できたぁぁぁっ! まんまるのたこ焼き!」
「お、おいおい……一口食わせてくれ……モグッ……う、うまぁぁぁぁぁいっ!?? 外はカリッカリなのに、中はアツアツのトロトロだぁぁぁっ!!」
お師匠様がハフハフしながら絶叫する。
そこへ、匂いにつられて窓から忍び込んできたアレンが顔を出した。
「ひ、一口……僕にも一口くだ……」
「あっ、アレンさん! 出来立てだから気をつけてね!」
ルナが親切心から【炎・3(スリー)】で焼き立てアッツアツのたこ焼きをアレンの口へポンと放り込んだ。
「モグッ……熱っ!? アツアツアツアツアツぅぅぅっ!! 内臓が灼熱のプラズマで焼き尽くされるぅぅぅっ!!(※美味しすぎて熱い)」
涙目になりながらも「でも美味いぃぃぃっ!」と悶絶するアレン。
『ふむ。熱保持率も計算通りです。【炎・3(スリー)】は調理用としても戦闘用としても完璧な性能ですね』
こうして、ルナの新たな決め技【炎・3(スリー)】は、まさかの「極上のたこ焼きを作る技」として誕生したのだった!




