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犬と白昼夢   作者: 蟻
2/7

シェケナベイベー


「ふぁ…」



微睡みの中、微かに聴こえるハードロックを目覚まし代わりに、黒澤 健二は一つ欠伸をしてから気怠げに寝返りを打つ。



--もう、そんな時間か


「んー…っ」


身を起こし、腕を上げ思い切り背筋を伸ばす。



健二が今現在居る屋上のすぐ下には音楽室があり、放課後になると軽音学部の演奏が聴こえて来る。


よく授業をサボり、屋上で昼寝をしている健二にとっては、分かりやすい帰宅時間の合図になっている。



「うるさ…」


聴いた事のあるメロディ、一昔前に流行ったロックバンドの曲だ。


渋い選曲だな…などと考えながら、彼は再び床に寝転がる。



--何だか、気持ち悪い夢を見たな


先程見た夢を思い出す。

グロテスクで悪趣味な夢。


昨晩、寮のルームメイトが大量にDVDをレンタルして来て、朝まで観賞に付き合わされたB級映画の影響だろう。


「クソ、あいつマジ呪う」


呟きながら目を閉じる。



春の暖かい日差しが心地好く、もう少し微睡んでいたい気分だった。


階下から響くハードロックを子守唄に…


「いや、やっぱうるせーな」


…出来る訳もなく。


二度寝を諦めた健二は立ち上がり、大人しく帰宅する事に決めた。



もう一度背筋を伸ばしてから、後ろに振り返り、出入口の扉に向かう。


そしてドアノブに手を掛け、ノブを回そうとした時だった。



『キャアァァァァァァァァァァッ!!』


『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!』



突然、校庭の方から複数の悲鳴が聞こえて来た。


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